2019年7月29日 更新

百人一首の恋の歌の一覧!現代語訳をしてみて分かる奥深さとは

百人一首には恋する気持ちを読んだ歌がたくさんあり、100句中43句を恋の歌が占めているほどです。百人一首はそのまま読んでも意味が分からないものが多いので現代語訳にしたものを一覧でご紹介していきます。現代の言葉に訳すと百人一首が身近に感じられますよ。

目次

Moon Sea Full Light - Free photo on Pixabay (518009)

「有明のつれなく見えし別れよりあかつきばかりうきものはなし」は30番目の歌で壬生忠岑が詠みました。

現代語訳

Tree Sunset Nature - Free photo on Pixabay (518010)

現代語訳は「あなたと別れたあの時も有明の月が残っていましたがあなたと別れてから有明の月がかかる夜明けほどつらいものはありません」です。

「つれなく」は何の反応もなく無情であることを表しています。「あかつき」は明るくなり始める時で男女が別れるために起きだす最初の時間だと言われています。

壬生忠岑は平安時代前期の歌人で役人としての地位は高くありませんでしたが和歌を詠む才能が評価されました。生まれた年や死んだ年はわかっていません。

忘らるる身をば思はずちかひてし…

Pinky Swear Friends Promise - Free photo on Pixabay (518011)

「忘らるる身をば思はずちかひてし人の命の惜しくもあるかな」は38番目の歌で右近が詠みました。

現代語訳

Rose Flower Petal - Free photo on Pixabay (518012)

現代語訳は「あなたに忘れられる我が身のことは何ほどのこともありませんが神にかけてわたしをいつまでも愛してくださると誓ったあなたの命が神罰を受けはしないかと借しく思われてなりません」です。

「人」は意中の人物や恋人のことで藤原師輔か藤原敦忠を指していると言われています。右近は平安時代中期の女流歌人で、父は右近衛少将藤原季縄です。

醍醐天皇の中宮穏子に仕えた女房で元良親王、藤原敦忠、藤原師輔、藤原朝忠、源順などと恋愛関係にありました。生まれた年や死んだ年はわかっていません。

浅芽生の小野の篠原しのぶれど…

Bamboo Forest Wood - Free photo on Pixabay (518013)

「浅芽生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき」は39番目の歌で参議等が詠みました。

現代語訳

Nature Fluffy Seed - Free photo on Pixabay (518015)

現代語訳は「浅茅の生えた寂しく忍ぶ小野の篠原ではありませんがあなたへの思いを忍んでももう忍びきることは出来ません。どうしてこのようにあなたが恋しいのでしょうか。」です。

「浅芽生」は浅芽が生えている場所で、浅芽とは一面に生えた丈の低いチガヤのことです。「小野」は野原のこと、「篠」は細く小さい竹の総称をそれぞれ指しています。

参議等とは源等であり平安時代前期から中期にかけての公家です。嵯峨源氏と中納言である源希の子どもで参議は官位を意味しています。

しのぶれど色に出でにけり我が恋は…

Heart-Shape Tree Red - Free photo on Pixabay (518016)

「しのぶれど色に出でにけり我が恋は物や思ふと人の問ふまで」は40番目の歌で平兼盛が詠みました。

現代語訳

Flower Vase Colorful - Free photo on Pixabay (518017)

現代語訳は「人に知られまいと恋しい思いを隠していたけれどとうとう隠し切れずに顔色に出てしまった。何か物思いをしているのではと人が尋ねるほどまで」です。

「しのぶれど」は忍ぶ恋を表す歌語で恋の苦悩に耐えていることを表現しています。「色に出づ」は心中の思いが表情や態度に表れる意味となる慣用語句です。

平兼盛は平安時代中期の歌人で三十六歌仙の一人です。父親は篤行王で生まれた年は不明ですが991年に亡くなっています。

恋すてふ我が名はまだき立ちにけり…

Whisper Secret Mystery - Free photo on Pixabay (518018)

「恋すてふ我が名はまだき立ちにけり人しれずこそ思ひそめしか」は41番目の歌で壬生忠見が詠みました。

現代語訳

Balloon Heart Love - Free photo on Pixabay (518020)

現代語訳は「わたしが恋をしているという噂がもう世間の人たちの間には広まってしまったようだ。人には知られないように密かに思いはじめたばかりなのに」です。

「まだき」は早くも、「名」は名前、「人しれず」は忍ぶ恋を表す恋歌の慣用語句で「人」は第三者のことを表しています。

壬生忠見は平安時代中期の歌人で壬生忠岑の子どもです。名前は数回変わっていて初めは名多、後に忠実、そして忠見と改められました。三十六歌仙の一人に数えられています。

ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ…

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