2019年10月21日 更新

志布志事件とは?黒幕は誰だった?事件の背景や真相についても

今なお語り継がれる志布志事件。何の罪もない人々が、身に覚えのない容疑で警察の不当で非人道的な取り調べを受けます。その裏には政治家や警察が絡んだでっちあげ 事件でした。幾多の日本社会の正義であるべき機関の問題を浮き彫りにした事件についてひも解いていきます。

目次

Justice Statue Lady Greek - Free photo on Pixabay (705964)

志布志事件の挙げればきりがないとも思われる、残忍かつ非道な警察や政治家の素行、さらに追っていけば司法にも問題点が挙げられる。

多くの罪のない人々が不当で非人道的な扱いを受け、その後の人生にも大きく影響を与えた志布志事件は、大きな問題として取り上げられた不当な取り調べをなくすための動きに向かいます。

以前からも冤罪や違法不当な捜査や取り調べの問題点が叫ばれ、取り調べの録音・録画するなどの捜査の全面可視化を求める声がありましたが、それが法律化されることはありませんでした。
Camera Video Lens - Free photo on Pixabay (714209)

今回の不当な取り調べ等の被害者となった人々やその支援者によってより強くその声が上がっています。たくさんの人々の悲痛な叫びは力となり法改正へとつながっていきます。

2016年に行われた刑事訴訟法の大幅改正で、いくつかの日本版司法取引などが順次始まってきました。改正法はその行程表の締めくくりとして、19年6月末までに取り調べの全課程の録音録画を行うよう捜査機関に義務付けています。

とはいえ、すべての事件のすべての取り調べが対象になったわけではありません。
Photo Camera Photography Old - Free photo on Pixabay (714211)

可視化を義務付けるのは、殺人、危険運転致死、など裁判員裁判対象事件と、検察の独自捜査事件に限られています。数の上では全体の2、3パーセント程度とのこと。本来であればすべての取り調べの可視化を求めたいところですが、以前のことを考えれば、これは大きな第一歩です。

法律による義務付けは2019年でしたが、実際にはその前から多くの取り調べで可視化は実施されているようです。警察は以前、取り調べの全過程を録音録画することには強硬に反対していましたが、義務付けの実施前から8割以上の事件で全課程の録音録画を行うようになったとの情報もあります。

喜ばれる一方で、可視化にもまだまだたくさんの課題が存在します。
Munich Architecture Court Of - Free photo on Pixabay (714212)

可視化は、取り調べや供述の経緯を後から検証可能な状態にすることで、無理な取り調べや違法な取り引きが行われるのを防いだり、違法な取り調べがあった場合に、裁判所が映像記録を参考に供述の任意性を適切に判断できるようにすることに意味があるとされます。

そのためには、取り調べの全過程を記録する必要があり、取り調べ終盤にすでに供述が固まった段階だけを記録するのでは意味がありません。

これまでの冤罪でも、不当な取り調べにより虚偽の自白を強いられ、この虚偽自白が完全に出来上がってから、その虚偽自白を述べる様子を録音されているケースがありました。これではむしろ冤罪を生む原因になってしまいます。
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さらに志布志事件で問題になった取り調べは任意の聴取が多くありますが、今回の改正法では可視化されるのは身柄を逮捕された段階からで、在宅での任意の取り調べは対象外ということです。

これでは志布志事件のように任意の取り調べで長期にわたる拘束や不当な扱いや強要により、虚偽の自白に追い込まれてしまう人が生まれてしまいかねません。
Hammer Horizontal Court - Free photo on Pixabay (714214)

本来であれば正義として信じて良いはずの警察や政治への信頼の欠乏を取り戻すため、今後も日本の基盤となる警察並び政治家の大いなる努力と誠意ある行動を願ってやみません。

我々一般国民は、政治も警察も信用できなければ何を頼ったらいいのか、志布志事件で被害にあった人々のようなことが今後また起きないためにも。

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