2019年4月21日 更新

ストレス耐性が低い原因は?ストレスの累積度チェックと耐性を高める方法

会社の面接を考えるだけでストレスを感じることはありますか?実はストレス耐性が低い原因には男女差や遺伝が影響していると言われています。また、筋トレでストレス耐性を高めることも可能です。ストレスの累積度のチェックや耐性を高める方法について説明していきましょう。

目次

ストレスは我慢して溜め込むほど増えていってしまいます。それは、ストレスを抱えていることがまた新しいストレスとなり、増幅していってしまうからです。

例えば、職場の人間関係で苦手な人がいたとします。それがストレスになってしまっていると、会社から帰ってきてもその人のことが頭から離れません。職場であった嫌なことをもう一度自宅でも思い出してまた明日も同じようなことがあるのではないかと想像してしまいます。

このように、現実に目の前に起こっていないことをあれこれと思い悩むことをマインド・ワンダリングと言います。このマインド・ワンダリングがストレスの蓄積を悪化させてしまうことになるのです。

ストレスをコントロールできれば減らすことができる

Calm Water Clear - Free photo on Pixabay (203988)

ストレッサーとなり得る要因も、自分の気持ち次第ではストレスにならないというケースもあります。例えば仕事量が多少多くても、それが自分の得意分野だったり好きな仕事であれば、ストレスよりモチベーションの方があがる場合もあるでしょう。

ある程度自分でコントロールできることはストレスとはならないことが多いです。逆に、自分の気持ちの持ち方や捉え方ではどうすることもできないことがストレスとして蓄積されていくという見方もできます。

先ほどのマインド・ワンダリングなども、そのしくみを理解して気持ちの切り替えがうまくできるようになれば、無用な増幅は防げるということにもつながります。

「安心感」を持つことでストレス解消になる

Dog Cat Pets - Free photo on Pixabay (204033)

ストレスはすべて解決しなくてもある程度その負荷を減らすことが可能です。根本的にストレッサーを取り除くことができなくても、気分転換やストレスを発散できる場所があれば、ストレス解消の効果を得られるからです。

そのためにはストレッサーから離れて安心感をもつということがポイントになります。それは物理的に離れた場所でもいいですし、気の置けない友人や信頼できる友達など、自分の本音を言えるような安心した人間関係でも良いです。

心の緊張を解ける場所であるということがストレス解消につながります。

ストレスにはプラスとマイナスがある

Good Bad Opposite - Free photo on Pixabay (204103)

一般的に、ストレスという言葉は体や心にとって良くないというイメージで使われることが多いです。しかし、生活の中でまったくのストレスがないという状況はあり得ません。

私たちの体は外からの何かしらの刺激に対して反応します。暑ければ汗を出し、ウィルスが入れば熱を出してウィルスを退治する、という仕組みです。それらのホメオスタシスの維持のためにもある程度のストレスは必要なのです。
Smiley Emoticon Anger - Free photo on Pixabay (204144)

また、心理的なストレスも時としては仕事をやり遂げるためのモチベーションにつながることもあります。すべてのストレスがマイナスのものではないということです。

ある一定量を超えてしまったり、耐性を低くしてしまう条件がそろってしまったときにマイナスな作用として働いてしまうのです。

遺伝子レベルで考えるストレス耐性の高さ

Dna String Biology - Free image on Pixabay (205083)

ストレス耐性の高さの違いは、遺伝子も関係していると言われています。人の感情や精神の安定に影響を与えるのは、セロトニンという脳内物質であることが分かっています。このセロトニンの分泌量を調節しているセロトニントランスポーターという遺伝子の型によってストレス耐性の高さが変わってくることが解明されています。

遺伝子や脳内物質、という言葉を聞くとなんだか難しそうですが、セロトニントランスポーターの型の違いについて具体的に説明していきましょう。

SS型・SL型・LL型

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脳内物質であるセロトニンの分泌を調節しているセロトニントランスポーター遺伝子は、遺伝子の長さによって、短いS型と長いL型に分かれています。そしてそれぞれの長さの組み合わせによって、SS型、SL型、LL型の3種類の型があります。

長い組み合わせのLL型の人はおおらかで楽天的、短い遺伝子の組み合わせのSS型の人は不安を感じやすく、うつ病の発症リスクが高いということが分かっています。

このセロトニントランスポーター遺伝子の型によって、ポジティブな性格かネガティブな性格かということがある程度決まるという言えるのです。つまり、LL型の遺伝子を持つ人の方が、ストレス耐性は強いということが言えます。

日本人のLL型遺伝子率は全体の3%

Microbiology Cell Gene - Free image on Pixabay (205280)

ポジティブな性格を決定するLL型のセロトニントランスポーター遺伝子ですが、日本人でその遺伝子を持っている人は、なんと全体の3%以下なのです。

データによっては、2%を切ると伝えているものもあります。ちなみにアメリカの場合、LL型の人の割合は全体の約30%です。遺伝子のレベルで見ると、日本人はアメリカ人よりストレスに対する耐性が低く、ストレッサーに影響されやすいということが分かります。

日本人は世界的に見てもSS型遺伝子の割合が高い

Asia Ceremony Chinese - Free photo on Pixabay (205325)

日本人に一番多いセロトニントランスポーター遺伝子の型はSS型です。その割合は全体の60%を超えています。幸福感や満足感を決めるセロトニンを運ぶ遺伝子が短いということは、脳内のセロトニンの量が少ないということになります。

日本人にとってこの数値はややショックな気もしますが、我慢強くて感情をあまり表現しないという日本人の国民性から考えると、納得できる部分でもありますね。
Young Asia Cambodia - Free photo on Pixabay (205371)

しかしこのSS型は、日本人だけではなく概してアジア諸国の人達が持っている割合が多いことも分かっています。一説には、高温多湿で伝染病の感染リスクが高い地域のため、人の体が外からのストレスに強く反応するような遺伝子が組み込まれるようになったとも言われています。

人間の体の防御システムとして、ストレッサーに反応しやすい遺伝子を持つようになったのかもしれませんね。ちなみに、世界中でSS型の遺伝子を持つ人の割合が一番低い国はアフリカです。

セロトニントランスポーター遺伝子の型だけで見ると、アフリカの人のストレス耐性は非常に高いということになりますね。

ストレス耐性の高さには男女差がある

Man Woman Composing - Free photo on Pixabay (205381)

ストレス耐性の高さは男女の差によっても違いが現れます。一般的に男性より女性の方がストレスへの耐性は低いと言われています。その原因はひとつにはホルモンの影響と、もうひとつには男女の脳の違いがあります。

女性の体や感情に大きく関係しているのが、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンです。中でもエストロゲンは自律神経に関わっており、過剰に分泌されても減少しても体に影響を与えます。

生理の前になると気持ちが不安定になったりするのは、このエストロゲンの分泌量の増減によるものです。また、閉経してエストロゲンの分泌量が減少したあともまた、憂鬱になったり精神的に不安定になったりします。
Anatomy Biology Brain - Free vector graphic on Pixabay (205475)

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