2019年3月24日 更新

同調してしまう心理とは?日本に潜在する同調圧力を心理学で読み解く

日本では自分とは違う意見であっても、周りの空気を読んで多数派に同調してしまうことが多いと言われています。また、そのように多数意見に合わせるような暗黙の強制を同調圧力と言います。同調の意味や同調してしまう心理について、心理学の観点から読み解いていきましょう。

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しかし日本は周りを海に囲まれた島国なので、他の民族や文化と交流する機会がありませんでした。民族としてもほぼ単一民族です。

同じ民族として、同じように考え、行動するという暗黙の了解があるのは当然のことでしょう。自分たちと違うものがあるということを知らなかったのですから、周りと違うことをすることが異質だとされたことは想像できます。
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島国という、周りから隔たった状況の中で排除されてしまうということは、そこで生活することが難しくなるということにもなります。ですから周りと同じように行動するということは生きていくうえで必要なことだったのかもしれません。

年齢や役職などによる上下関係を重視する傾向があるから

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日本では他人との関係性を、年齢差や会社での上下関係などで決めることが多いです。自分より年長者を敬ったり、立場が上の人の意見を聞くべきだという風潮があります。

そのため、年上や会社の上司などに自分の意見を通すことは、なかなか難しい雰囲気があります。自分より年齢や役職が上の人に意見を言うことが失礼だとか、生意気であると言われて批判されてしまうこともあるでしょう。
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そういった社会の中では、つい遠慮してしまったり、自分の立場が悪くならないように自分の主張を抑え、年上の意見には賛同してしまう方が良いと考えしまうケースも多いのです。

心理学ではどう解く?同調しやすい対象や心理

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同調について、心理学ではどのように解釈されているでしょうか。どのような人に同調しやすいのか、また同調してしまう人の心理とはどういうものなのか、説明していきましょう。

多数派の意見

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人は、意見が割れた時、少数の意見より多数の意見の方が正しいのではないかと考えてしまう傾向があります。みんながそう言っているのだから、きっとそれが正しいのだろうという思考になるのです。

この人間の心理は、アッシュの同調行動の実験というもので証明されています。自分が正しいと思っていることも、自分以外の多数の人が別の意見を聞き続けることで、自分の意見も変えてしまうという実験です。
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多数と同じ意見であることで安心するということと、多数派の意見は正しいのではないかという認知の歪みから、少数意見より多数意見の方が同調する対象として選んでしまうのです。

自分が好感や親しみを持っている人

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自分が好きな相手や親しみを感じている相手には、自然とその相手と同じような行動をしてしまうという事も心理学的に説明がつくことです。

人は自分とシンクロする相手、つまり同じ考え方や行動をする相手に対して良い印象を持つ傾向があります。同時に、自分が好きな相手と同化したいという気持ちもあります。
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例えば、好きなアイドルや芸能人などのファッションや髪形を真似するというのも同じ現象です。好意を持っている相手に近づきたいという心理によって同調する対象となるのです。

地位の高い人や上の立場の人

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職場では、上司の言うことに服従するのが当然のこととされています。もし意見を聞かなかったり逆らったりすれば、会社での自分の評価が下がってしまうかもしれないという認識があるからです。

職場に限らず、自分より立場が上の人には従うべきだという暗黙の了解がある場合にも、その人の意見が正しいかどうかということは考慮せずに、相手に同調してしまうということも起こるでしょう。

同僚や同級生など同じグループに属する人

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同じような目的を持って集まっているグループの中では、メンバー同士が同じ考えや行動をする方が集団としてまとまりやすいという認識があります。

職場の同僚であれば、社内や部署内での意見がまとまっている方が仕事の効率が良くなったり、社員同士の人間関係や秩序が保たれる場合があるからです。
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1人だけ周りと違う行動をすることにより、自分自身も孤立してしまうかもしれませんし、集団の中での人間関係をうまくやっていくためにも、自然と周りに同調することが多くなります。

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