2019年10月15日 更新

津久井やまゆり園で起きた事件のその後と現在は?犯人の生い立ちも

相模原障害者施設殺傷事件を覚えているでしょうか?戦後最大の事件として大きく取り上げられた事件です。事件によって亡くなった方は19名もいます。今回は相模原障害者施設殺傷事件の概要と事件のその後の建て替え計画や犯人植松の思考回路や生い立ちまでを紹介していきます。

目次

犯行が行われたのは夜中のことでした。夜中ということもあり、入居者は全員寝ている時間でした。また犯人は入居者に声をかけており、返答がない入居者を刺殺しています。

入居者は眠っている間、何も気づかない間に殺されてしまったのです。重度の知的障害ということもあり、抵抗することも難しい状態。犯人がナイフを持っている姿を見ても即時に判断して逃げることも難しかったのではないでしょうか。

知的障害者のみ、しかも寝ている状態、完全に無防備な姿を狙った、とても卑劣な方法です。

老朽化で建て替え工事を行った

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津久井やまゆり園は1992年12月より、開所当時の施設、設備が老朽化したことを受けて建て替え工事を実施していました。1994年6月に居住棟や厨房機械棟などの第一期工事が完成し、続いて既存棟の解体と、居住棟、作業訓練室やボランティア室などを備えた管理棟などを建設する、第2期工事が7月から行われました。

1996年4月に完成したことで、再整備工事が完了し全面開所。建て替え工事も行われていることから、過去に津久井やまゆり園に携わった人間では裏口などの侵入経路はわかりません。犯人は建て替え工事が行われた後に津久井やまゆり園に関係した人物だということがわかります。

夜間は最低2人職員を配属

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津久井やまゆり園では、夜間も職員を1棟あたり少なくとも2人配置していました。園の正門、居住棟の入り口はそれぞれ施錠されているうえ、建物内に入ったとしても各ホームに自由に行き来することはできない作りになっています。

さらにすべての鍵を開けられるマスターキーを持っている職員もいません。また園には警備員が常駐していました。

しかし、午後9時半以降は正門近くの管理棟で仮眠してもよいことになっており、当時警備員は犯人の侵入に気づくことができなかったのです。

事件の捜査の過程

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犯人逮捕まで捜査はどのように進んでいったのか、捜査の過程を解説します。上記でも触れていますが犯人は現行犯逮捕ではなく自首をしてきています。逮捕されてから裁判までどのような流れになったのか?また犯行動機などに関しても見ていきましょう。

はたして犯人は津久井やまゆり園、そして障害者に対してどのような気持ちがあったのか?どのように犯行を行ったのでしょうか?そこには犯人の綿密な計画と複雑な思考がありました。

犯行の手口を見る限り、犯人は確実に計画を立てていたことがわかります。

7月26日犯人を緊急逮捕

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7月26日の犯行後、犯人は自首をしてきました。元々犯人は更に多くの入居者を襲う計画でした。西棟2階を担当していた職員が異変を察知して部屋に閉じこもり、そのまま出てこなかったことから、職員が警察に通報するのを恐れ、施設から逃亡していたのです。

一時は逃亡したのに自首してきた理由とは一体何だったのでしょうか?その場で逃走したのであれば、そのまま逃げ切ることも考えられたはずです。逮捕されてでも伝えたかったことがあったのかもしれません。自分の考えを誇示するために自首してきたことも考えられます。

「施設を辞めさせられた恨み」

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逮捕後の取り調べで犯人の動機が明らかになります。犯人は「ナイフで刺したことは間違いない」と容疑を認めたうえで「施設を辞めさせられて恨んでいた」と話しました。つまり犯人は津久井やまゆり園の元職員だったのです。

元職員だったからこそ裏口からの侵入経路などもわかっていたのでしょう。また犯行時刻の午前2時、その時間であれば警備員の警備が薄くなることもわかっていたのではないかと考えられます。

どれ程犯人が綿密な計画を立てていたのかは不明ですが、元職員であれば侵入する事は容易です。

殺害された19人の死亡理由

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殺害された19人の死亡理由を見てみると、犯人が明確な殺意を持っていたことがわかります。殺害された19人全員には、胸や首に複数の刺し傷がありました。27日までに12人の司法解剖が終了し、10人は負傷による失血死と失血性ショック。2人は腹と背中を刺されたことが致命傷となていました。

それぞれの刺し傷はかなり深いものだったため、殺意があって刺したことは明らかです。しかし施設を辞めさせられたのであれば恨みは職員に向けられるでしょう。なぜ犯人は入居者を狙ったのでしょうか。

職員から奪った鍵で解錠し移動

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取り調べの中で、犯人は職員から奪った鍵で居住区画を仕切る扉を解錠して移動していたことがわかりました。施設内を移動しながら、入居者の実名を叫んでいたとのことです。

犠牲者の中には名前を呼ばれた入居者も含まれており、神奈川県警は、犯人が特定の人物を標的にしていたのではないか?という疑いもかけています。

まるでホラーやサスペンス映画のような展開です。実際に殺人犯が自分の名前を叫びながら探し回っていることを考えると鳥肌がとまりません。被害者はそんな恐怖の時間を体験したのです。

8月15日に犯人を再逮捕

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7月26日、自首によって緊急逮捕された犯人ですが、8月15日殺人容疑で犯人を再逮捕。どの容疑に関しても犯人は否認することなく、全てを認めました。容疑を全く否認していないということは、反省の色も伺えますが、反対に全く反省していないから否認しなかったとも考えられます。

さらに神奈川県警は9月5日、園西棟の1階と2階で、41歳から67歳の男性9人を刃物で切りつけて殺害したとして、殺人容疑で再逮捕。逮捕は合計3回となりました。

犯人の罪は数えきれない程の数となっていきます。

犯人は非常に計画的な犯行

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犯人は襲撃の途中に施設の職員室にあるパソコンで勤務表を調べ、自分より体格がよい職員がいないことを確認していたことが判明しています。

これまでの犯行の手口で、犯人が綿密な計画を立てていたことは明らかですが、職員を調べるまでしているのは驚きです。元職員だからこそ、どの職員がどんな体格をしているかまで把握していたのでしょう。

捜査関係者は「殺害計画に沿って合理的に行動しており、心神喪失状態ではなかった」とみています。精神的に不安定であれば、細かく調べて犯行を行うことはしないでしょう。

殺傷行為を全て立件した

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