2019年8月27日 更新

悪女と呼ばれた比嘉和子のアナタハンの女王事件とは?事件後の様子も

アナタハンの女王事件とは、日本から離れた孤島で究極状態に置かれた大量の日本人男性同士が起こしあった殺人事件です。その中に女性が一人いたことで、この悲劇が起こってしまいました。そして、帰還後にこの女性だけが日本中で注目され人生がガラッと変わってしまいました。

目次

原住民たちは米軍に連れて行かれ、いつの間にか島には和子たちしかいなくなっていました。空襲がなくなると、果物の栽培も始め、海で魚を獲って食べ始めるなど食糧事情は徐々に改善され始めました。

椰子の実から白ワインに似た味の『椰子酒』も作り始め、宴会をする余裕も出てきました。

和子と菊一郎は、正式な夫ではなく寂しさを紛らわせるために一緒にいただけであったため、軍人たちは和子の体を取り合う争いを始めたために、乗組員の年長者が和子と菊一郎に皆の前で結婚式をすることを勧めました。

B29の残骸を発見と拳銃

Air Plane Fighter Night Sky - Free photo on Pixabay (582620)

1946年の夏、乗組員たちは島に墜落した米軍のB29の残骸を発見しました。そこには、大量の缶詰と鍋の代用になるタンクと、パラシュートが6つも見つかりました。和子は、この生地を使ってワンピースからスカートまで作り、男性たちにも服を作ってあげました。

皆が原始人から一応文明人の格好になった時、ある者は機体からナイフを作り、西尾と柳沼という2人の男は、墜落現場から壊れたピストル4丁と実弾70発を見つけました。解体して修理すると2丁のピストルが出来上がりました。

この時、島で初めて2人の男が一丁ずつ銃という武器を手に入れたのです。

西尾・柳沼に脅されながらの生活

Bank Water Boat Rowing - Free photo on Pixabay (582623)

人を簡単に殺せる銃を持ち、実弾を35発づつ手に入れた西尾と柳沼は、島の中で自分勝手に振る舞うことを許され始める結果になりました。和子は、男たちが和子の体を奪い合うための争いを避けるために、菊一郎と結婚しましたが、銃を持つ男たちに口答えできる男は一人もいませんでした。

その頃、和子は嫉妬深く乱暴な菊一郎から逃れ、若い水夫と山中に駆け落ちしていましたが、あっさりと捕まり連れ戻されていました。菊一郎とよりを戻した和子を、西尾はピストルで和子を脅迫し、西尾と柳沼に抱かれ始め、和子を諦めきれない菊一郎にも抱かれていました。

木から落ちて男性が死亡

Forest Mist Nature - Free photo on Pixabay (582626)

ある日突然、一人の男が木から落ちて死んでしまいました。目撃者は、墜落した米軍のB29の残骸を発見し、島で初めて武器を手に入れた西尾と柳沼の二人の男だけでした。

しかもこの2人は、木から落ちた男と日頃から仲が悪かったことから「西尾と柳沼に殺されたのではないか?」「西尾と柳沼に逆らえば殺されてしまうのではないか?」と男たちの間に疑心暗鬼が起こりました。

銃は、この小さい島で力の象徴です。銃で脅かされれば、頷かずになどいられないことをみんな知っていました。この事件は、和子たちに銃の恐ろしさを知らされる事件になりました。

和子を巡って喧嘩が発生

Fight Controversial Conflict - Free image on Pixabay (582630)

男たちは「誰が和子の体で性欲を処理できるか」=「誰がこの島のボスになれるか」という思考回路になっていき、和子を巡る小競り合いや殺し合いが収まることはありませんでした。

大勢の男の中で女ひとりという環境下に置かれていた和子は、毎日ちやほやともてはやされ、自分を取り合う男たちを見て、まるで女王にでもなったような居心地の良さを感じており、毎日自分を巡り勝ち残ったものとの一晩をともにするという生活を送るようになっていました。

柳沼が死亡

Candle Light Candlelight - Free photo on Pixabay (582631)

1947年の秋のある日、銃を持った西尾と柳沼が「今晩どちらが和子の家で過ごすか」で言い争いをしていました。そして、ピストルを持っていた西尾は、露骨に和子への執着を見せ始めていた西尾が柳沼を射殺しました。

「和子を譲らなければ殺される」と身の危険を感じた農園監督は、西尾に和子を譲りました。

しかし今度は、西尾が夜釣りの最中に海に落ちて死んでしまいました。西尾は泳ぎが達者だったので、あきらかに不審死でした。菊一郎は西尾を銃で撃ち殺害し、口裏を合わせた和子と元のさやに戻ることになりました。

銃を持っている男優位という流れ

Beretta Pistol Gun - Free vector graphic on Pixabay (582637)

日本の乗組が乗った船がアナタハン島に逃げてくることにより、米軍から襲撃されることになってしまい、穏やかで平和な小さなアナタハン島には何もなくなってしまいました。

しかし、墜落した米軍機から2丁の使える銃と実弾が見つけ出されることにより、何もないアナタハン島の実質の権力者は「銃を持つもの」になることとなりました。和子の奪い合いは、性欲を満たせる最善の方法であり、いつの時代も男たちは権力者になりたがるものでした。

柳沼が西尾に殺され、和子も西尾に取られましたが、銃を手に入れた菊一郎が西尾を銃殺し、和子も取り戻しました。

菊一郎を射殺され和子と吉里が夫婦に

Digital Art Artwork Together - Free image on Pixabay (582641)

西尾が死んでから、半年ほど島に穏やかな日常に戻りますが、今度は菊一郎が不審死を遂げました。犯人は元コックの吉里でした。吉里は、柳沼が死んだ後に柳沼のピストルをいつも持ち歩いていました。

吉里は菊一郎にまたがり、ピストルを発射し殺害した後、和子に「ワンピースを脱げ」と言い和子はそれに従いました。そして、菊一郎の遺体を埋葬すると、そのまま吉里と夫婦になりました。

しかし、吉里もまた2年後に何者かにより殺害されてしまいました。

平和に向けての3つの提案

Man Destruction Double Exposure - Free image on Pixabay (582640)

吉里が何者かによって殺害された後も、崖から転落したり、食中毒などで男たちは死にますが、いずれの死も事故によるものなのか殺人によりものなのかわかりませんでした。

銃の保持者=和子とセックスできるという方程式が完全にできあがっており、島の男は23人になっていました。

このままでは果てしなく殺し合いが続くと危惧した長老が、和子の正式な結婚を提案しました。和子は、かつて駆け落ちした水夫を選び結婚式を行います。殺し合いの原因となるピストルを海に捨てたことで、島にはまた平和な日々が戻ってくると誰もが信じ期待していました。

5年後には男性の数が19人

Sailboat Sea Thailand Phang - Free photo on Pixabay (582778)

和子が水夫と結婚し、ピストルを海に捨てたことで、ようやく島に平和な日々が訪れるはずでしたが、男たちの和子を巡る争いは収まらず、5年後には島にいる男性の数は19人になっていました。

食中毒で死ぬもの、大波にさらわれる者、崖から転落した者、突然いなくなった者など多くのものが死んでいきました。全ては、和子を欲しがる男の欲望による理由からの事件でした。

銃がなくなったからといって、和子の争奪戦が止むことがなくなるというわけではなかったのです。

比嘉和子処刑案

Sparkler Holding Hands - Free photo on Pixabay (582642)

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