2019年9月7日 更新

ストーカーをする人の心理は?加害者の心理考察となりやすい人の特徴

ストーカー被害は放置しておくと、重大な事件に発展しかねません。今は男女問わず、ストーカーになり得る可能性があります。相手に好意があるのにも関わらず、嫌がらせをしてしまう加害者の心理を考察します。あなたは大丈夫でしょうか?

目次

純粋な好意がなぜストーカーへ繋がってしまうのか

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誰しもが加害者にも被害者にもなり得るのが、近年急増しているストーカー事件。相手に嫌がらせをし、最終的に追い詰める行為ですが、実は、純粋な好意がきっかけのケースも多いと言います。

では、なぜ好意がストーカー行為に繋がってしまうのでしょうか。そもそも、加害者側はストーカーをしている自覚がありません。だからこそ、行為はどんどんエスカレートしていき、厄介な事態に発展してしまうのです。

そして、特定の人に対する好意の感情は、いつしかその好意が叶わなかったことへの憎しみや執着に変貌していき、被害者を苦しめます。

この記事では、ストーカー行為に及ぶ加害者の心理や特徴を考察します。被害に遭わないためにも、ストーカーへの理解を深め、参考にしてみてください。

ストーカー行為による嫌がらせ・被害は後を絶たない

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近年、ストーカー被害や嫌がらせが後を絶ちません。警察が把握しているストーカー被害は、5年連続で2万件を超え、今この瞬間も増え続けていると言います。

携帯電話やネット環境が普及し、様々な形で被害者に接触できるようになったのも、ストーカーが増えている一因ではないでしょうか。しかし、数が多いからと言って、見逃していいわけではありません。

過去には、ストーカー行為から発展した殺人事件や重大な事件も起きているのです。加害者が命を奪うまでに至った理由とは、一体何なのでしょうか。

過去の事例を見ていきながら、犯人の心理や状況を分析し、対策に繋げていきましょう。

桶川ストーカー殺人事件

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桶川ストーカー殺人事件は、2000年に「ストーカー規制法」が制定されるきっかけとなった事件です。

1999年10月26日、埼玉県桶川市のJR高崎線桶川駅前で、ストーカー被害を受けていた女子大生が刃物で刺され、命を落としました。逮捕されたのは、元交際相手の男とその仲間でした。

犯行に及んだ理由は、交際を断られたからだと供述。逆恨みした男は、ストーカー化してしまいます。殺人を示唆するような脅迫や、女子大生を中傷するビラを自宅や大学周辺の電柱に貼り、被害者の父親の勤務先や本社にも、550通もの中傷文書を送りつけました。

愛情はいつの間にか執着と憎しみに変わり、そしてついに、殺害に至ってしまったのです。その後犯人は逃走し、自殺したと見られています。
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しかしさらに社会問題となったのは、一連の事件に対する警察の余りにも杜撰な対応と報道のあり方です。

女子大生と家族は、何度も埼玉県警上尾警察署にストーカーの相談をしていましたが、上尾署側は「忙しい」と相手にしませんでした。

被害者家族は告訴状を提出しましたが、捜査に乗り出さず放置した上、"告訴"を"被害届"に不正に改ざん。さらに、上尾警察署は被害者に告訴の取り下げを要求したのです。

さらにあってはならないことに、事件が起きた後も、捜査ミスを隠蔽するために、警察は被害者の名誉を傷つけるような嘘の情報もマスコミに流しました。そのまま事実のように、マスコミはそれを報道したのです。
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上尾署の不正は週刊誌や内部調査で暴かれました。埼玉県警は不正捜査を認め謝罪。3人の懲戒免職者を含む15人を処分しました。改ざんに関わった署員は後に有罪判決を受けます。

それでも遺族は謝罪を受け入れず、埼玉県警を相手に国家賠償請求訴訟を起こします。遺族は「ストーカー被害を適切に捜査してくれれば殺人事件は起きなかった」と訴えましたが、裁判では"捜査と殺害の因果関係"は認められませんでした。

事件はストーカー被害を見直すきっかけとなり、国会でも大きく採り上げられ、半年後の2000年5月、ストーカー規制法が成立しました。

しかし、警察の不信感を招いてしまったのは否めない事実でしょう。

逗子ストーカー殺人事件

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2012年神奈川県逗子市で、度重なるストーカー被害の末に、当時33歳の女性が刺殺された事件。犯人の男は元交際相手で、女性を刺した直後に自殺しました。

では、犯人はどんな嫌がらせを重ねていたのでしょうか。男は、被害者女性と婚約するもの一年余りで別れ、うつ病を発症。

「結婚を約束したのに別の男と結婚した。契約不履行で慰謝料を払え」などと書いたメールを執拗に女性に送りつけていたのです。その数、千通にも上ります。
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そして、「絶対に殺す」と殺意を書いたメールを送り、2010年に脅迫罪で逮捕。警察の逮捕状の読み上げの際、結婚後の新しい姓と新しい引越し先の住所を知ってしまったのです。

しかし、当時のストーカー規制法では、電話やファックスでのつきまといは禁じていましたが、メールは対象外でした。神奈川県警逗子署はすぐに違法性を問えないとして、捜査を終了。パトロールは続けたものの、事件を防ぐことはできませんでした。

この事件などをきっかけに、2013年にストーカー規制法が改正。ようやく、メールを連続して送る行為も「つきまとい行為」の対象となりました。

三鷹ストーカー殺人事件

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2013年に東京都三鷹市で発生した殺人事件。トラック運転手の男性が、元交際相手の女子高生にストーカー行為を繰り返し、刺殺しました。リベンジポルノの関連法案が成立したきっかけとなった事件でもあります。

当時18歳だった被害者の女子高生は、2011年から犯人の男とSNSによって知り合いになり、恋愛関係に。1年ほど交際していましたが、女子高校生が留学することになったので、男へ別れ話を切り出しました。

2013年に女子高校生は帰国しましたが、男は別れを受け入れておらず、執拗に交際を求めました。被害者はこれを拒否し、携帯電話を着信拒否設定にするなど、完全に男性との連絡を断ちました。

繋がりを断とうとしたことに腹を立てた男は女子高校生の殺害を計画し始め、被害者の自宅近くに引越し、ストーキングをするようになったのです。
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女子高校生は三鷹署に相談しましたが、警察はストーカー規制法に基づき男に電話をかけるも応答せず。警察は留守番電話にメッセージを残しただけで、対応は終わりました。

そして、ついに犯人は自宅に侵入し、被害者を持っていたナイフで刺し殺したのです。逗子ストーカー殺人事件を教訓に改正されたストーカー規制法が施行された5日後のことでした。

さらに恐ろしいことに、男は逮捕時までに、ネット上に被害者との交際中に撮影した性的な画像や動画を投稿。いわゆるリベンジポルノです。事件が大きく報道されるにつれ、投稿に気づいた人々によって女子高校生の性的な画像や動画がダウンロードされ拡散されてしまいました。

殺害された女子高校生や遺族の尊厳は深く傷つけられ、リベンジポルノが社会問題として認識されるように。国会でも問題視され、2014年にリベンジポルノ被害防止法が成立しました。

長崎ストーカー殺人事件

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2011年12月に長崎で発生した凶悪な殺人事件。ストーカー被害に遭っていたのは、山下さん家族の三女でしたが、殺害されたのは本人ではなく、母親と祖母でした。なぜ、犯人は家族までをも狙ったのでしょうか。

事件が発生した年の2月。三女と交際していた男は千葉県で同居を始めましたが、次第に繰り返し三女に暴力を振るうようなり、さらに三女を事実上の監禁状態としました。

同年10月に父親が長崎・千葉の両県警に相談し、三女を保護。警察は犯人を任意同行し、今後一切三女に近づかないように誓約書を書かせ、厳重注意だけで解放しました。

問題は解決したかのように思われましたが、その翌日、長崎の実家に避難した三女に脅迫メールが届いたのです。2度と連絡しないと誓ったにも関わらず、電話もひっきりなしにかかってきました。
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警察は犯人に再び警告し、男は三重の実家に帰りましたが効果はなく、ストーカー行為はエスカレート。「居場所を教えなければ殺す」などと、三女の友人や、職場の同僚にまで脅迫メールを送りつけるようになりました。

山下さん家族は3つの県の警察に1ヶ月半もの間、何度も助けを求めました。しかし、12月。犯人は長崎にある山下さんの実家に侵入し、母親と祖母の胸や腹を包丁で十数回刺して殺害してしまったのです。

取り調べに対し犯人は、「三女に会いたかった。自分には三女しかいないと思った」と供述しています。他人を顧みない、身勝手な考えです。

さらに逮捕されてからは、まるで自分が被害者の様な発言を繰り返していました。これは、一般的にDVを行う人間に共通していることで、自分を否定されるとすぐに被害者の様な態度になってしまうそうです。

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