2019年6月8日 更新

リョウメンスクナの東日本大震災との関係と怖い話!後日談と現在は?

リョウメンスクナという名称をご存じでしょうか?日本書紀などの日本の古い文献に登場するこの名が、現在では怖い話などに使用されているようであります。その怖い話の後日談的な位置に、東日本大震災があげられているようです。その辺りについての情報をお届けします。

目次

つまがけを履いた飛騨の山岳民

Mountains Lake Night Sky - Free photo on Pixabay (335134)

朝廷と申してきましたが、この時代においての正式な名称は大和王権であるようで、その大和王権が飛騨に進出した際の様子がリョウメンスクナが登場する記述であると言われているようであります。そのため、リョウメンスクナとされているのは飛騨の山岳民ではないかと考えられているのです。

その飛騨の山岳民は泥などの侵入を防ぐ、つまがけを履いていて、膝当てを着けていたとし、それが日本書紀においてのリョウメンスクナの異形を現した文章になったものと想像されているようです。

そうであるならば、膝の後ろに窪みがなく、踵がないというのは見間違いであり、少なくとも足回りに不自然なところはないと言えるでしょう。

高山市の伝承での「リョウメンスクナ」

Woman Female Beauty - Free photo on Pixabay (335133)

岐阜県飛騨地方にある高山市には日本書紀とは異なるリョウメンスクナの伝承が存在しているようであります。簡単に言えば、大和王権側の見解とその相手となるリョウメンスクナ側の見解があったということになるでしょう。

ですから、大和王権側のように悪辣な賊という印象ではなく、むしろ尊崇の念が込められた文章が残されているようであります。しかしながら、実のところ日本書紀以外のものでは、江戸時代以降に記されたものであり、創作の要素が強いものであるということもご理解下さい。

その上で伝承についての情報を詳しくご紹介します。

飛騨国に宿儺という人がいた

Woman Female Young - Free image on Pixabay (335132)

まずはリョウメンスクナが「宿儺」という一人の人間であるということであります。この人物は八賀郷日面出羽ヶ平(現在の岐阜県高山市丹生川町日面と言われている)の岩窟中にて、その姿を現したようであります。

時代としては仁徳天皇の在位の時であり、日本書紀との繋がりもしっかりとしております。その人物はやはり異形の姿でありましたが、扱いとしては救世観音の化身であり、決して凶賊という捉え方はされていないようであります。

身の丈十八丈

Fantasy Landscape Fairy Tales - Free photo on Pixabay (335131)

身のたけは十八丈、一頭に両面四肘両脚という姿が描写されているようでありますが、これはなかなかに想像し難いものとなっています。

まず丈という単位の長さは様々に変化してきたようであり、現在では3.03mとされているようですが、この時代には違いがあったようです。基本的に成人男性の身長を一丈と考えられていたようで、18丈であれば、成人男性18人分の背丈となります。

ですから、30m近辺はある巨人であったということになります。これは日本書紀にある姿から比べると大きく差異があると言えるでしょう。もし実際に存在したのであれば、こちらの方が圧倒的な脅威であります。

頭に両手両足を持っていた

Fantasy Mystical Landscape Fairy - Free photo on Pixabay (335130)

一頭に両面で、四肘と両脚があったということは、とんでもない異形であったということになります。30mはないものの、巨大な二つの顔を持つ頭部(もはや胴体)に4本の腕が付いて、2本の足が付いているというもの。

日本書紀に近づけるのであれば、30mの人型の頭部の顔は、両面で、胴体に4本の腕と2本の足が付いているということになるでしょう。いずれにしても、巨大で異形であるということには、変わりがないということになります。

このような巨人であったとするならば、運がよければ、恐竜のように足跡が残っていてもおかしくないでしょう。というよりも恐竜そのもののような見た目であります。

救世観音の化身として千光寺を開く

Mermaid Fantasy Mystical - Free photo on Pixabay (335129)

当然ながら、30m近くもある異形に対し、人々は畏れを抱いたことでしょう。そのときに、リョウメンスクナが自身のことを救世観音の化身であると言葉にしたがために、崇められるようになり、千光寺を作ることにもなったようであります。

このことはおそらく、その土地を収めるほどの大きな力を持った豪族が、人々に畏怖される中、救世観音の化身であるという言葉を放ち、それを権威付けるために寺を建てたという解釈をした方が妥当ではないでしょうか。

また、創作されたのが江戸時代であることが臭う記述であり、仏教がまだ伝わっていない日本において寺が立てられるというのは難しいものがあります。ですが、それもあくまで可能性が低いというだけであり、あり得たかもしれないとは言えます。

善久寺の建設にも関わったとされ両面宿儺の木像が安置されている

Fantasy Mystical Woman - Free photo on Pixabay (335128)

善久寺を建てたのは、リョウメンスクナであり、その目的は十一面観音の顕現であったようであります。そうして建てられた善久寺でありますから、十一面観音が祀られており、リョウメンスクナ像も存在するようであります。

加えて、リョウメンスクナが食事をとったという「両面宿儺の御前石」なども存在し、リョウメンスクナの伝承を知るには、善久寺の存在は欠かせないものとなっています。土着の伝承に秘められたリョウメンスクナの行動を追ってみてはいかがでしょうか。

下呂市金山町の伝承での「リョウメンスクナ」

Fantasy City Balloon - Free photo on Pixabay (335127)

岐阜県下呂市金山町にも、リョウメンスクナの伝承が存在します。こちらは日本書紀にも登場する武振熊との戦の様子が描かれたものが主体となっているようであります。また、リョウメンスクナを飛騨の豪族としているようでありますし、現実からかけ離れたものではないのも、特徴であるようです。

ですが、これも江戸時代に描かれた可能性があり、仏教を臭わせる点も存在しますので、実際のその当時を表したものであるかは疑わしいものであります。それでも全てが記述が間違いであるとは言い切れるものではありませんし、リョウメンスクナの話を盛り上げるものであります。

その下呂市金山町の伝承について詳しくご紹介していきます。

武振熊が討伐に来ることを知った宿儺は37日間鎮守山に留まる

Light Forest Away - Free photo on Pixabay (335126)

大和王権からの命により、武振熊がリョウメンスクナの討伐に向かいました。その情報を察知したリョウメンスクナは八賀郷日面出羽ヶ平を出て、金山の鎮守山に37日間留まりました。

この鎮守山に留まっている間には、武振熊に討たれることがなく、善戦していたということになるでしょう。鎮守山という名の通り、この山においての戦いは守備側が有利、あるいは攻めにくい地形であったのでしょう。

それを表すものとしては、現在も存在する「筋骨」という細い道が一つの要因であったことでしょう。

高沢山でさらに立てこもったが敗れた

Portrait Fantasy - Free photo on Pixabay (335125)

リョウメンスクナは武振熊との戦の場を鎮守山から、津保の高沢山に移しました。そこで、リョウメンスクナの隙を上手く突いた武振熊の戦術によって、リョウメンスクナは追い詰められ、武振熊との一騎打ちとなり、敗北してしまったといわれているようであります。

その様子についての記述については情報が少なく、どのような戦いであったかは不明でありますが、リョウメンスクナの最期の地は高沢山であったと言う点においては、ほぼ間違いないようであります。

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