2019年6月11日 更新

パタニティハラスメントとは?パタハラの事例や原因と対処法

男性版のマタハラと呼ばれる「パタハラ」という言葉を知っていますか?男性が育児に参加することが多い時代だから生まれた言葉です。厚生労働省が男性の育児参加を積極的に推奨するなど育児に対する考え方も変わってきた昨今。そんなパタハラを事例などと共に紹介していきます。

目次

政府目標では2020年までに13%の取得率を目指している

Hands Heart Couple - Free photo on Pixabay (377050)

育児休業制度や時短勤務を利用したい人が3割以上いるにも関わらず、現状5%しかいないという事実が見えてきました。そのことに対し政府は、男性の育児休暇取得率が5.14%という事態を懸念し、2020年までに男性の育児休暇取得率を13%にする目標をかかげています。

両立支援制度を利用して育児休業を取得しようとする男性が少なく、育児休業を取得したくても取得できない男性を減らそうと政府内でもプロジェクトを始めることとなりました。

イクメンプロジェクト

Concept Man Papers - Free photo on Pixabay (377049)

男性の育児休暇取得率アップを目指して発足したのが男性の育児休業取得促進事業、通称「イクメンプロジェクト」です。男性の育児休業取得率は、少しずつではありますが上昇しているものの、現状では希望者の数と比べて大きく下回っています。

そこで、男性の育児休暇促進をした企業を支援する目的で、イクメンプロジェクトは発足しました。男性の育児をしたいという希望を実現するためと、女性の第2子以降の出産に良い影響を及ぼすために政府が働きかけています。

また、企業にとっても従業員のワークライフバランスの実現は、優秀な人材を企業に確保・定着させるうえで、重要な経営戦略となってきます。

男性が育児に関する制度を利用しづらい原因

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約3割の人が取得したいと思いながらも諦めている育児休暇制度ですが、なぜ男性は育児休暇を取得しづらいのでしょうか。平成20年時点では男性の育児休暇取得率は1.23%と100人に1人しか取得していませんでした。しかし現在は5.14%と平成20年と比べたら約4倍の男性が育児休暇を取得しています。

男性が育児休暇を取得できるような体制が整ってきた一方で、昔ながらのとある考えがもとで、男性の育児休暇取得にストップをかけています。そこで、男性が育児休暇を取得することの足かせとなっている原因をいくつか紹介していきます。

出世競争から離脱させられるという懸念

Pair Autumn Evening Sun - Free photo on Pixabay (377052)

仕事は男性のステータスと言われたほど、男性の仕事にかけるモチベーションは違います。女性が妊娠や出産を機に前線から退かなければいけない一方で、男性は仕事をこなし給料を得て、出世していくことで己の価値を高めていたという背景が日本社会にはあります。

会社のために尽くせないと出世競争から外された過去が日本企業のバブル時代にはありましたので、バブル時代の考えが残っている現在の上司にしてみたら、育児のために会社を休む?そんなことを言っている人は出世さない!となってしまうのです。

現在働いている男性たちはそんな考えの上司に認めてもらえないと出世できません。そのため、育児休暇を取ると出世競争から外れてしまうという思いから、なかなか育児休暇取得に踏み込むことが出来ないのです。

上司・会社から評価が下がるという恐怖感

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先ほどの出世競争から離脱させられることの際にも伝えましたが、現在働いている人の上司や会社の社長はバブル世代の昔ながらの考え方の人が多いです。そのため、育児休暇やフレックス勤務に対してネガティブな印象を持っている人たちが多く、育児に関しては女性に任せるものだという考えを持っています。そんな考えに人たちに育児休暇を取得したいと伝えるのは、かなりの勇気がいることです。

また、育児休暇をよく思っていない上司に対して、自分の権利を主張して育児休暇を取ることは、上司からの評価が下がるのではないかという恐怖に襲われます。先の出世競争だけではなく、ボーナスの査定額が減ったり希望した部署に行けなくなったりと上司の発言というのは影響力があります。その結果、育児休暇を諦めるという結論に達してしまうのです。

職場の暗黙のルール

Landscape Sad People - Free photo on Pixabay (377054)

この世には目に見えない暗黙のルールというものが存在します。誰が決めたわけでもなく、どこかに記されているわけでもないのにいつのまにか定着しているのが暗黙のルールです。男性の育児休暇の取得に関しても暗黙のルールが制定されている可能性があります。

男性の育児休暇制度を制定しているものの誰も取得したことがないという企業もあります。取得したい人がいないからではなく、取得すると白い目で見られる可能性があるから誰も申請できないという状態になっているのです。そのルールを破る人がいないと誰も育児休暇を取れない、でもみんなルールを知っているから取得し得たいなんて言えないという悪循環に陥ってしまうのです。

女性が育児をするという固定概念

Woman Kitchen Man Everyday - Free photo on Pixabay (377056)

昔の人の考えとして、男性は外に出て働く女性は家で家事育児という固定概念が根付いています。夫婦間の性別による役割分担の考えは今なお変わっておらず、時代の変化に職場が追い付いていないケースも多数存在します。

いくら口で今はそういう時代ではないと伝えたところで、昔ながらの考えを覆すことは難しく、また相手が上司や会社であるために強く言えないという状態に陥ります。今の育児は夫婦がともにやっていくスタイルが一般的なのだということを、イクメンプロジェクトを参考にして伝えてみるのもありかもしれません。

職場の慢性的な人手不足

Norway Mountains Outdoors - Free photo on Pixabay (377057)

育児休暇を取得したいけれど、会社が慢性的な人手不足で一人抜けると業務が回らなくなるという状態になっている会社があります。そのため、従業員は遠慮してしまい育児休暇を取りたいということが出来ません。たった一人欠けることが会社に大きな損害を被るのです。

このような状態の場合、誰かからのパタハラが原因で育児休暇が取れないわけではありません。同僚が育児休暇取得に賛成してくれても、会社が育児休暇を推奨していようとも、こんな状態の会社で育児休暇を取得できないと従業員自らが判断する形となります。

職場で育児休業制度が整備されていない

Romance Lovers Happy - Free photo on Pixabay (377058)

女性に対する育児休暇の取得は現在当たり前のものとなりましたが、女性も少し前までは子供が生まれたら仕事を辞めるべきだという考えにさらされてきていました。現在になってやっと、企業内で女性の育児に対する制度が浸透してきたため、育児休暇を取得しやすくなったという実情があります。

昔の女性に対する扱いと同様に、企業側の男性に対する育児休暇の制度はまだまだ手薄な部分が多いです。共働きの夫婦の女性1人で育児を担うことは、少子化の原因ともなっており、パタハラへの対策を整えることは急務だと言えます。

パタハラを防ぐために

City Man Person - Free photo on Pixabay (377059)

いざパタハラが発生してから対策を打っていては、後の祭りになります。育児休暇を取得したいと考えているのであれば、パタハラ対策を事前に行っておくことにより、いざパタハラに遭遇した時にでも手を打つことができます。

男性の育児休暇取得が当たり前ではない昨今、育児休暇を申請したことによりどんなパタハラを受けることになるのか想像がつかないこともあります。そのために、事前にできることはやっておく必要があります。どんな対策をしておけばいいのかを紹介していきます。

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