2019年3月24日 更新

同調してしまう心理とは?日本に潜在する同調圧力を心理学で読み解く

日本では自分とは違う意見であっても、周りの空気を読んで多数派に同調してしまうことが多いと言われています。また、そのように多数意見に合わせるような暗黙の強制を同調圧力と言います。同調の意味や同調してしまう心理について、心理学の観点から読み解いていきましょう。

目次

Wrong Way Sign Road - Free photo on Pixabay (120558)

状況をよく判断せずに、多数意見に同調してしまったり、相手との関係性で同調せざるを得なかったりするとき、もしその意見や主張が間違っていたらどうでしょうか。

誤った主張や意見でも、多数の人が同調した結果、その誤った主張が正しいこととして通ってしまいます。集団の心理として、本当に正しいかどうかより、みんながそうだから、ということで同じ行動をとってしまう傾向があります。

誤った情報や主張に同調した結果、取り返しのつかない間違いを犯してしまう危険性もあるのです。

主体的に考える力が身につかない

Question Mark Student - Free photo on Pixabay (120584)

他の人と同じ行動をしたり、考え方に同調してばかりいると、自分自身で考える力が身につかなくなります。同調することにより、常に他人の意見に振り回されてしまうことにもなりかねません。

特に子どものころから周りに同調してばかりいると、大人になってからも自分自身の意見を持つことができなくなってしまう可能性もあります。

新しい意見や挑戦的な企画を出す意欲がなくなる

Student Typing Keyboard - Free photo on Pixabay (120598)

同調する心理というのは、みんなと同じ行動をしたり考えたりすることで安心することです。他の人と違うことをしたり、目立つことを避けようという考えから同調してしまうのです。

そのような考え方が身についてしまうと、今までにない新しい試みや、斬新な意見などを言えなくなってしまうでしょう。みんなと違うことを言って孤立したくない、という消極的な姿勢になって、新たなチャレンジができなくなってしまいます。

同調圧力とは何か?同調圧力がもたらす問題

Restaurant People Eating - Free photo on Pixabay (120615)

同調するとはどういうことかを説明してきました。それでは、同調しない人々はいるのでしょうか。集団の中で多数派に同調しなかった少数派の人々を、強制的に同調させようとするケースもあります。

そのような圧力を同調圧力と言います。同調圧力について詳しく説明していきます。

同調圧力とは?

Audience Crowd People - Free photo on Pixabay (120627)

同調圧力とは、ある集団の中において意思決定をなす際に、少数意見を主張する者に対して多数意見に従うように暗黙の強制をすることです。

みんなと同じでないということが間違っているという考えにさせたり、一人だけ違うことにプレッシャーを感じさせてみんなと足並みを揃えさせたりすることを言います。
Ball Round Alone - Free photo on Pixabay (120644)

強制の仕方には、直接的な危害を加えることもありますが、暗にみんなと違う意見を持っていることで疎外感を与えたり、集団から逸脱しているという印象を与えるネガティブキャンペーンを行うことなどがあります。

少数派の意見が無視されてしまう

Light Bulbs Bulb - Free image on Pixabay (120648)

同調圧力が働くと、少数派の意見は通らなくなってしまいます。そうなると、常に多数の意見ばかりが採用され、少数の人たちの意見や主張は無視されてしまうことになります。

職場などで同調圧力が起こった場合、多数派に同調しなかった少数の人たちは、自分たちの意見や主張がつねに無視されることで不満を抱えることとなります。

このようなケースになると、集団の中での公平性は保たれなくなってしまいます。

いじめや差別に繋がることも

Desperate Sad Depressed - Free photo on Pixabay (120650)

一人だけ違うということから、集団からはじき出されてしまい、その結果いじめや差別へと発展してしまうケースもあります。

いじめや差別をしてしまう多数派にとっては、みんながしているから、という考えで個人的に罪悪感を感じにくくなってしまいます。
Woman Worried Nightmare - Free photo on Pixabay (120655)

また、いじめに反対することで自分も集団の中から疎外されてしまうのではないかという不安や恐怖から、いじめをする多数派に逆らえないという悪循環も起きてしまいます。

これらの悪循環も同調圧力による問題として考えられます。

ネットでも悪意あるコメントが溢れることも

Ipad Tablet Technology - Free photo on Pixabay (120657)

インターネットが当たり前になった近年では、SNSなどの書き込みで個人を攻撃するというケースも増えてきました。誰かひとりのターゲットに多数の人が悪意のある書き込みをすることもよく見かけられます。

インターネットの場合は匿名性もあるので、そのような悪意ある意見や書き込みに同調して攻撃をすることにも抵抗を感じにくいという特徴もあります。
Cell Phone Mobile - Free photo on Pixabay (120659)

個人が特定されないという状況下では、たとえそれが悪質な内容や攻撃性が高いものだとしても、みんなが書いているからという気持ちが強くなり、少数派の人間を攻撃することができてしまうのです

職場でも多い!同調圧力が生む害悪

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