2019年6月17日 更新

リクルート事件をわかりやすく解説!加戸守行は冤罪だったのか?

戦後の日本において、最大の汚職事件がリクルート事件。当時の社会背景・複雑な人間関係、加戸守行や森喜朗など多くの政治家が関わり、さらに事件そのものが冤罪だったのではと言われるなど、実に多様な顔を持っています。この日本最大の政治的汚職事件をわかりやすく説明します。

目次

リクルート事件をわかりやすく解説

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政治家の不祥事が報道されることがあると思います。政治と金は切っても切れないものなのかもしれません。中には政治家を信用できないと思っている人もいるのではないでしょうか。そんな政治と金の問題で、昭和が終わりという時代に戦後最大と言われる汚職事件が起きました。

その汚職事件は『リクルート事件』というものです。そのリクルート事件というものが一体どんな事件なのか。戦後最大とも言われる理由などをわかりやすく解説していきたいと思います。

戦後日本の最大汚職事件

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リクルート事件とは、1988年(昭和63年)6月18日に発覚した日本の贈収賄事件です。リクルートの関連会社であるリクルートコスモス社の未公開株が賄賂として譲渡されました。贈賄側のリクルート社関係者と、収賄側の政治家や官僚らが逮捕され、政界・官界・マスコミを揺るがすスキャンダルであり、 第二次世界大戦後の日本において、最大の汚職事件でした。多くの政治家・官僚などが関わり、国民は不信感を募らせることになります。

リクルート関連会社と政治家や官僚らが関与

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リクルート社の創業者・江副浩正氏が、自社の政財界における地位を高めるため1984年12月から翌4月にかけて、政治家や官僚らに、グループ企業である上場していないリクルート・コスモス社の未公開株を譲渡しました。上場していないので一般の人は購入すら出来ないものです。

その値上がり確実な未公開株を店頭公開前に譲渡することで利益を供与することが目的であり、その裏には政財界へのつながりを持ち、自分の会社に有利に動いてもらおうとしていたのです。

朝日新聞のスクープによって発覚

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戦後最大ともいわれるリクルート事件は、1988年6月18日に朝日新聞がスクープ記事として掲載したことで発覚しました。『川崎市助役へ一億円利益供与疑惑』というタイトルで、リクルートコスモス社の未公開株が譲渡されたことを報道したのです。

助役は「違法なことは一切ない」とコメントしましたが、「政治家が株に絡み多額の資金を得る」という論点にフォーカスを当て報道が過熱していったため、国民の間には驚きと波紋が広がっていくことになるのです。

売却益は6億以上にのぼる

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そもそも証券取引所に上場している企業の株式は、基本的に株式公開しているので証券取引所で売買することが出来ます。これとは反対に上場していない企業の株は株式公開していないため、その株は『未公開株』と呼ばれています。この未公開株の譲渡で、譲渡側のメリットと言えば、簡単に儲かる可能性がとても高いということです。企業の株式を新規に証券取引所に公開する時は、直前に未公開株を一般に向けて販売しますが、公開直後には販売価格よりも市場価格が上回ることがとても多いため、譲渡側にとっては利益を得る可能性が非常に高くなります。

この裏取引を行い、1984年12月から翌4月にかけて政治家や官僚らにリクルート関連会社であるリクルートコスモス社の未公開株が譲渡されました。そして、1986年10月30日にリクルート・コスモスの株が店頭公開され、譲渡された政治家や官僚らは、株を売却し売却益は合計で約6億以上にのぼると言われているのです。

一国の総理大臣が辞任する事態に発展

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リクルート事件では江副浩正氏を始め12人が収賄罪で起訴され、江副さんは執行猶予5年の懲役3年を始め起訴された人全員が有罪判決を受けました。しかし、譲渡された大物政治家たちは不起訴処分とされ、検察もちゃんと追求することはなくこの事件は終結しました。

しかし、リクルート社からの単純な金の貸し借りとして不起訴となった一人である竹下登首相は、朝日新聞が借金話を報道して世論が沸き、辞職せざるを得ないとして1989年竹下登内閣は総辞職という事態に発展したのです。

リクルート事件の発端

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そもそもこの事件の発端であるリクルート社は、現在、就職関係で有名な企業の一つです。その企業が戦後最大ともいわれ、総理大臣が辞任するまでに発展したリクルート事件を起こすのです。12人の逮捕者が出るなかで大物政治家は不起訴になるなどの問題も多く、国民は政治家への不信感でしかなかったのではないでしょうか。

この事件の発端となった未公開株の譲渡・朝日新聞のスクープなどをもう少し詳しく説明していきたいと思います。

1988年川崎市助役へ未公開株が譲渡された

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1988年、川崎市の企業誘致責任者だった小松秀煕(ひでき)助役が、リクルート関連会社であるリクルートコスモス社の未公開株を譲渡されました。

助役とは改正地方自治法が2007年4月1日に施行されるまで存在した、現在の副市町村長と同等の役職です。市町村長に代わって業務の詳細についての検討や政策の企画立案を行なったりするほか、市町村長の判断が不要な重要でない事案、もしくは市町村長の委任を受けた事案についての決定や処理を行なうのが仕事であり、当時、企業誘致責任者であった小松助役への未公開株の譲渡は、その立場を利用しようとした結果だったのではないでしょうか。

1988年6月朝日新聞がスクープ記事として掲載

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1988年6月18日、川崎市助役という立場であった小松に、川崎駅西口再開発における便宜供与を目的としてリクルート社の関連会社であるリクルートコスモス社の未公開株が譲渡されたことを、朝日新聞によって『川崎市助役へ一億円利益供与疑惑』としてスクープされました。

当時、明治製糖川崎工場跡地の再開発事業であるかわさきテクノピア地区に関して、本来容積率が500%のところを800%に引き上げて高層建築を可能とさせるのが目的であったと報道されたのです。

1988年7月マスコミ各社の後追いによって多くの関与者が明らかになる

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7月になるとマスコミ各社の後追い報道によって、中曽根康弘前首相、竹下登首相、宮澤喜一副総理・蔵相、安倍晋太郎自民党幹事長、渡辺美智雄自民党政調会長ら、自民党派閥領袖クラスにもコスモス株が譲渡されていたことが発覚していきます。90人を超える政治家がこの株の譲渡を受け、森喜朗は約1億円の売却益を得ていました。

さらに学界関係者では、政府税制調査会特別委員を務めていた公文俊平にも1万株が譲渡されていたことも判明しました。 7月6日には森田康日本経済新聞社社長も、1984年(昭和59年)12月に受けた未公開株譲渡で8,000万円の売却益を得た事が発覚し社長を辞任しています。

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