2019年9月6日 更新

アヨツィナパの43人とは?イグアラ市学生集団失踪事件の発端とその後も

メキシコである日突然、普通の学生6人が殺害され43人が集団失踪するという意味のわからない事件が起きたのですが、その犯人が...なんと!この43人は「アヨツィナパの43人」と呼ばれ「イグアラ市学生集団失踪事件」とも呼ばれ、今でも捜索されてています。

目次

アヨツィナパの43人とは

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2014年9月26日、メキシコのゲレロ(Guerrero)州イグアラ(Iguala)市で、ある日突然、地元の学生6人が殺害され『アヨツィナパ(Ayotzinapa)師範学校』という『アヨツィナパ教員養成大学』の生徒43人が集団失踪するという事件が起きました。

失踪した学生らは地元市長と親しい地元警察らによって殺されているとみられています。そして、なんと市長と市長夫人に逮捕状が出たのです!市長の妻の実兄は事件の首謀者『ゲレロス・ウニドス』のリーダーで、市長の妻は組織の「陰の支配者」とされていました。

ホセ・ルイス・アルバカ(Jose Luis Abarca)市長と、その妻マリア・デ・ロス・アンヘレス・ピネダ(Maria de los Angeles Pineda)の2人は事件の直後に姿を消しました。これに怒ったメキシコ市民が、連日のように抗議デモを起こし、メキシコ国内全体に広がりました。

イグアラ市学生集団失踪事件の別名

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2014年11月9日、容疑者の麻薬組織『ゲレロス・ウニドス(Guerreros Unidos)』のメンバー3人は「麻薬犯罪組織とつながりのある警察から43人の学生たちを引き渡され、2台のトラックに乗せ近くの焼却場に運び殺害し14時間遺体を焼いた」と供述しています。

学生たちは資金集めのためにイグアラ市に来ており、4台のバスを乗っ取りアヨツィナパ教員養成大学の学生寮に帰る途中でした。バスに乗った学生たちは襲撃されパトカーに乗せられ連行され行方不明になったのです。

この『イグアラ市学生集団失踪事件』は「アヨツィナパの43人」という名前で知られるようになったのです。

多くの国内外で報道され特にアメリカでは大々的に扱われた

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「アヨツィナパの43人」とも呼ばれる「イグアラ市学生集団失踪事件」は、社会の様々な組織や機関から非難されました。

国家人権委員会(CNDH)は「超法規的な処刑と強制失踪は、最も重い人権侵害行為だ」と強く抗議し、米州機構はこの事件は「メキシコ国民だけでなく、すべてのアメリカ諸国を嘆かせる犯罪だ」と宣言しました。

また、ニューヨークが本部で、世界各地の人権侵害と弾圧を止め、世界中すべての人々の人権を守ることを目的とし、世界90か国で人権状況をモニターしている国際的な人権NGO団体『ヒューマン・ライツ・ウォッチ』は「1968年10月2日以降の学生に対する弾圧で最も暴力的なもの」であると宣言しました。

不明点が多く現在もなお抗議が続いている

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2014年11月7日、ムリリョ=カラム検事総長は「殺害された学生たちの骨は灰化し、触っただけで塵となるため、身元確認のためのDNA鑑定が難しい」と会見で説明しましたが、家族もメキシコ社会もその説明では納得できず、Twitterで「#NoLoAceptamos (ハッシュタグ私達は納得しない)」が生まれました。

また、検事総長がこの記者会見を「もう疲れた(Ya me cansé)」という台詞で会見を終えたことに反発し、逆に国民の方が「政府の腐敗や弾圧にもう疲れた」という意味で「#YaMeCanse(ハッシュタグもう疲れた)」が生まれました。

その後も、メキシコ内外で「学生たちを生きたまま返せ!」と抗議活動が続いています。

メキシコが抱える闇を表していると世界中から注目される

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メキシコの犯罪は全体の0.5%しか処罰されず、加害者は事件を起こしても、その後に罪に問われることはありません。警察や法律は全く機能しておらず、政治家と警察と犯罪組織が「winwinの関係」になり、メキシコの犯罪組織が政治家や警察組織を支配しています。

メキシコのペニャニエト大統領は、2012年以来の就任以来、改革案を矢継ぎ早に打ち出し、外国人投資家などから経済政策を評価されていましたが、イグアラ市学生集団失踪事件発生で、各国や国際機関から「腐敗した地元警察を管理する能力が欠けている」と酷評されています。

今回の事件の現場となったゲレロ州は、メキシコで最も暴力事件が多く、最も貧しい州の一つで、麻薬取引で栄えてきました。政治と麻薬組織の汚職など、メキシコの負の側面が国際的に注目されることになりました。

アヨツィナパとは

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アヨツィナパをはじめ、メキシコの左翼の学生や教師らは「アナーキスト的な振る舞いをする」ことで有名です。ゲレロ州内をバスで移動していると、学生たちが乗り込み「州都での集会に参加するための募金をお願いします」と募金箱を持って回って来るのは普通のことだそうです。

窓の外を見ると、覆面で顔を覆った学生がバスのガソリンタンクのふたを開け、ゴムホースを差し込みガソリンをいただき、バスの運転手が駆け寄り「そのくらいにしてくれ」と言うのがルールになっているようです。乗っ取ったバスのガソリンが足りなくなると、別の路線バスからいただき続けるのです。

乗客に被害は及びませんが、バス会社にとってはいい迷惑です。車内では「ああいうことをするから、あんな目にあうのよ」「貧しい学生だと言うけど、ブランド物やスマホを持ってるよ」などの話し声が聞こえます。メキシコは今も貧富の格差が大きいが、左翼学生らの振る舞いは時代にそぐわなくなりつつあるようです。

アヨツィナパ教員養成大学

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メキシコのゲレロ州イグアラ市から、州都のチルパンシンゴ(Chilpancingo)市までバスで約1時間半。そこからさらに、バスで約30分のティクストラ(Tixtla)市という大きな街のすぐ手前に『アヨツィナパ教員養成大学』があります。

1学年は50人ほどの学生で、学生に年齢制限はないそうです。学校には畑や牧場があり、家畜も飼育されており、学生たちによる作業で寮生活の足しにされます。

約500人の男子学生が生活していますが、ベッドが1つある医務室には看護師もいません。医務室の棚には、使用期限切れの同じ医薬品だけが乱雑に積まれています。

男子のみの全寮制学校

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アヨツィナパ教員養成大学は『アヨツィナパルーラルティーチャーズカレッジ(Ayotzinapa Rural Teachers 'College)』で、男子学生のみの全寮制学校です。

貧しい辺鄙な農村部の小学校教員を養成する高等教育機関なので、学生たちここで農作業も習います。

1920年代、メキシコのゲレロ州により「野心的な大衆教育計画の一部」として実施作成された、地方の教師の学校システムの一部です。

ほとんどが貧しい農家の出身

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アヨツィナパ教員養成大学は、ゲレロ州とメキシコ全土を支配する教育基準により規制されており、名前だけは大学という初等教育システムで働きたい学生にライセンスを提供しています。

ゲレロ州の公教育事務局が行った調査では、アヨツィナパ教員養成大学には、メキシコで最も教育レベルが低いの低い地域に住んでいる貧しい農村部出身の若者たちの男性学生が約500人ほどおり、6人のテクニカルサポートワーカーが勤務しているとされました。

助成金がないためトラックなどを強奪することもある

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