2019年6月14日 更新

帝銀事件の真相とは?死刑囚平沢貞通は冤罪で真犯人は別にいる?

帝銀事件は戦後間もない1948年に発生し、12人もの犠牲者を出した毒物による殺人事件になります。帝銀事件の犯人は既に逮捕され、獄中にて死去しています。既に解決済とされている事件ですが、実は「冤罪なのではないか」と囁かれている事件でもあるのです。

目次

Police Crime Scene Blue Light - Free image on Pixabay (337011)

帝銀事件が発生し、平沢が逮捕をされ収監されている最中である1954年に茨城県内で青酸を使用した大量殺人事件が発生しました。手口は帝銀事件と酷似しており、犯人は保健所の人間を名乗り、毒物を周囲に飲ませたのです。

弁護人が調査のため、茨城県内に現地入りを果たしましたが、事件を起こし逮捕された容疑者が服毒自殺を図り死去。この事件の調査が進展することなく、帝銀事件との関わりがあるのかも分からず終いとなってしまいました。

もし平沢が逮捕された後に、類似した事件を起こした犯人が「帝銀事件の犯人だった」可能性も否めないのです。

等事件に使用されたと思われる毒物を陸軍が開発していた

M4A1 Carbine Soldier Us Army - Free photo on Pixabay (337013)

今回紹介している帝銀事件で使用された毒物は青酸化合物とされていました。遺体解剖・吐瀉物・茶碗に残された液体の分析が行われましたが、保存状態が悪かったということもあり「使用された毒物は青酸化合物である」というところまでしか分からなかったのです。また、分析を行った2人の鑑定結果は食い違っている為、正確な鑑定結果は出ていません。

この事件では第1の薬を飲んでから、第2の薬を飲ませるという服用方法を用いた毒物殺人でした。遅効性のある青酸化合物が使われたのではないかと言われています。その結果上がってきたのが、アセトシアノヒドリン説です。この薬物は服用してから1分~2分ほどで効果が現れる薬物になります。

被害者の証言と効果が現れる時間、症状も類似しています。当時の読売新聞の記者が、アセトシアノヒドリンは陸軍9研で開発していたという事実を突き止めました。その後の調査で、犯人の手口が軍秘密科学研究所が作成をした毒物の扱いに関しての指導書に一致していることを読売新聞で報じられました。

犯行時に使用された器具が同研究所で使用されていたものと一致

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そして犯行時に犯人が使用していた器具が、陸軍9研で使用されていたものと完全に一致していたのです。陸軍で使用されているものを、一般人・陸軍ではない人間が入手する事は難しいのです。

研究所で使用するものを簡単に持ち出すこともかなり難しいのではないかと考えられます。もし盗まれたとするのならば、研究所の方が真っ先に動き出し、器具がなくなってしまったことを疑問に思うはずです。ですがそのような動きも一切なかったようです。

画家の道を突っ走っる人生を歩んできた平沢が、陸軍と接し器具を入手していたのでしょうか。少々腑に落ちない部分であることは確かなのです。

GHQから突如捜査中止が命じられる

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帝銀事件が発生した後、犯人の調査が進められました。被害者の遺体から青酸化合物が検出された事から、青酸化合物の取り扱いを熟知した旧陸軍731部隊関係者を中心に調査が行われたのです。陸軍9研に所属をしていた者から有力な情報を入手し、事件発生半年後に刑事部長より捜査方針の一部を軍関係者に移していくという指示が出ました。

陸軍関係、特殊任務関与者に的を絞っていこうとしますが、突如GHQから旧陸軍関係者への捜査中止が命じられることとなったのです。陸軍関係への調査が不可となってしまい途方に暮れていました。そんな中、他の班が進めていた「事件と名刺の関係」に焦点が当てられ、平沢逮捕へと繋がっていったのです。

帝銀事件と類似している未遂事件について

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日本中を震撼させた帝銀事件ですが、実がこの事件が発生する以前に類似している未遂事件が2件ほど発生していました。この2件の事件は未遂に終わったことから、当初大々的に報道されることはありませんでしたが、帝銀事件の発生後に明るみになってきました。

これから紹介していく事件が、帝銀事件と直接関係しているかは定かではありません。ですが、あまりにも手口が似ていることから「同一犯の犯行ではないか」とも囁かれています。では、そんな帝銀事件と類似している2つの未遂事件について紹介して参ります。

安田銀行荏原支店

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1947年10月14日閉店直後の安田銀行荏原支店に1人の男性が尋ねてきました。そして帝銀事件と同様、「厚生技官 医学博士 松井蔚 厚生省予防局」と記載された名刺を差し出してきます。そして男性は、「赤痢感染した患者が安田銀行荏原支店に午前中、預金に訪れていることが判明しました。

銀行内の行員と金を消毒しなければなりません」と言いました。その話を聞いた支店長は訪れた男性をその場で待たせて、急いで近くの交番へ巡査を呼びに行き、赤痢発生について聞くことにしました。ですが巡査は「寝耳に水の話。署で確認をします」と言ってその場を後にしました。

巡査が戻っている間、訪れた男性は帝銀事件と同じ手口で持っていた薬を周囲に飲ませました。ですが幸いにも死者は出ず、未遂に終わりました。男性が使用していた名刺は本物で、後にこの名刺が帝銀事件の平沢逮捕への大きな要因となっていったのです。

三菱銀行中井支店

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1948年1月19日閉店直後の三菱銀行中井支店に1人の男性が尋ねてきました。そして「厚生省技官 医学博士 山口二郎 東京都防疫課」と記載された名刺を差し出してきます。安田銀行荏原支店を訪れていた男性と同じようなことを発言した後、同じような手口で周囲に薬を飲ませていきました。

男性は金を消毒しようとしますが、不審に思った当時の支店長が「現金はない」と男性に言います。すると男性は、行員たちがまとめていた小為替を見つけて、消毒液と言いながら透明の液体を振りかけ、銀行を後にしました。

被害者は幸いにも出ていないことから未遂で終わっています。そして使用されていた名刺は偽者であり、山口二郎という人物は実在をしない者でした。

真犯人として挙がっている人物

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帝銀事件ではテンペラ画家の平沢貞通が逮捕をされることとなりました。ですがこの事件「本当はまだ終わっていないのではないか」「真犯人は他にいるのではないか」「平沢貞通は冤罪なのではないか」という噂が多く出回っています。

前述で紹介した平沢が真犯人ではないと囁かれている理由が原因でもありますが、平沢の他にも容疑者として挙がっている人物が存在しているのです。

S中佐

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陸軍9研に所属をしていたとある人物が「青酸カリでは帝銀事件のような殺し方はできない。遅効性の青酸ニトリールという薬品があります。そして人体実験で捕虜に薬を服用させる時にはまず、自分が飲んだふりをして安心させる方法がありました」と証言しています。

旧日本軍関係者も口をそろえて「使用された薬は青酸ニトリールだったに違いない」と証言しています。そして当時の旧731部隊長は「自分の部下に犯人がいる気がする」と証言しました。隊長から警察に提出された隊員リストの中から、犯人ではない物を除外していく作業も行われました。

そして最後に残ったのはS中佐だったのです。S中佐の外見はスマート・知的・紳士的な雰囲気を持っていました。ですがS中佐には周囲との交流がまったく無く、行方は分からないままでした。S中佐の捜査を続けていましたが、事件の翌年に病死していたことが判明したのです。

歯科医

Zahnreinigung Dental Repairs Treat - Free photo on Pixabay (337036)

帝銀事件は歯科医が起こした事件ではないかとも囁かれています。そのきっかけとなったのが、帝銀銀行へやってきた犯人の「歯の琺瑯質を痛める」というセリフです。歯のエナメル質を「琺瑯質」と呼ぶのは、歯科大の人間だけのようです。

また、とある歯科医に治療として毒を盛られてしまったという人も実在しています。歯の詰め物のなかに、砒素が入っていたのです。当然、検査もしてもらい結果的には砒素水素・アルシンの中毒症状であることが診断されています。

被害者は「帝銀事件の犯人なのではないか」と疑念を抱くようになったようです。この歯科医の素性・過去を調べてみるとGHQ・米軍施設・陸軍と関わりもあったようです。

GHQ関係者

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