帝銀事件の真相とは？死刑囚平沢貞通は冤罪で真犯人は別にいる？

平沢の預金通帳には被害額とほぼ同額の金額が預金されていました。事件発生前の平沢はお世辞にも裕福な状態ではありませんでした。にも関わらず、事件直後になり被害額と同額を保持し貯金していたのです。

この事について問われますが、平沢はこの大金の出処などについて口を開くことはありませんでした。ですが後に「平沢の絵を購入した」という弁明をする者が現れ「その時の代金である」と主張されましたが、裁判所では認められることはなく、支援者が証拠捏造行為として懲役刑を受ける事となってしまいました。

そしてこの「被害額とほぼ同額を預金していた」ということは大きな決め手となり、平沢は逮捕をされることとなったのです。

平沢貞通が逮捕され死刑囚となるまで

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平沢は多くの証拠を元に逮捕をされ死刑囚となってしまいます。逮捕されてから平沢が死刑囚となるまで、何事もなかったわけではありません。平沢には主張するアリバイもありますし、実力派な画家であるということから、多くの支援者を味方につけていました。

ですが、虚しくも逮捕された後に判決により平沢貞通は「死刑が確定」してしまいます。彼の証言は受け入れられなかったのです。では平沢が逮捕され、死刑囚となるまでを時系列で紹介していきます。

一貫して無罪を主張

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平沢は容疑をかけられてから逮捕当初まで一貫して無罪を主張しました。平沢には前科があり、前科については自ら認めたものの帝銀銀行事件については関与していないことを主張していたのです。

もしも本当に平沢がこの事件を起こしていないのであれば「何のことを言っているんだ」と疑問さえ抱いたことでしょう。ですが疑惑をかけられている以上、平沢は立証できないアリバイを述べ、無罪を述べることしかできなかったのです。

拷問に近い取り調べを受ける

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犯人であると疑惑をもたれてしまった平沢は警察による取調べが行われました。平沢に行われた取調べは「拷問」に近い方法だったといいます。平沢が受けた拷問に近い取調べとはどのようなものか定かではありません。

が、「拷問王」と呼ばれる紅林麻雄という日本の警官がいました。彼は数多くの冤罪を生み出す「冤罪製造機」とも呼ばれていたのです。彼が対象者に行った拷問の取調べとは、殴る・蹴るは当たり前。自白の強要。別件逮捕をして犯人に仕立て上げる。炎天下で長時間尋問。などでした。

紅林は今回の事件に関係はありませんが、平沢が受けた「拷問に近い取調べ」とは紅林が行ってきた内容と似ているのではないかとも言われています。平沢がもし帝銀銀行事件の犯人ではなかったとしたならば「絶対にやっていないのに認めてしまったら死刑になってしまう」という恐怖があったことでしょう。ですが平沢は拷問に近い取調べの末、逮捕の１ヵ月後に自供を始めました。

1955年最高裁で上告が棄却され死刑確定

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平沢は９月２３日に自供を始めました。そして１０月１２日、帝銀事件と類似事件２件の未遂により強盗殺人・強盗殺人未遂で起訴されることとなりました。

ですが１２月２０日に東京地裁で行われた公判で平沢は自ら行った自白を翻して、無罪を主張しました。その甲斐虚しく、１９５０年の７月２４日には一審死刑判決が出ました。その後の１９５１年９月２９日には東京高裁で控訴棄却となりました。

そして１９５５年４月７日。最高裁で上告が棄却されて５月７日に死刑が確定をしたのです。

コルサコフ症候群の後遺症としての精神病を発症

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コルサコフ症候群とは、脳の機能障害により発生する健忘症状です。主な症状として、失見当識・記銘力障害・健忘・作話をするというものがあります。

平沢の支援者により「平沢の供述は拷問に近い取調べ、狂犬病予防接種の副作用によるコルサコフ症候群の後遺症として精神病を発症したものだ。」と主張します。ここでいう精神病とは虚言症を指します。

平沢は拷問に近い取調べで精神を崩壊させてしまい、「やってはいない自供」をしてしまったのでしょうか。

支援者により再審請求が提出される

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平沢の支援者は平沢の無罪を信じて、再審請求の提出を合計１７回行いました。ですがそのすべてが受け入れてもらえずに、平沢は「凶悪犯」のままとなったしまったのです。支援者と平沢の声は裁判官に届かなかったのです。

実は既に長い年月が経ち、既に解決済とされているこの帝銀事件ですが、今現在でも進行形で平沢貞通の潔白を晴らす為に、多くの人が支援者として活動を行っています。

それだけ周囲の人々・遺族たちは平沢を信じているということになるのです。

恩赦願が提出される

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恩赦願とは、行政権により国家の刑罰権の全部・一部を消滅・軽減させる制度を指します。平沢の支援者により、恩赦願の提出は３回行われました。ですが再審請求同様、すべてにおいて受け入れられることはありませんでした。

１９６９年には法務大臣が７人の死刑囚への個別恩赦の検討がされ、平沢も対象の１人となりました。周囲や平沢本人も「もしかしたら」と希望の光が見えたことでしょう。ですが平沢への恩赦がなされることはなかったのです。　

獄中で3度の自殺を図る

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平沢は事件後、帝銀銀行事件の犯人として逮捕をされることになりました。平沢は取り調べの３日目、隠し持ってきたガラスペンを静脈に刺して自殺を図りました。そしてその血で「私が無実だ」と描いていました。２回目は面会に訪れた義弟の目の前で自殺を図ります。

そして平沢は自白を行うまで、計３回の自殺未遂を図っています。「本当は無実なのに牢屋生活を強いられてしまった、逃げたい」「事件を起こしてしまったが獄中生活は耐えられない、逃げたい」どちらの思いがあったのか、今は分かりません。

支援者から画材の差し入れを受け絵を描き始める

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平沢は日本画の大家である「横山大観」の弟子でした。横山大観は日本画家として多くの賞を受賞して、死後、正三位勲一等旭日大綬章を追贈され、茨城県名誉県民・東京都台東区名誉区民にも選ばれています。

そんな横山大観の弟子だった平沢は画家として様々な作品を生み、多くの賞を受賞してきました。平沢の人柄・作品を見て平沢の支援者となった人も多かったのです。死刑が確定した後、支援者だった宇都宮市の洋品店の店主から画材を差し入れを受け、獄中の中でも絵を書き始めたのです。獄中でも画家としての生活は、平沢にとっての「救い」になっていたのでしょうか。

松本清張や小宮山重四郎が釈放運動を行う

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