2019年6月30日 更新

【診断】広場恐怖症の症状とパニック障害との違いは?原因と克服法も

こちらは最近芸能人でも公表する方が多くなってきたとされる広場恐怖症についての紹介記事になります。症状をはじめ、原因や診断についてご紹介しています。またパニック障害との違いや克服体験談なども併せて記載しておりますので、興味がある方はご覧になってみて下さい。

パニック障害と似た症状

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パニック障害は不安障害の一つとされ、一般的にも知られることが多く、対人恐怖、広場恐怖など様々な障害や恐怖症の総称として呼ばれることがあります。

パニック症候群の特徴的な症状はパニック発作です。突然激しい不安を察知し、何かに追い回されるといった悪夢に襲われるような感覚に囚われます。

パニック発作には、動悸が激しくなる、手や顔に激しい汗をかく、呼吸困難、漠然とした恐怖感・不安感、胸の痛みや吐き気、震えなどの症状が引き起こされ、日を置かずに定期的な発作を繰り返します。

恐怖に当たる場所からの回避

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「また発作が起こるのではないか」という心配が続くことを「予期不安」といい、広場恐怖症を患っている人は、この不安に襲われる場所を避けるようになります。

この場所が日常的に必要なところであれば、その後の生活に支障をきたし、生きていくこと自体が苦しくなるといった状況も十分にあり得る話になります。

一般的に恐怖する対象というのは人間からの危害に該当します。その空間や場所からのイメージでその妨害する人間を勝手に作り出してしまい、恐怖を感じてしまうのです。

広場恐怖症の原因

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広場恐怖症の原因には、否定的な思考・感情、過去の思い出したくない出来事、誰かに襲われた記憶、大切なものを奪われるといった過度のストレスから、広場恐怖症に発展すると考えられています。

また周囲に対して敏感に反応することも影響しています。このように自分を守ろうという意識が強く、周囲を警戒している心理状態から逃げ出す準備が出来ていない、予測できない事態になると異常なストレスを感じるようになるのです。

具体的な要因として、子どもの頃に両親の死といった経験があげられます。他にも家庭の温もりが少ない、過保護に育てられたといったように、人の本質を学んでこれなかった様子が伺えます。このように相手が何を考えているのかを理解したり察知するのが苦手としている人が多くに見受けられます。

幼少時代のトラウマ

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幼少時など過去にトラウマとなる出来事を経験している人は、不安障害になる確率が高い傾向にあるとされています。

手足を切断したイギリスとアメリカの元軍人は、約25~50%の割合で不安障害を抱えるとされ、死を予期するような経験を経てきた人間は、日常でも過度な不安に苛まれる傾向が強いことが伺えます。

また、性的虐待を受けていた人の2~82%が不安障害を報告するなど、過去におけるマイナスの要因で不安障害が誘発される確率は非常に高く、助けを求められない閉塞された環境に置かれている状況が多く見受けられます。

何者かに襲われた経験

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広場恐怖症は、誰かに襲われたといった経験がある場合でも発症することがあります。こういった場所を経験し始めると、毎回発作を起こすようになり、理解が及ばない場合さらに状況が悪化していきます。

具体的には、助けを呼べないような場所で被害にあってしまった経験がある人は、その場所に強い拒否感を感じるようになり
、不安を誘発すると共に行動が制限されるようになります。

他にも、誰かに傷つけられたときに誰も助けてくれなかった経験があると、「誰も助けてくれない…逃げられなかったらどうしよう…」といった不安や恐怖心を抱くようになります。

大切な物を奪われた経験

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大切なものを奪われるといった出来事でも、広場恐怖症を患う可能性が高くなります。大事な物を奪われたくないので守りに徹するようになり、余計に警戒し始めることになります。

また、その状況を解消することが難しいことから習慣づけられ、不安が積み重なり大きな不安へと変化していきます。そして最終的に思考が追い付かなくなり、ありえない恐怖を感じるようになるのです。

「奪われる」と不安に感じることは、その場の状況が理解できていないことに他ならず、未知的なものに怯えているさまを映し出しています。自分の考えの及ばない未知的な空間が理解できず永久的に彷徨っている、目には移りにくい症状なのだと言えます。

広場恐怖症の治療法

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広場恐怖症とパニック障害は、薬物療法と認知行動療法が最も効果的な治療とされていて、家族療法や集団精神療法といった治療法もあるとされています。

広場恐怖症は慢性的かつ持続的なことから、自然に直る確率は10%とかなり低く、治療によって改善する傾向が多くにあります。

主たる原因のパニック症が治療されることで、広場恐怖症も次第に落ち着くようになり、不安症状を抱える前の生活に戻っていくケースが多くにあります。治療によって劇的に回復するため、その疑いがある人はすぐに病院にかかりつくのが得策と言えるでしょう。

薬物療法

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薬物療法には、ベンゾジアゼピン(向精神薬)系抗不安薬による不安症状の抑制や、SSRI(パキシル、フルボキサミン)といった抗うつ剤による治療が代表的になっています。

SSRIは不安症状の緩和や再発を予防する働きがあり、50~60%の有効率といった高い効能を示す治療薬とされています。早期的な解決を目的とするのであれば、薬品による治療が最適である可能性が高いと言えます。

他の抗うつ薬として三環系と四環系があり、三環系は抗うつ薬の中でも初期のものとされ、部位的な作用が低く効果が現れるのに1~2週間ほどかかります。四環系は即効性があり4日程で効果が現れるなど、三環系より副作用も軽い特徴があります。

認知行動療法

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認知療法とはパニック発作に対する心理学的治療法、つまりカウンセリングなどに該当します。薬物療法と同等の効果が期待できる治療法で、パニック障害だけでなく、うつやその他の精神障害を回復に向かわせるなど幅広い成果を見せています。

具体的には、症状がエスカレートしていく不安症の悪循環に対して、思考記録表と呼ばれる記録用紙を用い、破局的な思考に対して、根拠と反証を立てることによって社会に順応する思考を導き出していく治療のことを指します。

広場恐怖症の診断基準

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広場恐怖症の診断には、「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアルの第5版)」を基準とした診断があります。「DSM-5」とは、精神障害の分類を世界的に共通化したアメリカ精神医学会の書籍のことを指します。

他にも世界保健機関の「ICD-10(国際疾病分類)」による診断も存在し、DSMとともに国際的に広く用いられています。多くの精神科医は、患者を診察したのち患者に明確な症状を伝える手助けとしてこのマニュアルを参考にします。

なおDSMは症状の重さなどを図る場合に、A、B、Cと項目ごとに分けて症状を診断しています。では広場恐怖症の診断基準について、もう少し掘り下げていきましょう。

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