2019年10月23日 更新

東大阪集団暴行殺人事件とは?犯人の小林竜司への判決は重過ぎる?

東大阪集団殺人事件をみなさんご存じでしょうか。若者のリンチにより残虐な殺し方で2人の若い命を落としました。その犯人は、9名に上り、うち1人は暴力団組員です。そんな事件の主犯格の小林竜司とは一体どういう人物だったのか、事件の全貌を検証していきたいと思います。

目次

小林竜司の裁判での態度は、裁判官が、驚くほど礼儀正しく、真面目に答え、残虐な犯行を犯した犯人とは、程遠い印象となりました。

仲間の裁判でも積極的に証言した

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小林竜司は、仲間の裁判では、積極的に事件の内容を話しました。

普通であれば、自分の裁判で不利になってしまうからと口をつぐむ人が多いにも関わらず、大切な仲間のために自分を犠牲にしてでも守るという姿勢が感じられました。

一審で死刑判決を受けるが上告する

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2007年1月23日の初公判で、小林被告は被害者から財布を奪ったことについて強盗目的ではなかったと否認しましたが、殺人や監禁などについては、起訴事実を全面的に認めています。

弁護側は「藤本翔士殺害を持ちかけたのは広畑被告で、小林被告が明確に殺意を抱いたのは、パワーシャベルの鍵を見つけた時」と主張しています。

3月27日の論告求刑で、検察側は小林被告が事件を主導したとし、「人間の所業とは思えない。更生の可能性は乏しく、年齢は若いが極刑で臨むほかない」と主張しています。

同日、最終弁論で弁護側は「責任は重いが、反省を深めており更生は期待できる」として死刑回避を求めました。

小林竜司は、その残虐非道性から求刑通り1審で死刑判決を受けます。

判決理由で、裁判長は「犯行を主導し、集団で暴行を加えた上、生き埋めという冷酷かつ残虐な方法で2人の前途ある若者の命を奪った。まれに見る凶悪な犯行で、被害者を物のように扱い、生きたまま土中に埋めたのは、人として絶対に許されない行為。人間として優しさが欠如していると言われても仕方ない」と断罪します。

小林被告は公判で、殺人罪については認め、「金品を強取するつもりはなかった」と強盗罪のみ否認していましたが、裁判長は強盗罪の成立も認定した上で、「一方的に激しい暴行を加えるなど粗暴性が如実だ」などと小林被告を指弾しました。

被告側は量刑不当を理由に控訴しています。

その後死刑が確定する

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2011年2月25日の最高裁弁論で、被告側の弁護人は、「幼児期に両親から受けた虐待などの影響があり、現在は心から反省している。若く、厚生も期待できる」などと主張し、重刑を求めます。検察側は上告棄却を求めてます。

裁判長は、「暴力を肯定する発想から共犯者のトラブルに介入して安易に殺害に及び、動機や経緯に酌量すべき点はない。2人に執拗な暴行を加えて、生き埋めにした犯行態様も残虐非道。率先して実行し、果たした役割は大きく、結果も重大だ」と小林被告の犯行を指摘しています。

「責任は誠に重く、死刑はやむを得ない」と述べ、最高裁でも上告は棄却され、死刑が確定してしまいました。

情状酌量の余地があったのではと今でも議論になることが多い

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小林竜司が、事件に関わったのは、友人である佐藤勇樹に助けを求められたためです。

さらにその友人の身を守るために殺害までしたと言われています。

そして、裁判での姿勢も、自分に不利になるような回答でもしっかり答えていたため、友人のために死刑になったという意見もあります。

小林被告には、十分、情状酌量の余地はあったと思われます。

東大阪集団暴行殺人事件の裁判・判決【広畑智規】

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では、2番目に思い実刑となった広畑智規の裁判での判決内容について、解説していきたいと思います。

広畑智規は無期懲役

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7月30日の公判で、検察側は、「報復計画を発案、第2現場を出発する時点で被害者の藤本翔士を殺害意思を持った、岩上哲也の殺害の共謀、小林隆二に責任を負わせるための口裏合わせ、藤本翔士の処分を指示、佐藤、徳満に暴行をするよう指示、たばこの吸い殻を拾い証拠隠滅を図る、虚偽の供述をしており、反省の情がない」ということで、無期懲役を求刑しています。

弁護側は「広畑は暴行を加えていないし、指示もしていない。この事件は、岡田の立案指示により小林によって行われたものであり、広畑は立案していない」ということで、相当程度の有期刑を求めました。

10月2日に裁判長は、「なぶり殺しともいえる無慈悲極まりない犯行で、これ以上残忍な殺し方はない。広畑被告は犯行を指示するなど役割は極めて大きい」と述べ、広畑智規には、無期懲役が言い渡しました。

藤本、岩上に対して、直接暴行に加担してはいないものの、報復計画を立案した責任は重いとしての判決でした。

主犯格と判断されこの事件では二番目に重い罪となった

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暴行を直接行ったわけでもないものの、主体となって犯行の計画を立てたことから主犯格とみなされました。

彼としては、そこまで深く考えての発言じゃなかったかもしれませんね。

しかし、結果的に2人の命を奪うことになってしまった責任は重大なものです。

小林竜司に罪を背負わせるために口裏わせをしていたことも発覚

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事件後の広畑智規の態度にしても、仲間に対して自分のことは話さないように口裏合わせをしています。

これでは、小林竜司とは違い往生際の悪さが窺えます。

暴行に加担していなかったものの、広畑智規なりの罪を免れるための行為だったのかもしれませんが、実行しなかったからといって罪を逃れることはできないと思います。

東大阪集団暴行殺人事件の裁判・判決【その他の人物】

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では、小林竜司や広畑智規以外の4名の判決はどうだったのでしょうか。

詳しく解説していきたいと思います。

徳満優多は懲役11年

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