2019年8月27日 更新

悪女と呼ばれた比嘉和子のアナタハンの女王事件とは?事件後の様子も

アナタハンの女王事件とは、日本から離れた孤島で究極状態に置かれた大量の日本人男性同士が起こしあった殺人事件です。その中に女性が一人いたことで、この悲劇が起こってしまいました。そして、帰還後にこの女性だけが日本中で注目され人生がガラッと変わってしまいました。

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旧ドイツ帝国から南洋の島々の統治を受任した日本は、東洋拓殖とその子会社から資本金の約70%を出資され、日本と台湾で製糖業に携わる『松江春次』が技術者と共に招致され、1922年、西村拓殖を買収して南洋興発を立ち上げ、南洋殖産のサイパン島、テニアン島における権利と事業が継承されまた。

最新のドイツ製製糖機が導入され、50km近い鉄道路が敷設され、南洋殖産、西村拓殖の元従業員1,000人と、約2,000人の沖縄県の無産農民が移民従業員として雇用され、サイパン島、テニアン島のジャングルは開拓され工場・農場に変わりました。

1931年にオランダ領ニューギニア島、1937年にセレベス島(スラウェシ島)とティモール島、1935年、ミクロネシアの主要な島々に施設を建設し、1942年には製糖業、酒精・酒造、鉱業、水産業、農園、運輸交通、油脂工業、貿易業を展開し、20数社の傍系企業を有していました。

アナタハンの女王事件が題材となった映画

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いつの時代も、世間はセックス絡みの事件に興味を惹かれないことはありません。それも、一人の女性対何十人もの男性により繰り広げられた生と性の凄絶な物語である『アナタハンの女王事件』は、日本だけでなく海外からも興味を惹かれるほどでした。

今までに前例になるような事件がなかったことにより『アナタハンの女王事件』が題材となった映画はたくさんで回り始めました。まさに「アナタハンバブル」と言っても過言ではなかったでしょう。

アナタハン島の眞相はこれだ!!

Film Photo Slides - Free image on Pixabay (582685)

1953年、吉田とし子監督により、驚くことに『比嘉和子』自身が本人役を演じるという53分のキワモノ映画でした。当時マスコミから『毒婦』と呼ばれた事件の当事者比嘉和子が、真相を伝えるという自己弁護のために自ら出演した映画で、和子は男たちの獣欲の犠牲者として描かれています。

彼女が犠牲者だったのは間違いではないが、和子の気を惹くために男たちが食い物を届けたりするのを、いい気になって煽っていたのも事実だろうと思われました。

蔓ブラに腰ミノという土人スタイルでムチムチな肉体を披露し、ためらいなく地面を掘りミミズ食べてみせるという、日本屈指のカルト映画になりました。

アナタハン

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太平洋戦争末期、日本が統治したアナタハン島で唯一の女性『比嘉和子』を巡り、和子の夫の上司と31人の漂流日本軍人たちが命がけで和子争奪戦を起こし、1951年に生存者が帰国し全貌が明らかにされ、マスコミがスキャンダラスに喧伝し、1953年『アナタハン島の眞相はこれだ』というB級カルト映画が作られました。

アメリカの新聞でこの経緯を知ったジョセフ・フォン・スタンバーグが、訪米中の川喜多長政に映画化の申し入れを行い「アナタハンの女王事件」が映画化され『アナタハン』制作がスタートしました。

『アナタハン島の眞相はこれだ』では、和子を巡る男たちの殺し合いが誇張して描かれましたが、スタンバーグは実話通りのストーリーに寄せ、女王蜂と呼ばれた和子と男たちとのラブストーリーに重点を置き、極限状態に置かれた人間の生態を昆虫になぞらえ、登場人物は仮名があてられました。

東京島

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直木賞作家である『桐野夏生』のベストセラー小説を原作に、2010年、無人島に漂着した23人の男と唯一の女性で40代の主婦が織り成すサバイバル生活を描いた人間ドラマの映画です。

木村多江演じる『清子』と、鶴見辰吾演じる夫が漂着した無人島に、23人の若い男たちが次々に流れ着き、いつまで待っても助けの船は来ないまま、いつしか彼らはこの島を『東京島』と呼ぶようになりました。

清子はただ一人の女性として特別扱いを受けてしたたかに生き抜いていきますが、島に安住しようとする男たちにいら立ち、脱出のために行動を開始します。

グラマ島の誘惑

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1959年、飯沢匡の戯曲「ヤシと女」を川島雄三が脚色監督した異色喜劇です。出演は森繁久彌、フランキー堺、三橋達也、宮城まり子・八千草薫・淡路恵子らです。

敗戦後昭和20年、香椎宮家の兄海軍大佐為久、弟陸軍大尉為永、御付武官の中佐兵藤惣五郎は、南洋の島から内地への帰途中で乗船を撃沈されます。報道班員で詩人の香坂よし子、報道班員で画家の坪井すみ子、島の興発会社員の妻上山とみ子、慰安婦たちも共に南洋の孤島グラマ島に漂着しました。

全く孤立した生活、無能力な宮様、武官等三人の男性は、女達をつかって自給自足の日日を始めますが、食糧がなくなり空気は険悪になリ始めます。米軍の上陸により、現地人と結ばれた日本人女性を残して、それぞれが脱出できましたが、帰国後、アメリカが島に原子爆弾を打ちこんだことを知りました。

女王と呼ばれた女

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2017年3月23日、東京・新宿村LIVEで、1940年代に実際に起こった「アナタハン事件」がモチーフとし、鳥居みゆきの主演舞台『女王と呼ばれた女』が開幕されました。

太平洋戦争末期の南洋諸島にある無人島に、鳥居みゆき演じる『和子』、6人の民間人、5人の軍人が漂着したことから舞台は始まります。一同は、この島に住む土人夫婦と共に自給自足生活をしながら日本軍の来援を待ちますが、拳銃を入手したことをきっかけに和子を巡る争いが勃発します。

和子は、生き延びるために演じ、欺き、次々と男たちを虜にする魔性の女王を演じました。

アナタハンの女王事件が題材となった書籍

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アナタハンの女王事件が題材となり世間を賑わせたものは、何も映画だけではありません。書籍でも「アナタハンバブル」は起こりました。

映画では、和子が女優になり主演で出演し、和子目線でアナタハンの女王事件が語られましたが、書籍では、アナタハン島に命がけでたどり着いた日本の男性たちによる男性目線で、アナタハンの女王事件が語られることになり、和子側からの見方と男性側からの見方を知ることができるようになりました。

アナタハンの告白

Lips Red Woman - Free photo on Pixabay (582695)

『アナタハン事件』を取り扱った映画が注目される中、事件の当事者である漁船『岳助丸』に乗っていた2名の男性が書き上げたノンフィクション書籍として世間の注目を集めました。当時の現場にいたという事もあり、事件の詳細を細かく知る事が出来ます。

同じ事件でも、見る人や方向が違うと目線が変わります。アナタハン事件で『毒婦』と呼ばれ、自己弁護のために実際に和子が主演で出演した映画『アナタハン島の眞相はこれだ!!』では和子の目線から事件が語られていますが、この本では男性目線で語られています。

絶海密室

Beach Foam Motion - Free photo on Pixabay (582696)

愛知県出身。明治大学法学部卒業後、出版社へ入社し、雑誌記者を経て、1971年金剛出版から『0への回帰』でノンフィクション作家デビューを果たした『大野 芳(おおの かおる)』により書き上げられました。

太平洋戦争末期、南海の孤島アナタハンに取り残された33人は、大日本帝国の不敗を信じて7年と18日間も米軍への投降を拒み続けました。当初は軍人の指揮のもとに結束していた男たちも、自給自足の生活を強いられ、互いに離反していきました。

唯一の女性が、32人の男性たちを夜もおちおち眠れぬような愛憎の疑心暗鬼にさせます。闇の中で誤解と深読みがぶつかり合い、死体がひとつづつ増えていく32対1の凄絶サバイバルの物語です。島の住民の内面は語られますが、最後は兵長の伊丹の視点で物語が進行し、和子の内面が語られる事はありません。

戦後未解決事件史

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