2019年9月22日 更新

寝たくないと思うのはなぜ?心理やストレス・病気が関係している?

仕事や学校でくたくたに疲れているのに寝たくない…これは、朝が怖い、起きたくないという心理やストレス、うつなどの病気が原因となっています。睡眠は心身を回復させ、充実した毎日を過ごすのに大切なもの。寝たくない理由を明らかにして、今日はぐっすり眠りましょう。

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統合失調症は思考や行動、感情を一つにまとめる(統合する)能力が長期に渡り低下し、幻覚、幻聴、極めてまとまりのない行動が見られる病気で、脳の神経伝達系の異常から生じますが、異常が起こる原因ははっきりしていません。

統合失調症の症状のひとつに不眠があります。また、統合失調症による幻覚、幻聴は「誰かが自分の悪口を言っている」、「危害を加えようとしている」という被害的なものが多く出ます。

そして本人はそれらを本当にあったことだと感じています。誰かに悪口を言われ、命を狙われている中で眠れる人はそういません。それも不眠に拍車をかけているのではないかと考えられます。
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ポルトガル・リスボン精神病院センターのアフォンソ医師が統合失調症患者の睡眠について検証したところ、統合失調症の患者は全体的に睡眠の質が悪いという結果が出ました。睡眠時間が短いわけではないのですが、寝つきが悪く、中途覚醒が多く、睡眠効率は良くなかったとのことです。

統合失調症の治療は薬物療法と精神科リハビリテーションの二本柱でおこないます。回復が見られるまでに長い時間がかかる場合もありますので、本人と家族が病気について正しく知り、前向きに治療に取り組む姿勢が求められます。

うつで中途覚醒や早朝覚醒がある

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睡眠障害はうつ病の症状の中でも最も主だったもので、うつ病の人の8割以上が睡眠障害に悩んでいると言われています。最も多いのは早朝覚醒ですが、中途覚醒や入眠障害、また過眠になる人もいます。

うつ病の症状の一つに、朝に気分が沈むというものがありますが、これも睡眠障害による寝不足が原因だと考えられています。充分に眠れないために体力も回復せず、思うように体が動かないことから落ち込んだり自分を責めたりして、うつがさらに悪化する危険性もあります。
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このようにうつ病になると不眠になることが多いのですが、逆に不眠だとうつ病にかかりやすくなるという事実もあります。どちらも心と体のバランスが崩れることにより起こるものだからかもしれません。

寝たくない、寝られない原因がうつ病である場合は、医師の診察を受け、投薬やカウンセリングなど自分に合った治療をおこないます。また、朝起きて太陽の光を浴びる他、適度な運動やバランスのとれた食事など、生活習慣を整えていくことも回復につながります。

寝たくない・寝られない人におすすめの対処法

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寝ることの大切さは分かっているけれど、どうしても寝たくない、寝られない…そのような状態が続くと、夜も朝も憂鬱になってしまいます。「自分は眠れない、自分はダメだ」と諦めるのではなく、できることから少しずつ対処法を試してみましょう。

室温を調節する

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睡眠に適した室温は、夏は25度~28度、冬は15度~18度とされています。布団やパジャマを季節に応じて取り換えることももちろん大切ですが、これからは今までよりさらにエアコンを活用していかなくてはなりません。

最近は特に夏に猛暑が続き、エアコンを使わず睡眠中に熱中症になってしまう人が増えました。起きていれば水を飲んだり服を脱いだりして調節できますが、寝ている時は難しいので、寝室を適温に保つことが重要になってきます。
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また、寝る時に暑過ぎたり寒過ぎたりして不快だと、寝苦しくなり寝るのが嫌になってしまいます。あまりに冷え過ぎ、温め過ぎも良くありませんから、自動調節機能やタイマーなどを賢く利用しましょう。

また、温度だけではなく湿度も重要です。最適の湿度は40~60度。エアコンの除湿機能や除湿器、また加湿器を使って理想的な湿度を保ちましょう。冬場は特にインフルエンザ予防にもなります。温度と湿度に気を配り、健康と快眠を手に入れましょう。

寝具を清潔に保つ

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人は寝ている時にグラス1杯分の汗をかいています。羽毛布団なら乾きが早いのですが、綿布団だと湿気を吸って重くなってしまいます。こまめに干したり、洗濯したり、綿の打ち直しをしたりして、乾いた状態を保ちましょう。

また、先ほどご紹介した睡眠に適した温度と湿度は、ダニに取っても良いものです。特に人の皮膚のかけらが多い布団はダニのパラダイスになります。布団に住みつくのは主にヒョウダニというダニですが、この糞や死骸によってダニアレルギーを発症したり、喘息になったりします。
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布団や枕のカバーはこまめに洗いましょう。布団は乾燥機にかけると、高温でダニが死にます。糞や死骸は丸洗いしたり、掃除機で吸ったりして取り除きましょう。そうそう洗濯や乾燥ができない場合は、天日干しによって布団の湿度を下げ、ダニが活動しづらい環境を作るのも良いでしょう。

このように、様々な工夫によって寝具を清潔に保つことができます。ふんわり乾いた清潔な布団にくるまって、気持ち良く眠りましょう。

眠る前にスマホやテレビは見ない

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眠れないからと言ってベッドにスマホを持ち込んだり、テレビを見たりする人がいますが、良い睡眠のためにはやめた方が良い習慣です。スマホやテレビの光は脳を刺激し、眠気をもたらすホルモンであるメラトニンの分泌をストップさせてしまいます。

また、寝る前に仕事関係のメールをチェックする人がいますが、これはさらに大きなストレスとなり、睡眠を妨げてしまいます。イギリス・エディンバラ睡眠センターのイジコフスキ博士によると、仕事関係のメールを見ただけで、エスプレッソコーヒーを2杯飲んだ場合と同じくらいの興奮状態となるそうです。

睡眠1時間前にはテレビもスマホもやめましょう。メールやラインの通知音は消しておきます。どうしても寂しくて眠れないという場合は音楽を聴くと良いでしょう。

眠くなるまで本を読む

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先ほどご紹介した通り、スマホやテレビの光は入眠を妨げます。どうしても眠れない、寝たい気持ちが湧かない場合は、読書がお勧めです。

しかし、本は選ばなくてはいけません。恋愛小説や推理小説などを読んで、ドキドキして興奮したり、続きが気になって眠れなくなったりしては意味がありません。また、怖い話や悲しい話を読み、ネガティブな気持ちになると悪夢を見る可能性もありますので避けましょう。
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