2019年6月17日 更新

リクルート事件をわかりやすく解説!加戸守行は冤罪だったのか?

戦後の日本において、最大の汚職事件がリクルート事件。当時の社会背景・複雑な人間関係、加戸守行や森喜朗など多くの政治家が関わり、さらに事件そのものが冤罪だったのではと言われるなど、実に多様な顔を持っています。この日本最大の政治的汚職事件をわかりやすく説明します。

目次

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みんなの党代表を務めていた渡辺喜美は、父親の秘書時代に未公開株の名義人として5000株を受け取っています。父の美智雄は「アタシの知らないうちにウチのせがれが5000株もらったばっかりにこっちは総理大臣がパーになっちゃったよ」と自嘲気味に語っていました。

このように、あくまでも妻や家族が株をもらったと事実なのか言い訳なのかわかりませんが、政治家の常套句とも言える言葉で逃げ切った政治家は少なくありません。

うつ病発症

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リクルート事件の発端となった江副会長。当時では常識であった関係者への未公開株の譲渡、そして賄賂を持ち掛け隠し撮りされたことなど大スキャンダルと発展したことで、相当なストレスを抱え「抑うつ症状」で半蔵門病院に入院しました。何か事件が起きると病院に逃げ込む政治家も少なくありません。本当にうつ病を発症していたとしたら、参考人として対応できる状況になかったのではないかに・悪化させるリスクもあるのではないかと心配になります。

野党の激しい要求を拒めず、衆院税制問題等特別委員会の金丸信委員長をはじめ、社会党の村山富市や共産党の正森成二などが、半蔵門病院に入院している江副を参考人として病床で質問しました。病床質問に関しては「形だけのセレモニー」などと世論の反発が強まったようです。

譲受人名簿提出要求は金銭要求

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国会で未公開株譲渡問題を追及していた社民連の衆議院議員楢崎弥之助がコスモス株の譲受人名簿を提出するようリクルートに要求しました。リクルートコスモス社長室長を介しリスク管理の専門家としてリクルートに入社した田中辰巳(現・株式会社リスクヘッジ代表取締役社長)が楢崎の要請は金銭の要求だと強く主張し、これを受けリクルート常務がコスモス社社長室長に楢崎との接触を指示したという経緯があります。

追求するために名簿提出を要求した議員に対して、金銭要求されたと解釈し賄賂を贈ろうしたリクルート社側の思考回路は疑問です。お金で解決できるのならという短絡的な思考なのかもしれません。

リクルート事件は冤罪事件なのか

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リクルート事件を調べていると、冤罪なのではないかという話も出てきます。それは当時は企業が上場するときに周囲の信用のおける人に公開前の株を持ってもらうのは、当たり前のことだったということを考えると、そもそも事件性なしと判断されてもいいのではないかということです。

検察側のシナリオ通りに動かし冤罪を生み出していたとしたら、恐ろしい事件とも言えます。冤罪事件だとするならば、多くの人が関わっていながら12人という少ない逮捕者も納得がいくのではないでしょうか。

正義の罠リクルート事件と自民党二十年目の真実

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リクルート事件とは昭和63年に発覚した贈収賄事件で、戦後最大の企業犯罪とも言われています。リクルートの関連会社である不動産会社のリクルートコスモス社の未公開株が、政治家や官僚などに賄賂として譲渡され、リクルート社の江副浩正氏の他、政治家2人や官僚3人などを含む12人が有罪判決を受けました。

この事件は値上がりがほぼ確実なリクルートコスモスの未公開株を賄賂代わりに譲渡していたことで、マスコミは「濡れ手に粟」だと猛烈な批判をしていました。その後、田原総一郎氏がリクルート事件についての連載記事を書きましたが、この連載は「正義の罠」という本として出版されました。

当時は公開前に株を渡すことが当たり前

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当時は企業が上場するときに周囲の信用のおける人に公開前の株を持ってもらうのは、当たり前のことだったということです。公開前に信用できる人に株を持ってもらうのは当時の常識であり、リクルート以外でも同様のことが普通に行われていました。

そもそも現金と違い、株というのは値上がりすることもあれば値下がりすることもあります。リクルートコスモスの株が譲渡された時期は、バブル時代に差し掛かる時期だったので、土地と同様に株価も右肩上がりでした。多くの人は公開後に株を売却して利益を得ましたが、中には株が値下がりして損失を出した人もいたのです。

株は現金と違い下りもするため賄賂に当たらない

Handcuffs Money Corruption - Free photo on Pixabay (397589)

当時の経済同友会副代表幹事だった諸井虔氏も以下のように言っていました。「あの頃、新しく株を公開する企業が多く、その場合、自分の周囲の社会的信用のある人達にあらかじめ株を持ってもらうというのが常識のようになっていた。僕もある頃から頼まれていた。その株が結果として値上がりする。株というのは下がって損をすることもあるのだからね。江副君から頼まれて持った。それだけのことで、危ないとか、やましいとかいう意識は全くなかった。江副君にも勿論なかったはず。」

公開前に信用できる人に株を持ってもらうのは当時の常識であり、リクルート以外でも同様のことが普通に行われていました。そもそも現金と違い、株というのは値上がりすることもあれば値下がりすることもあります。リクルートコスモスの株が譲渡された時期は、バブル時代に差し掛かる時期だったので、土地と同様に株価も右肩上がりでした。多くの人は公開後に株を売却して利益を得ましたが、中には株が値下がりして損失を出した人もいました。

本来はNTTがリクルートに賄賂を贈る立場

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リクルート事件で最も矛盾していたことが、リクルートがNTTに賄賂を贈ったいうことでした。NTT側の人間は収賄で有罪となりましたが、NTTはリクルートに販売する立場だったので、本来はNTTがリクルートに賄賂を贈る立場でした。リクルートはNTTを通して米国のクレイ社からスーパーコンピュータを購入しているのですが、これはリクルートからすれば本来は必要なかったものでした。

しかし、当時日米貿易摩擦の影響でNTTは米国から一定の資材調達をしなければいけなくなっていました。そこで、NTT側がリクルートにNTT経由で米国クレイ社のスーパーコンピュータを購入することを無理に頼み込み、江副氏はリクルートの利益にはならないけど日本の国益のために承諾しました。NTT側の容疑者は取り調べでは嘘の供述はしていませんでしたが、法廷では事実と違う嘘の証言をしました。裁判官も嘘の証言を認めてしまい、販売する側が賄賂を受け取るという世にも珍しい贈収賄事件として有罪になりました。

検察・マスコミの陰謀

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検察はマスコミに様々な情報をリークして、リクルートや株を受け取った人間は悪者だというイメージを作ります。マスコミは検察が流す情報を鵜呑みにして、リクルートや株を受け取った政治家や官僚などを叩きまくりました。

一般の人の多くもマスコミにまんまと騙されて、リクルート事件に絡んだ人間を悪で、未公開株を受け取った政治家は金に汚いと思い込まされました。冤罪事件の多くは、このように検察とマスコミがグルになって生み出しているものだと思います

検事調書は捏造されたもの

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容疑者の取り調べでは、事実と異なる供述をさせて検事調書が捏造されたということが多くありました。これは他の冤罪事件でも同様にあることですが、リクルート事件についても有罪に持っていくために、容疑者を脅したり、土下座の強要や壁に向かって立たせて耳元で怒鳴るなど強圧的な取り調べをしたりして、精神的に追い詰めて容疑者に虚偽の供述をさせて、嘘の検事調書への署名をさせていました。

実は、リクルート事件の一審では、江副氏の検事調書は信用できないと裁判官が判断し、検察の主張には矛盾があるということで、無罪判決が出ていました。無罪判決に対してマスコミは一斉に激しい批判を行い、裁判官を激しく叩きました。しかし、二審の裁判官は江副氏の検事調書を信用できるとして、有罪判決を出しました。裁判で容疑者が検事調書に記録されていることは嘘だと主張しても、裁判官は聞く耳を全く持ちませんでした。有罪判決を出した裁判官に対しては、マスコミが批判するようなことはありませんでした。
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