目次
- アンダーマイニング効果とは?
- アンダーマイニング効果の具体例
- 子どもへのお小遣い
- 仕事の特別ボーナス
- 趣味が仕事に変わる時
- 人の意欲
- 外発的動機づけ
- 内発的動機づけ
- アンダーマイニング効果の実験
- ソマパズルの実験
- 幼稚園児のお絵描き
- アンダーマイニング効果が起こる理由
- 自己原因性の損失
- 自己決定感や有能感の低下
- 行為が「目的」から「手段」になる
- アンダーマイニング効果は若いほど影響されやすい
- アンダーマイニング効果は恋愛に影響する?
- 恋愛には起こりにくい
- おごりやプレゼントはほどほどに
- アンダーマイニング効果を回避する方法
- 子どもに勉強をさせる場合
- 仕事のやる気を引き出す場合
- 自分のモチベーションを上げる場合
- アンダーマイニング効果の応用
- 老人と子どもたちの逸話
- 子どもにゲームをやめさせたい
- アンダーマイニング効果の逆の効果
- エンハンシング効果
- ピグマリオン効果
- 頑張った時のご褒美はほどほどに!
アンダーマイニング効果とは?
via pixabay.com
アンダーマイニング効果とは「undermining=弱体化」という語源からきています。難しい言葉で言うと、「内発的動機づけによって行われた行為に対し、報酬を与えるという外発的動機づけが行われることで、動機づけが低減してしまう現象のこと」を指します。
簡単な事例で例えますと、好きでしていた事に対して、誰かが褒美を与えると、その褒美なしではやらなくなってしまう現象です。初めは自分の達成感などでやっていたことが、褒美をもらうことが目的になり、褒美に依存してしまい、褒美がないとやらなくなってしまうのです。
これをもし勉強に当てはめてみると、自発的にやる行為を周囲が奪っているということになります。これは非常に恐ろしいことです。今回は、この現象について、詳しく説明していきます。お子様がいる場合や、教育、自らの学習に役立てるために、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
また、日常でアンダーマイニング効果が起こりやすいシチュエーションなどを簡単に紹介してください。
簡単な事例で例えますと、好きでしていた事に対して、誰かが褒美を与えると、その褒美なしではやらなくなってしまう現象です。初めは自分の達成感などでやっていたことが、褒美をもらうことが目的になり、褒美に依存してしまい、褒美がないとやらなくなってしまうのです。
これをもし勉強に当てはめてみると、自発的にやる行為を周囲が奪っているということになります。これは非常に恐ろしいことです。今回は、この現象について、詳しく説明していきます。お子様がいる場合や、教育、自らの学習に役立てるために、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
また、日常でアンダーマイニング効果が起こりやすいシチュエーションなどを簡単に紹介してください。
アンダーマイニング効果の具体例
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ここでは、アンダーマイニング効果がどのようなものなのかについて、具体的な例を挙げて、詳しく解説していきます。みなさんも経験がある内容があるはずですので、振り返りながらご拝読ください。
子どもへのお小遣い
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勉強自体が好きで、新しい本を読んだり、未知の内容を知る事自体が喜びで、水族館に行ったり、新しい経験をして、生きた知識を身につけることや、知識を増やすこと自体に達成感や喜びを感じるような、知識欲の高い子供や、興味があることにはとことん突き詰めたり、失敗を恐れない人もいます。
このような人達は、お金をもらわなくても充分幸せで、学べる事が嬉しいと感じているので、お金よりも百科事典や、経験をさせてあげることが大切なのですが、テストの点数が良かったらお小遣いがもらえるなど、お金を褒美にしてしまうと、やがて褒美をもらうことが目的となってしまうことがあります。
そのお金で好きなものを買っても良いとしても、おそらくそういう子たちは、そのお金では買えないレベルのものを欲している事が多く、勉強道具を買い与えるような褒美の方が、やる気を削がずに済むことがあります。褒美のあげ方も注意が必要なのです。
このような人達は、お金をもらわなくても充分幸せで、学べる事が嬉しいと感じているので、お金よりも百科事典や、経験をさせてあげることが大切なのですが、テストの点数が良かったらお小遣いがもらえるなど、お金を褒美にしてしまうと、やがて褒美をもらうことが目的となってしまうことがあります。
そのお金で好きなものを買っても良いとしても、おそらくそういう子たちは、そのお金では買えないレベルのものを欲している事が多く、勉強道具を買い与えるような褒美の方が、やる気を削がずに済むことがあります。褒美のあげ方も注意が必要なのです。
仕事の特別ボーナス
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仕事において、成果をあげることは、給料アップや昇進、ボーナスアップにつながり、やる気やモチベーションにつながると言われています。実際にそれを目的に頑張っている人もいるでしょう。しかし、その仕事自体を楽しんでいる人には敵いません。
そして、楽しんで仕事をすることで、成長をしている人に対して、ボーナスや昇進という褒美を与えてあげたいというのも雇う側の心理として存在します。もちろん、中にはボーナスが上がらないとやる気を失う人もいます。しかし、ボーナスだけでは、いずれ、自分の頑張りとボーナスの額を比較するようになります。
そして、見合うだけのボーナスアップが見受けられないと、一気にやる気を失ってしまうのです。今まで楽しんでやっていたはずが、いつのまにかボーナス額が自分の頑張りであると評価されていると思うようになるため、諸刃の剣ともいえるのです。
そして、楽しんで仕事をすることで、成長をしている人に対して、ボーナスや昇進という褒美を与えてあげたいというのも雇う側の心理として存在します。もちろん、中にはボーナスが上がらないとやる気を失う人もいます。しかし、ボーナスだけでは、いずれ、自分の頑張りとボーナスの額を比較するようになります。
そして、見合うだけのボーナスアップが見受けられないと、一気にやる気を失ってしまうのです。今まで楽しんでやっていたはずが、いつのまにかボーナス額が自分の頑張りであると評価されていると思うようになるため、諸刃の剣ともいえるのです。
趣味が仕事に変わる時
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趣味を極めてプロや職人も顔負けのレベルになる人がいます。よく世間では、好きな事を仕事にできている人は幸せでうらやましいという声があります。しかし、趣味を仕事にすると、決してうまくいくとは限らないのです。サッカーが趣味だった人が、プロ選手になった途端、いろいろと悩みを抱えることもあります。
それは、仕事になることで、嫌なこともやらないといけなくなったり、外部から売り上げや報奨金などとして、お金で実力が評価されるということが要因の一つでもあるのです。そうなると、純粋に楽しめなくなり、いつのまにかお金の為に働いていたということにすり替わってしまうのです。
一度そうなってしまうと、なかなか思考を切り替えることは困難なので、中には嫌になってしまう人もいます。これまで楽しかったことが、見るだけでも嫌になってしまうといった事もあります。中にはそれでも幸せな人はいますが、これに関しても諸刃の剣だと言えるのです。
それは、仕事になることで、嫌なこともやらないといけなくなったり、外部から売り上げや報奨金などとして、お金で実力が評価されるということが要因の一つでもあるのです。そうなると、純粋に楽しめなくなり、いつのまにかお金の為に働いていたということにすり替わってしまうのです。
一度そうなってしまうと、なかなか思考を切り替えることは困難なので、中には嫌になってしまう人もいます。これまで楽しかったことが、見るだけでも嫌になってしまうといった事もあります。中にはそれでも幸せな人はいますが、これに関しても諸刃の剣だと言えるのです。
人の意欲
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※人の意欲を引き出す元となる、外発的動機と内発的動機について詳しく解説してください。
外発的動機づけ
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外発的動機づけ(モチベーション)とは、「何かを頑張ることによって、物質的な報酬や評価を得ようとする意欲」を意味します。例えば、お金や名誉や、他者からの評価(承認欲求)など、周囲(外部)からの報酬によって生じるモチベーションのことです。
馬の目の前に人参をぶら下げるような状態になることもあれば、全国優勝を目指し、表彰されることを目標に頑張るといった効果があります。つまり、一時的には効果を発揮するのです。しかし、それが達成されたり、達成が困難だと分かると、挫折したり、一気にモチベーションが下がってしまうデメリットがあるのです。
馬の目の前に人参をぶら下げるような状態になることもあれば、全国優勝を目指し、表彰されることを目標に頑張るといった効果があります。つまり、一時的には効果を発揮するのです。しかし、それが達成されたり、達成が困難だと分かると、挫折したり、一気にモチベーションが下がってしまうデメリットがあるのです。
内発的動機づけ
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内発的動機付け(モチベーション)とは、達成感や楽しみ、喜びや使命感といった自分の内側(内発的)から生じる報酬で発生するモチベーションを意味します。内発的動機づけ(モチベーション)は、仕事や遊び、趣味や勉強など、内容自体に楽しさや面白さ、充実感を感じて自発的に頑張ろうとする意欲を指します。
一般的には、こちらの動機づけの方が、外発的動機付けに比べて、持続的に集中力を高く保つことができ、良い結果を出しやすいとされています。楽しんで取り組んでいる人は、努力とも感じていないので、平気で1日中夢中になったりします。
自ら疑問をもち、調べて解決するなど、やらされている人に比べて能動的です。受け身の人と比べると、その成果の差は圧倒的なものがあります。
一般的には、こちらの動機づけの方が、外発的動機付けに比べて、持続的に集中力を高く保つことができ、良い結果を出しやすいとされています。楽しんで取り組んでいる人は、努力とも感じていないので、平気で1日中夢中になったりします。
自ら疑問をもち、調べて解決するなど、やらされている人に比べて能動的です。受け身の人と比べると、その成果の差は圧倒的なものがあります。
アンダーマイニング効果の実験
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ここでは、実際に行われた科学的なアンダーマイニング効果の実験をそれぞれ紹介いたします。そこで起きる心理の変化や実験結果を解説いたします。
ソマパズルの実験
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ソマパズルは、7種のブロックを組み合わせることで、飛行機などの形を作るゲームの一種です。デシは、このゲームを用いて実験を行いました。対象は学生です。まず、学生を二つのグループに分けます。グループAには、パズルが一つ解けるにつき報酬1ドルを与えます。グループBには報酬は一切与えません。
実験の結果、グループAはグループBよりパズルを解くスピードが速くなりました。金銭的な動機で生産性が向上したのです。そのあと、参加者に対し「自由時間の間は、この部屋で何をしてもいい」と伝えます。ここからが重要で、着目したのは、参加者のこの自由時間内の行動です。
結果、グループBは、ソマパズルを解くことに時間を使う人が多く見受けられたのです。つまり、グループAは、パズルは金銭を得る道具へと変化してしまいました。一方、グループBは、ソマパズルを解くこと自体に興味を持ち、自発的に休憩時間でも解くように動機づけがされたのです。
実験の結果、グループAはグループBよりパズルを解くスピードが速くなりました。金銭的な動機で生産性が向上したのです。そのあと、参加者に対し「自由時間の間は、この部屋で何をしてもいい」と伝えます。ここからが重要で、着目したのは、参加者のこの自由時間内の行動です。
結果、グループBは、ソマパズルを解くことに時間を使う人が多く見受けられたのです。つまり、グループAは、パズルは金銭を得る道具へと変化してしまいました。一方、グループBは、ソマパズルを解くこと自体に興味を持ち、自発的に休憩時間でも解くように動機づけがされたのです。
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