目次
- ダニングクルーガー効果を知って自己評価について見直しを
- ダニングクルーガー効果とは
- ダニングクルーガー効果を起こしやすい人の特徴
- 自分に甘い
- 人を否定しがち
- 世間を甘く見ている
- プライドだけ高い
- 自分の見たいように物事を見る
- ダニングクルーガー効果の例
- 仕事の活躍ぶり
- 自分の考え
- 自分の容姿
- 自分の性格
- 家庭への思いやり
- 収入
- 災害への備え
- 社会的地位
- 自分の能力の低さに気づかない原因
- 優秀な人が周りにいない
- 自分を客観的に見られていない
- 人のせいにして生きてきた
- 圧倒的な勉強不足
- ダニングクルーガー効果に陥らないための対処法
- 客観的に自分を考える
- 常に学びを大切にする
- 判断を急がない
- 自己評価を今よりも下げる
- 誰にも負けないと思えるような努力をする
- ダニングクルーガー効果の影響
- ダニングクルーガー効果のデメリット
- ダニングクルーガー効果にはメリットもある
- ダニングクルーガー効果を意識して自己評価を
客観的に自分を考える
集団の中で自分の能力はどれくらいなのかを見極めることは、適切な自己認知を得るために大切です。学力であれば全国模試を受ける、能力や性格なら率直に意見を言ってくれる家族や友達に聞いてみると良いでしょう。
人に注意された時は言い訳をせず、指摘してくれたことに感謝し、直すようにしましょう。また、人がルール違反をしたり失敗したりしたのを見たときには、それをただ批判するのではなく、「もしかしたら自分もこんなことをしていないか?」と振り返る良い機会だと捉えましょう。
客観的に自分を考えるには、謙虚さが必要です。人との関わりの全てが自分というのもを学ぶ機会だと考えて、素直に吸収するようにしましょう。
人に注意された時は言い訳をせず、指摘してくれたことに感謝し、直すようにしましょう。また、人がルール違反をしたり失敗したりしたのを見たときには、それをただ批判するのではなく、「もしかしたら自分もこんなことをしていないか?」と振り返る良い機会だと捉えましょう。
客観的に自分を考えるには、謙虚さが必要です。人との関わりの全てが自分というのもを学ぶ機会だと考えて、素直に吸収するようにしましょう。
常に学びを大切にする
蒲焼職人の間には「串打ち3年、割き8年、焼き一生」という言葉があります。単調な作業が繰り返される長い下積み時代を越えた先にも、一生続く修行の道が待っています。
修行を積み能力が上がるほど、自分が進むべき道の果てしなさ、険しさが見えてきます。そこで立ち止まる人はいつまでたっても二流、三流のままです。困難な道を目の前にして、自分の小ささを知りつつもそれを謙虚さに変え、真摯に立ち向かえる人だけが一流になれる可能性を持っています。
スポーツでも、芸術でも、またオフィスワークでも同じことで、その道を究めようと思ったら、長く厳しい道を歩んでいかなくてはなりません。自分の信じる道を慢心することなく一途に歩める人は着々と力をつけていきます。そのような人の自己評価は、その人自身が持つ高い能力を超えることはないでしょう。
修行を積み能力が上がるほど、自分が進むべき道の果てしなさ、険しさが見えてきます。そこで立ち止まる人はいつまでたっても二流、三流のままです。困難な道を目の前にして、自分の小ささを知りつつもそれを謙虚さに変え、真摯に立ち向かえる人だけが一流になれる可能性を持っています。
スポーツでも、芸術でも、またオフィスワークでも同じことで、その道を究めようと思ったら、長く厳しい道を歩んでいかなくてはなりません。自分の信じる道を慢心することなく一途に歩める人は着々と力をつけていきます。そのような人の自己評価は、その人自身が持つ高い能力を超えることはないでしょう。
判断を急がない
人の直観的な判断というのはなかなかバカにできません。事故に遭遇した時、とっさの判断で助かった、一目ぼれした人が理想とする運命の相手だった、ということは良くあります。しかし、直観が誤作動を起こしやすいケースもあります。それが数値の見積もりです。例えば、以下の計算式を見て、直観的にどちらが大きい数になるか答える、という問題を出すとします。
A=1×1×2×2×3×4×5×9×8×7×6
B=9×8×7×6×1×5×4×1×3×2×1
A=1×1×2×2×3×4×5×9×8×7×6
B=9×8×7×6×1×5×4×1×3×2×1
直観的にはBの方が大きく感じられますが、実際はAの方がずっと大きいです。人は瞬時に判断しないといけない場合、冒頭部分の情報に影響されます。ある特定の部分の情報に全体の情報が引きずられることを「アンカリング」と言います。アンカーとは錨のことで、ここでは船を一定の場所に留まらせる錨のように、全体の情報を留まらせてしまう先行する数値や情報を指します。
このように、結論を急ぐと一部分の情報にのみ意識が向き、全体を見られないのです。自己評価も同じで、結果を急ぎ過ぎる人は偏った情報だけで自己を見てしまうため、ダニングクルーガー効果の影響が強く出てしまいます。適切な自己評価のためには、全体的に、またあらゆる角度から情報を眺め、判断する慎重な姿勢が大切です。
このように、結論を急ぐと一部分の情報にのみ意識が向き、全体を見られないのです。自己評価も同じで、結果を急ぎ過ぎる人は偏った情報だけで自己を見てしまうため、ダニングクルーガー効果の影響が強く出てしまいます。適切な自己評価のためには、全体的に、またあらゆる角度から情報を眺め、判断する慎重な姿勢が大切です。
自己評価を今よりも下げる
自己評価を下げると言うのは、「うぬぼれてはいけない」、「私はそんなにできない」と自分を卑下することではありません。「もしかしたら自分は……かもしれない」と、自分の能力や行動に少しだけ疑問符をつけることです。
分かりやすい例が、車を運転する時の「だろう運転」、「かもしれない運転」です。「だろう運転」は「寝不足でぼーっとしているけど、この道は慣れているから大丈夫だろう」、「自分が優先だから、あの車は停まってくれるだろう」と、自己や周りの状況を甘く見積もって運転することを言います。
分かりやすい例が、車を運転する時の「だろう運転」、「かもしれない運転」です。「だろう運転」は「寝不足でぼーっとしているけど、この道は慣れているから大丈夫だろう」、「自分が優先だから、あの車は停まってくれるだろう」と、自己や周りの状況を甘く見積もって運転することを言います。
逆に「かもしれない運転」は、「今日はちょっと眠くて注意散漫になっているから、気をつけないと危ないかもしれない」、「あの車はずいぶん急いでいるから、こちらが優先でも停まらないかもしれない」と、常に状況とそこから起こり得る事故を予測し、注意する運転をいいます。
もちろん、事故防止のためには「かもしれない運転」が望ましいです。ポジティブシンキングが常に良いとは限りません。適度なネガティブさは、自己を正当に評価し、そこから起こる様々な事態に対処するために必要なことなのです。
もちろん、事故防止のためには「かもしれない運転」が望ましいです。ポジティブシンキングが常に良いとは限りません。適度なネガティブさは、自己を正当に評価し、そこから起こる様々な事態に対処するために必要なことなのです。
誰にも負けないと思えるような努力をする
歪んだ自己認知は、理想と現実のギャップを埋めるための手段とも言えます。「本当の自分はこんなのじゃない」、「本気を出していないだけ」と言い訳をし、努力をしない自分を正当化しているのです。
先ほどもご紹介した通り、自分の中のギャップ(自己矛盾)を解消するには、行動か思考を変えなくてはなりません。思考を変えるのは簡単ですが、そればかり続けていると何も成し遂げることはできません。
理想に近づくにはとにかく努力することです。努力したからと言って、全ての理想が実現できるわけではありません。それでも誰にも負けないと胸を張れるほどの努力は、理想以上の素晴らしい経験となるはずです。
先ほどもご紹介した通り、自分の中のギャップ(自己矛盾)を解消するには、行動か思考を変えなくてはなりません。思考を変えるのは簡単ですが、そればかり続けていると何も成し遂げることはできません。
理想に近づくにはとにかく努力することです。努力したからと言って、全ての理想が実現できるわけではありません。それでも誰にも負けないと胸を張れるほどの努力は、理想以上の素晴らしい経験となるはずです。
ダニングクルーガー効果の影響
人の自信過剰や自己中心的な一面が表れたものであるダニングクルーガー効果は、なくさなければならない悪いことだと思う人が多いのではないでしょうか。しかし、ダニングクルーガー効果にはもちろん悪い点もありますが、人がより良く生きていく糧となるような利点もあります。
人の心は虫歯とは違い、悪い部分を削り取ってしまえば全てが良くなる、というような単純なものではありません。悪い感情や思考が良い結果につながる場合もあるのです。ダニングクルーガー効果が人に及ぼす影響を、デメリットとメリットに分けて分析していきましょう。
人の心は虫歯とは違い、悪い部分を削り取ってしまえば全てが良くなる、というような単純なものではありません。悪い感情や思考が良い結果につながる場合もあるのです。ダニングクルーガー効果が人に及ぼす影響を、デメリットとメリットに分けて分析していきましょう。
ダニングクルーガー効果のデメリット
ダニングクルーガー効果に陥っていると、しばしば人はスキルアップの努力を放棄します。「自分はできる、優秀」と思い込んでいるために、努力の必要性を感じないのです。
また、思い込みと実際の能力の差に気づきたくないために、努力から目を背ける人もいます。いずれにせよ、ダニングクルーガー効果はスキルアップを阻む要因となりえます。
また、思い込みと実際の能力の差に気づきたくないために、努力から目を背ける人もいます。いずれにせよ、ダニングクルーガー効果はスキルアップを阻む要因となりえます。
更に、ダニングクルーガー効果が人に害を及ぼすケースもあります。日本における調査で、1000人を対象に運転に対して自信があるかどうかを聞いたところ、「自信がある」と答えた人は20代では50%弱で、60代前半まではそこから徐々に減少していきますが、60代後半からまた上昇し、80歳以上では72%の人が運転に自信があると答えるという結果となりました。
自信があるから高齢者になっても運転している、とも取れますが、中には自信過剰の人も含まれているでしょう。もし適切な自己認知ができているなら免許を返納するレベルにまで運転能力が衰えているにも関わらず、自信満々で運転していると、恐ろしい事故を起こしかねません。そう考えると、自分への過大評価により周りの人が被害を受ける可能性もあると言えます。
自信があるから高齢者になっても運転している、とも取れますが、中には自信過剰の人も含まれているでしょう。もし適切な自己認知ができているなら免許を返納するレベルにまで運転能力が衰えているにも関わらず、自信満々で運転していると、恐ろしい事故を起こしかねません。そう考えると、自分への過大評価により周りの人が被害を受ける可能性もあると言えます。
ダニングクルーガー効果にはメリットもある
ダニングクルーガー効果にはメリットもあります。自己評価の高さはそのままやる気や自信につながります。「子育てハッピーアドバイス」シリーズで有名な明橋大二医師は、「自分も人の役に立てるんだ」、「自分も生きていていいんだ」という自己肯定感の大切さを説いています。
また、子供は誰でも特有の万能感を持っていますが、これも未熟さゆえの過大な自己評価と言う点では、ダニングクルーガー効果の一種と言えます。しかし、万能感があるからこそ、子供は失敗を恐れず様々なことにチャレンジできます。「自分はできる!」と信じることが、力強く生き、成長する力になるのです。
また、子供は誰でも特有の万能感を持っていますが、これも未熟さゆえの過大な自己評価と言う点では、ダニングクルーガー効果の一種と言えます。しかし、万能感があるからこそ、子供は失敗を恐れず様々なことにチャレンジできます。「自分はできる!」と信じることが、力強く生き、成長する力になるのです。
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