2019年10月19日 更新

樋川ストーカー事件の概要とその犯人は?被害者遺族の苦しみも

ストーカー規制法が制定されるきっかけとなった樋川ストーカー事件をご存知でしょうか。警察の粗末な対応によって被害者女性は命を奪われてしまいました。その事件と犯人の詳細とは?また被害者遺族の苦しみとは、いったいどんな苦しみだったのでしょうか。

目次

監視されているのも同然の生活をしていく中で、小松和人に対して心底恐れるになり、自分の言いなりにさせようとする束縛男に対して恋愛感情は完全に失われいきました。

そして被害者女性が勇気を出して「まだ若いし、友達とも遊びたい。自分とは違うタイプの女性のほうが合うと思う」と言うと、小松和人は「別れる?お前の決めることではない!俺はいい男だ、金もある。金さえあればなんでも出来るんだ」と怒鳴り始め恐怖を植え付けるような男だったのです。

和人は交際断続の強要を行う

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小松和人は、何かの拍子に言い返すと暴れ出し、二言目には自分との交際を父親にばらすぞと脅しを口にしたと言います。父親思いの被害者女性は、なんとか怒らせないようにビクビクしながらも、小松和人との交際を続けるしか方法がありませんでした。

ある時は、「電車だから掛けなおす」と言った後、帰宅途中に友人と出会い、話しながら帰っていると電話が鳴り、出た途端に「お前、何やってんだぁ!」と絶叫。相手が男なんじゃないかと疑い、仕方なく友人に電話を替わってもらうと無言になり「お前が悪いんだ!」と電話を切るなど異常な束縛をしていたそうです。

被害者女性の友人に不審な電話

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小松和人の異常な行動はエスカレートし、被害者女性の行動を興信所のような連中が、一日中監視し始めます。明らかに被害者女性し知らないことや些細なことでも、彼女の行動一つ一つがやり玉に挙げられたと言います。

男友達の所に嫌がらせの電話がかかるようになり、「あなたは彼女の彼氏さんですよね?」という確認の電話がきたり、「彼女に近づくな、俺の女に手を出すなら、告訴するぞ」そ凄むなど、恐喝まがいの脅しをかけていたと言います。

その後も別れ話を何度も切り出す

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彼の行動に対して、たまりかねた被害者女性は、何度も「別れて欲しい」と切り出したと言います。しかし、別れ話をする度に「お前の親父の会社は〇〇だろ、大企業じゃん。親父がリストラされたら弟達、まともに学校が行けなくなるな、俺には簡単にできるよ」と脅しがエスカレートしていきました。

彼は父親の職業など話していないのに全て知っていたのです。事実、小松和人は、自宅の電話番号・父親の会社・女性の友人と思われるいくつかの携帯番号などを自ら興信所に依頼して調査させていたのです。

被害者女性の自宅に小松ら3人が訪れる

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ある日、被害者女性の自宅に、小松和人ら3人が訪れます。そして、和人の上司と名乗った男が、「和人が会社の金を500万円横領して、お宅の娘に貢いだので半分の250万円を支払え。しかもこいつ(和人)を精神的に不安定にした。病院の診断書があるんだ。とにかく誠意を見せろ」と脅します。

父親が帰宅してきて、「女しかいないところに上がり込んでいるのはおかしいじゃないか。警察がいる前で話そう」と一喝されると、男達は「会社に内容証明付きの文書を送りつけるから、覚えておけ」と吐いてようやく帰っていったそうですが、この時、S子さんはこのやりとりをカセットテープに録音していました。

被害者両親が被害を警察署に申告

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小松和人ら3人が自宅に来た翌日から二日間、被害者女性と母親は警察署へ通い、二日目は父親と3人で警察に説明したと言います。前夜に録音したカセットテープを持参して上尾署に相談に訪れたのです。若い警察官は「恐喝だよ」と言ってくれたようですが、年配の刑事は「これは事件にならない」と取り合うこともしなかったといいます。

そして、「そんなにプレゼントもらってから別れたいと言えば、普通は怒る。あんたもいい思いしたんじゃないの?」と信じられないような言葉を投げてきたのです。

和人らが被害者女性の殺害を計画

Detective Crime Scene Dagger - Free photo on Pixabay (689972)

何度となく相談していた警察に、被害者と母は現実に危害が加えられる可能性を訴えて捜査を求めたが、署員は「民事のことに首を突っ込むと、後から何を言われるか分からないんでこちらも困るんですよ。また何かあったら来てください」と要求を退けたとされています。

そして、6月21日には被害者女性は、小松和人から受け取ったプレゼントを全て宅急便で池袋のマンション宛てに送り返していますが、殺害についての刑事裁判で明らかになったところによれば、小松和人が被害者殺害を計画し始めたのは、プレゼント返送の翌日からでした。

被害者関係各所にビラがばら撒かれる

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プレゼントを送り返した後1カ月ほどは何事もなく過ぎていき、このまま全て終わって欲しいという気持ちだったと思います。しかし、嫌がらせ行為の内容は過激化していきます。7月13日、被害者宅の近所などで、中傷ビラがばらまかれます。

ビラは被害者の顔写真、実名、「WANTED」「天にかわっておしおきよ!!」という見出しとともに、彼女を誹謗中傷する台詞もある手の込んだものでした。また被害者の顔写真、「大人の男性募集」というメッセージ、電話番号が記載されたカードが都内でもばらまかれており、インターネットにも同様の書きこみがありました。

署員が告訴の取り下げを願う

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ビラをばら撒かれ恐怖心が蘇り、安心して眠れない状態となっていた被害者女性は、再び上尾署を訪れ、「犯人は小松和人に間違いありません」と名誉毀損容疑で告訴しましたが、警察が捜査した気配はありませんでした。8月下旬、S子さんの父親の勤務先や、その本社にも中傷文書届く。その封書は550通にも及んだのです。

このことがあって父親は警察に相談に行ったが、「これは、いい紙を使ってますね」と本気で話を聞くことはありませんでした。そして9月、上尾署係員は仕事が増えるのを嫌がり、被害者女性の「告訴」を「被害届」に改ざんし、S子さんの母親に「告訴取り下げ」を要請したといいます。

被害者女性が友人に対し「殺される」と漏らす

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警察から告訴取り下げ依頼があったことを知った被害者は、友人に対し「私、本当に殺される。やっぱりAが手を回したんだ。警察はもう頼りにならない。結局なにもしてくれなかった。もうおしまいだ。私、このまま殺されちゃうんだろうな。」などと話していたと言います。

事件の10日前には、午前2時、自宅の塀にぴったりと停まった2台の車が、大音量で音楽を鳴らし、エンジンの空吹かしを始めたそうです。警察に通報はするものの、警察が到着したころには悠々と逃げていき、車の写真を撮り警察に見せても、相変わらず警察は動く気配がなかったのです。

1990年10月26日被害者女性が犯人グループに刺される

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