志布志事件とは?黒幕は誰だった?事件の背景や真相についても

今なお語り継がれる志布志事件。何の罪もない人々が、身に覚えのない容疑で警察の不当で非人道的な取り調べを受けます。その裏には政治家や警察が絡んだでっちあげ 事件でした。幾多の日本社会の正義であるべき機関の問題を浮き彫りにした事件についてひも解いていきます。

目次

誰が黒幕?謎多き買収事件の真相

Discovery Offender Crime - Free photo on Pixabay (705397)

みなさんは志布志事件をご存知でしょうか。志布志事件(しぶしじけん)は、2003年4月13日投開票の鹿児島県議会議員選挙(統一地方選挙)の曽於郡選挙区で起きました。

この選挙区で初当選した1人の県議会議員の陣営が、志布志町(現・志布志市)の集落で、住民に焼酎や現金などを配ったとして、公職選挙法違反の容疑がかけられたのです。

しかし事件は思わぬ方向へと進んでいきます。最終的に、この事件で逮捕、起訴された人物は全員無罪となり、当事件を巡る捜査において、県警察の違法な取り調べや村で力を持つ政治家と警察との癒着の問題性が問われることとなります。
Acropolis Athens Greece - Free photo on Pixabay (714049)

1人の政治家の買収による選挙法違反の容疑から始まり、警察の不当で非人道的な取り調べ、最終的には政治家や警察が絡んだでっちあげ 事件であることが判明します。

警察の「踏み字」と呼ばれ問題となった不当な取り調べ方法や長期拘留、警察と政治家の癒着など、幾多の日本社会の正義であるべき機関の問題を浮き彫りにした事件でもあります。

曽於郡選挙で起こった買収事件

Euro Bill Rich - Free photo on Pixabay (705398)

2003年4月13日、鹿児島県議会議員選挙が行われました。その曽於郡選挙区で当時、鹿児島県議選で新人の中山信一氏が、無所属で当選します。

しかしその後、中山氏やその妻、選挙運動活動員や住民らが警察から取り調べを受け、最終的に15人が公職選挙法違反容疑で逮捕され、13人が鹿児島地検に起訴されます。

彼らの容疑は、志布志市で投票依頼のための買収会合を開いたり、中山氏と住民との間で缶ビールや焼酎、現金など計191万円の授受があったという内容でした。

根拠不明の容疑で村民や当選議員が逮捕される

Police Arrest Detention - Free photo on Pixabay (705399)

しかし取り調べを受けた住民全員が、自分たちの容疑に身に覚えがありません。さらにこれらの一連の容疑も有力な証拠や物証がみつかっていませんでした。

有力な証拠がないにもかかわらず、鹿児島県警は任意の取り調べにおいて脅迫や長期間の勾留を強います。その結果、心身ともに衰弱した住民の中には、身に覚えのない買収行為を認める旨の供述調書に署名した人も出てきました。

この供述調書をもとに、中山氏やその妻、住民などが逮捕、起訴されます。

正当な選挙とは程遠い闇を世間に見せつけた事件

Ballot Election - Free vector graphic on Pixabay (705401)

初当選を果たした新人議員のへの身に覚えのない買収会合容疑。当議員のみならず不当な容疑をかけられ取り調べを受け、逮捕、起訴までされた住民。

正当に行われた選挙の結果を不服とする人間の手回しによりに起こったとされる今回の事件は、選挙の正当性をも疑わしいものという印象を与えました。

警察と政治の癒着を世間に見せつけた事件

Cop Policewoman Colleagues - Free photo on Pixabay (705402)

この事件の真相は、政治家と捜査を指揮していた警察との裏でのやりとりが発端であり黒幕と言われています。

当集落で強固な地盤を固めていたと言われる1人の県議会議員と事件を指揮していた警部補との20年の親交や、事件当時の彼らの度々の情報交換などがメディアによって報道されています。

冤罪事件の要因が政治家と警察官との癒着という社会的問題であったのです。

事件をひも解く前に

Politics Political Election - Free photo on Pixabay (705403)

事件の詳細を見ていく前に、当事件に関連する公職選挙法について見ていきましょう。

選挙にはたくさんの決まりがあります。選挙運動期間中、候補者はこれまで許されていた行動が公職選挙法では違法となることもあります。

候補者並びに選挙運動活動者、支援者など、幾多の細かなルールを留意し、かつ公正に選挙活動を行わなくてはいけません。今回の事件に関連の強い規則を4つ紹介していきます。

金品で投票を依頼してはいけない

Bank Note Dollar Usd - Free photo on Pixabay (705405)

この志布志事件で容疑者となり、被害者でもあった中山氏をはじめ関係者にかけられた容疑がこれです。

候補者やその関係の者は有権者や選挙運動者に、投票や選挙運動の報酬などで金品や品物を与えたり、申し込んだりすることを、買収行為として禁じられています。買収した者も買収された者も3年以下の懲役か禁錮、または50万円以下の罰金が科せられます。

さらには、候補者や選挙運動を指揮する総括主宰者が買収した場合、4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金となります。候補者自身が買収などで刑が確定すると、当選は無効になり、また選挙権と被選挙権を一定期間失うことになります。

戸別訪問をしてはいけない

Door Apartment Input - Free image on Pixabay (705406)

国民投票の場合とは異なり、通常の選挙では特定候補者への投票の依頼などで個人宅を訪れることは公職選挙法で禁じられています。こうした状況下では買収などの不正が起きやすく、また有権者の平穏な生活が乱されたりするおそれがあるためです。

一方で、個々に投票を依頼する行為としては、街頭で会った知人らに投票を依頼する個々面接や、電話の利用は認められています。

替え玉投票してはいけない

Vote Poll Election - Free image on Pixabay (705408)

当然のことながら、有権者1人に認められている票は1票です。自分に与えられた票以外のもので投票することを替え玉投票といい禁止されています。

過去に日本の国政選挙で起きた替え玉事件は複数あり、集落の有力者が棄権者の票を取りまとめて、替え玉として投票を行っていた静岡県上野村村八分事件や、宗教関係者が郵送されてきた第三者の投票所入場券を抜き取り、替え玉投票を行っていた新宿替え玉事件などです。

また不在者投票制度の中には、あらかじめ選挙管理委員会が病院や老人ホームを不在者投票指定施設として指定し、投票所に向かうことが困難な患者や入所者でも投票を可能とする制度がありますが、施設側が制度を悪用して替え玉投票を行う事案なども発生しています。

1 / 9

関連する記事 こんな記事も人気です♪