2019年6月14日 更新

帝銀事件の真相とは?死刑囚平沢貞通は冤罪で真犯人は別にいる?

帝銀事件は戦後間もない1948年に発生し、12人もの犠牲者を出した毒物による殺人事件になります。帝銀事件の犯人は既に逮捕され、獄中にて死去しています。既に解決済とされている事件ですが、実は「冤罪なのではないか」と囁かれている事件でもあるのです。

目次

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集団中毒という固定概念に囚われてしまい、捜査は難航となってしまいました。ですが、こちらには「生存者の証言」という何よりも大きな手がかりを持っていたのです。嘔吐や意識の朦朧などの症状はあったものの奇跡的に生き延びた生存者は、犯人である中年男性の「巧妙な犯行手口」を述べていったのです。

その犯行手口は素人にできるような行動ではなく、まるで演劇をみているかのような出来過ぎている犯行手口でした。何より服用させる人を騙すという意味で、殺人犯でもあり、詐欺師のような人物だったのです。では、生存者が明かした犯人の巧妙な犯行手口を紹介していきましょう。

全員に不信感なく飲ませるために遅効性の薬品を使用

Medications Money Cure - Free photo on Pixabay (336938)

犯人はその場にいる全員に不信感なく「確実に」薬品を服用させる為に、遅効性の薬品を使用しました。服用するタイミングは飲む人が飲みたいと思うタイミングの為、すぐに効果が現れてしまっては、どうしても効果に差が現れ不審に思う人が現れます。

隣にいる人が薬を飲んだ後、嘔吐し始めた薬を「よし飲もう」と思う人は居ないでしょう。そのようなことがないよう、遅効性のある薬を飲ませ「毒物性のある薬品ではない」ということを周囲に認知させ信用を獲得したかったのです。

最初に自身が飲んで見せた

Break Time Out Workers - Free photo on Pixabay (336939)

知らない人から渡された薬を「じゃあ飲んでみよう」と飲む人はいないでしょう。特に、帝銀事件が起きた当初、戦後間もなくということもあり人々は「死」に対して大きな恐怖を感じていたのです。ですがそんな中、今回の事件で犯人は誰にも怪しまれないような名の通る名刺を持ち、井出達も悪いわけではない、そして何より飲むよう促した薬品を自ら飲んで見せるのです。

周囲にいた人間は、それが「毒物」とは思いもしないでしょう。ここで謎が残るのは、犯人はどうやって薬品を飲んで見せたのか。です。普通であれば被害者と同様、死に至る可能性も高かったことでしょう。

犯人が周囲に怪しまれないよう自ら薬を飲んで見せたトリックは、最初に薬より軽い油を薬品にいれ、浮いている無害な油のほうだけを掬い、飲んで見せたのです。そして周囲に配ったのは油よりも重い「毒物」だったというわけです。

確実に飲ませるため飲み方をレクチャーした

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犯人はより信憑性を周囲に持たせ、確実に飲ませる為に飲み方をレクチャーしています。犯人としても「本当に周囲の人たちは自分を信じて飲んでくれるのか」という疑問があったのでしょう。その疑問を打破したのが「飲み方をレクチャーする」という方法だったのです。

確実に口に入る方法を自ら提示しておけば、服用する側は従うしかないと思ってしまうのです。レクチャーを受けた人々は「この薬は飲んでも大丈夫だろう」「この人は薬に詳しい人物であろう」と思ってしまったのでしょう。

第一薬・第二薬と薬を分けた

Alarm Clock Time - Free photo on Pixabay (336955)

第1の薬を服用した人々は、強い酒を飲んだときの感覚・胸焼け・胸の苦しみなどの症状を訴えました。とても苦しい思いをしたことでしょう。そんなどうしようもない感覚に陥ってしまった時、第1薬を服用した人に期待を抱かせたのは「第2の薬」の存在でした。

赤痢の予防薬といわれていたこともあり「第1の薬を飲んだ後のこの症状は薬の副作用であるから、きっと第2の薬を飲めば回復するであろう」と予想したのです。第1の薬を飲み、苦しんでいた人々は1分後に犯人から渡された第2の薬を競うように飲み始めたのです。

このように「人間の心理」を奥の奥まで見越し、「確実に」周囲の人に毒物を飲ませ「確実に」殺害するために犯人が練りに練った犯行手口だったのです。

伝染病が蔓延していた時代の恐怖心を利用した

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帝銀事件が起こった1948年頃は、戦後間もなくということもあり上下水道が未整備の状況が続いていました。その為、日本では伝染病が蔓延しており多くの人々が命を落とし、伝染病の恐怖を感じていました。

そんな中、犯人は「赤痢にかかった人の存在」を周囲に知らせ脅かし、希望の光ともいえる「予防薬の存在」を周囲に差し伸べたのです。伝染病を恐れている人々は、犯人を「良い人」と思ったに違いありません。この事件はそんな人間の弱みに付け込んだ卑劣な事件なのです。

平沢貞通が逮捕された理由

Protection Of Minors Criminal - Free photo on Pixabay (336958)

事件発覚後、捜査が行われ始めた当初捜査当局では犯人は当時薬学・理科学科の知識があるもの・急軍関係・特殊学校・防疫給水隊・特務機構に勤めているものであるとして、捜査を進めていました。

ですが、逮捕されたのは平沢貞通という1人のテンペラ画家だったのです。「帝銀事件の犯人は画家だったのか」と日本中で驚きの声が上がりました。捜査では、薬に詳しい者や旧軍関係の者などと挙げていたにも関わらず、どうしてテンペラ画家である平沢貞通が逮捕されることとなったのでしょう。

悪用された名刺を交換していた

Business Card Map Show - Free photo on Pixabay (336960)

1947年10月14日、閉店直後の安田銀行荏原支店で同じような手口の犯行が行われていました。そんな中使われていたのが悪用された「松井蔚の名刺」でした。松井は名刺を渡した日付・場所・相手を明確に記録して残していました。そして100枚あった名刺で、松井の手元に残っているのが8枚。そして残る92枚の内、62枚の回収に成功。

紛失をしてしまい事件に関係ないと思われた22枚も確認され、名刺の行方が最後まで確認できなかった8枚のうちの1枚を犯人が利用していたのではとされました。

松井と平沢は過去に名刺交換を行っていたのです。ですが、平沢は松井の名刺を持っていませんでした。それが平沢逮捕に繋がる手がかりとなったのです。

犯行時刻のアリバイがなかった

Time Management Stopwatch - Free image on Pixabay (336962)

捜査員の事情聴取を受けた平沢でしたが「事件発生時刻何をしていた?アリバイはあるのか」という質問に対し、「事件発生時刻は現場付近を歩いていました」と答えます。この事件が起きた時代には、監視カメラなどありません。

周囲の聞き込みがアリバイの立証となるのでしょう。ですが、アリバイ立証となる手がかりはなかったのです。平沢の「現場を歩いていた」という認められず「帝銀事件を起こせるであろう人物」としてマークされたのです。

過去の犯罪歴

Prison Cell Jail - Free photo on Pixabay (336963)

平沢が犯人とされるには過去の平沢の犯罪歴も上がってきました。平沢は過去に銀行相手に詐欺を働いた前科が4件あったのです。この事が発覚する前に生存者たちは「犯人とは似ていない」と証言していましたが、この事を知った生存者4名のうち2名が「平沢が犯人と似ている」と証言を変えたのです。

平沢が過去に犯した犯罪は銀行相手だったということもあり「今回の事件も平沢が行った犯行だ」と印象付けてしまったのです。ですが平沢は過去に行っている犯罪の中で小切手の換金は難しいということを経験しています。にも関わらず、帝銀銀行事件では現金に目もくれず小切手を奪っていたことから、疑問が浮かぶ人も多かったようです。

被害額とほぼ同額を預金していた

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