2019年7月29日 更新

百人一首の恋の歌の一覧!現代語訳をしてみて分かる奥深さとは

百人一首には恋する気持ちを読んだ歌がたくさんあり、100句中43句を恋の歌が占めているほどです。百人一首はそのまま読んでも意味が分からないものが多いので現代語訳にしたものを一覧でご紹介していきます。現代の言葉に訳すと百人一首が身近に感じられますよ。

目次

Hair Black Woman Long - Free photo on Pixabay (518076)

「長からむ心もしらず黒髪のみだれてけさは物をこそ思へ」は80番目の歌で待賢門院堀河が詠みました。

現代語訳

Pastries Bake Sweet - Free photo on Pixabay (518077)

現代語訳は「あなたの心は末永くまで決して変わらないかわからず、わたしの黒髪が乱れているように心も乱れて今朝は物思いに沈んでおります」です。

「黒髪」は男女ともに使う言葉です。待賢門院堀河は平安時代後期の歌人で父親は源顕仲です。女房三十六歌仙と中古六歌仙の一人でした。生まれた年や亡くなった年はわかっていません。

一度は結婚をしましたが夫とは死別して1142年に同僚の待賢門院中納言と出家しました。

思ひわびさてもいのちはあるものを…

Island Heart Ocean - Free photo on Pixabay (518079)

「思ひわびさてもいのちはあるものを憂きにたへぬは涙なりけり」は82番目の歌で道因法師が詠みました。

現代語訳

Woman Desperate Sad - Free photo on Pixabay (518080)

現代語訳は「つれない人のことを思いこれほど悩み苦しんでいても命だけはどうにかあるものの、この辛さに耐えかねるのはたえず落ち続ける涙であることだ」です。

この和歌が詠まれた事情は明らかになっていません。「思ひわび」は恋人の薄情さを恨み、わが身の憂さを歎き悲しんでという意味です。

道因法師は藤原敦頼のことで平安時代後期の歌人です。藤原清孝の子どもとして1090年に生まれましたが亡くなった年は定かではありません。

夜もすがら物思ふころは明けやらで…

Forest Fog Trees - Free photo on Pixabay (518081)

「夜もすがら物思ふころは明けやらで閨のひまさへつれなかりけり」は85番目の歌で俊恵法師が詠みました。

現代語訳

Tree Cat Silhouette - Free photo on Pixabay (518083)

現代語訳は「一晩中恋しい人を思って悩んでいるので早く夜が明けたらよいと思っているのですが、なかなか夜は明けず寝室の隙間さえもつれなく感じられます」です。

「夜もすがら」は一晩中のこと、「閨のひまさへ」は恋人がつれないだけでなく閨の隙間までもという意味です。「ひま」は割れ目や隙間のことを指しています。

俊恵は平安時代末期の僧、歌人で父親は源俊頼です。東大寺の僧となったことから俊恵法師と呼ばれました。

なげけとて月やは物を思はする…

Lunar Eclipse Full Moon - Free photo on Pixabay (518084)

「なげけとて月やは物を思はするかこち顔なるわが涙かな」は86番目の歌で西行法師が詠みました。

現代語訳

Beach Sand Stones - Free photo on Pixabay (518085)

現代語訳は「嘆き悲しめと月はわたしに物思いをさせるのだろうか。 いや、そうではない。本当は恋の悩みの所為なのにまるで月の仕業であるかのように流れるわたしの涙ではないか」です。

「かこち顔」は口実にするような、かこつける顔のことを言います。またうらめしそうな顔のことも指しています。西行は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士、僧侶、歌人です。

父親は佐藤康清、母親は源清経女です。出家して西行法師と呼ばれました。

難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ…

Tree Sunset Amazing - Free photo on Pixabay (518086)

「難波江の蘆のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき」は88番目の歌で皇嘉門院別当が詠みました。

現代語訳

Lunar Eclipse Bloodmoon - Free photo on Pixabay (518087)

現代語訳は「難波の入江に生えている蘆を刈った根のひと節ほどの短いひと夜でしたが、わたしはこれからこの身をつくしてあなたに恋しなければならないのでしょうか」です。

「難波江」は阪市淀川河口付近の海の古称で「蘆」は水辺に生えるイネ科の多年草のことです。「かりね」は仮寝と刈り根を掛けていて仮寝は少しの間寝ることや仮の契りを結ぶことを言います。

皇嘉門院別当は平安時代末期の女流歌人で生まれた年や亡くなった年はわかっていません。

玉の緒よたえなばたえねながらへば…

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