2019年6月13日 更新

ダニングクルーガー効果の例とは?効果を認識して正しい自己評価を

日本では謙遜が美徳とされていますが、心の中では皆意外と自分の能力を高く見積もっています。そして、それが現実と全く違う、根拠のない自信過剰であることも多々あります。この心理現象を説明したダニングクルーガー効果について知り、自分自身と向き合う方法を学びましょう。

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収入と自己評価の関係についてもう一つお話しましょう。今は勤続年数が増えるごとにコンスタントに昇進、昇給するのではなく、社員のパフォーマンスを評価して昇進や昇給を決める人事評価制度を導入する会社も増えました。

ダニングクルーガー効果を起こしやすい人は、自分が思っているより評価が低く、収入が上がらなくて不満に思うことも多いでしょう。そういった場合は、「もしかしたら、自分で思っているほどできていないのかも」と素直に疑問の心を持ち、自分と同僚の仕事ぶりを客観的に比較しなくてはなりません。

そうして自分の能力を知り、仕事全体を広く把握することができれば、次の査定は笑顔で迎えられることでしょう。

災害への備え

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災害への備えについても、人は過大評価をします。「地震が起こる、起こるといっても大したことはないだろう」、「地震が起こっても、自分が死ぬことはないだろう」と災害に対して甘い見積もりをしてしまいます。これはダニングクルーガー効果に加え、ある心理が働いています。

人は予期しない事態に遭遇した時、「ありえない」、という先入観や偏見が働き、その事態を正常の範囲内だと認識しようとします。これを「正常性バイアス」といいます。この正常性バイアスにより、災害について「ありえない」、「それほどひどくないだろう」と楽観視し、対応を怠ってしまうことがあるのです。

もちろん、必要以上に怯えていては日常生活にも支障はありますが、備えあれば憂いなしという言葉通り、災害について良く知り対処する、「正しく怖がる」方法を学ぶ必要があります。

社会的地位

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「自分は会社の社長だから偉い」、「私の伯父は県知事だ」というように、自分や自分に関係する人の社会的地位の高さを過大に評価し、うぬぼれる人もいます。

実際は社長だから、県知事だからと言って、それだけで偉いわけではありません。どんな地位においても自分の役割を果たし、周りに貢献できる人が、真に「偉い」人なのです。
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さらに、自分を偉いと思っている人は、逆にモラルが低くなる傾向にあります。社会的ステータスが高いと交通ルールを守らなかったり、自分に都合の悪い情報を隠したりと言ったモラルのない行動が多く見られることが、様々な実験で判明しています。

これを「上流階級バイアス」と言います。「自分は特別」という歪んだ自己評価が、「何をしても良い」という自分勝手な行動をさせてしまうのです。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」、「米は実が入ればうつむく、人間は実が入ればあおむく」という言葉がありますが、私たちも米のように実れば実るほど頭を下げる、謙虚な姿勢を保ちたいものです。

自分の能力の低さに気づかない原因

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自己を過大評価してしまうのは、能力の低さに気づいていないからだと言えます。なぜ気づいていないのか、また気づくためにはどうすればいいのかご紹介します。

優秀な人が周りにいない

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小学校、中学校ではトップの成績だったのに、名門高校に入った途端授業についていけなくなり、自分の限界を思い知らされた、という経験を持つ人も多いのではないでしょうか。周りに優秀な人がいなかったがために、自分の能力を過信してしまい、現実を受け入れられないということは良くあることです。

この例で言えば、中学生の頃から全国模試を受けていれば、自分が全国でどのあたりの力を持っているか分かります。井の中の蛙大海を知らず」ということにならないためには、常に広い世界で自分の力を試すことに挑戦する必要があります。

自分を客観的に見られていない

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小さい子供は「自分は何でもできる」と信じている(幼児的万能感)、自分が世界の中心にいて、周りの人は自分と同じ気持ち、感覚でいると捉えている(自己中心性)など、大人とは違った感覚、思考を持っています。

しかし、成長するにしたがって、家族や友達との関わり合いの中で「自分の能力には限界がある」、「他の人は自分とは違う気持ちや欲求を持っている」ことを学び、客観的、論理的思考が身についていきます。
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ですが、「他者の視点」を意識しないまま成長すると、幼児的な万能感や自己中心性を残したまま大人になってしまいます。そのような人は「自分は他の人より優れている」という思い込みを持つことになります。思い込みと現実のギャップが大きくなると、自分の限界を知りたくないがために物事から逃げたり、無気力になってしまったりします。

客観的思考を得るためには、子供のうちから他人と衝突したり譲り合ったりする経験を重ね、相手を尊重し自分を冷静に見つめる力を育んでいく必要があります。

人のせいにして生きてきた

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何らかの問題や失敗をすぐ人のせいにする人は、自分に自信がなく、それでいて人に評価されたいタイプが多いようです。能力のなさを自覚していながら、それを認めたくない、優秀だと思われたいという自己矛盾を解決するために、他人に責任転嫁しているのです。

先ほどご紹介した通り、脳にとって称賛は快楽であり、それを得るために都合の良い解釈をします。人のせいにしているうちにそれが真実のように感じ、自分は優秀なのに他の人に足を引っ張られているという歪んだ自己認知にとらわれてしまいます。

素直に自分の失敗を認め、正そうとする姿勢が大切です。そのような人は他人から信頼されますし、自分自身も成長できます。

圧倒的な勉強不足

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ダニングクルーガー効果は未熟な人に良く見られます。未熟ゆえに自分の能力のなさに気づかず、自己を過大評価してしまうのです。スキルを積むごとに自分のできないことも見えてきて、自己評価の歪みは改められていきます。

しかし、世の中には当然するべき学びを放棄したままにする人もいます。自分の能力のなさを認めたくなくて目をそむけている場合もあれば、単に努力が嫌いという場合もあります。どちらにせよ、そういった人はいつまで経っても物事の全体像が見られず、自分に何が欠けているのかも分かりません。

もしも何らかのスキルを身につけたいと思ったら、真摯に学ぶ姿勢を持つことです。全く踏み出さないのと一歩踏み出すのとでは比べ物にならないくらい大きな差があります。取っつきやすいところからでもいいので、まずは始めてみましょう。

ダニングクルーガー効果に陥らないための対処法

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ある程度の自信は必要ですが、あまりにも自己評価が能力を超えて高過ぎるのも問題です。ダニングクルーガー効果とうまく付き合う方法を見ていきましょう。

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