2019年6月2日 更新

アイルトンセナの衝撃の事故とその後!ヘルメットがオークションに?

伝説的なF1レーサーとして名を馳せ、レース中の衝突事故で非業の死を遂げたアイルトン・セナ。あの悲劇から20年以上経った今でも、遺品のヘルメットがオークションに出展されるなど、セナの世界的人気は今もなお衰えません。ここではセナの生涯や事故原因を解説していきます。

目次

City Lights Skyline - Free image on Pixabay (335581)

緊急手術によって一命を取り留めたビアンキですが、その後も予断を許さぬ状態が続きました。母国フランスのニース大学付属病院に転院してもなお、ビアンキは意識の戻らない昏睡状態が続いたのです。

そして9ヵ月後。ビアンキの親族が2015年7月13日にSNSで「現在楽観できない状況になりつつある」と発信。4日後の2015年7月17日夜、ビアンキは意識が戻らないままニース大病院にて死去しました(享年25)。

ビアンキの死は多くの人に惜しまれるだけでなく、バーチャル・セーフティカー(VSC)システム、頭部保護デバイスの導入が検討されるなど、F1の更なる安全性向上が図られるきっかけにもなりました。

急性硬膜下出血とは

Question Mark - Free image on Pixabay (335584)

硬膜下血腫は脳内出血の一種で、脳の内部(脳と硬膜下の間)に血液が溜まった状態を指します。脳が圧迫されることで意識障害など様々な弊害を引き起こし、頭部外傷の中でも重症に分類されます。

急性硬膜下血腫の原因は大きく2種に分かれ、脳挫傷が原因で硬膜下へ出血するもの。脳と硬膜を繋ぐ静脈の断裂によって生じるものとに分類されます。

血腫を除去することで治る見込みはあるものの、脳挫傷やクモ膜下出血を併発している状態では予後不良(術後の経過がよくないこと)が多いと言われています。

レーサー以外が死亡した事故

Formula 1 Ferrari Monza - Free photo on Pixabay (335614)

レース事故の犠牲者はレーサーだけに留まりません。車体の破片が飛び散ったことで9人もの観客が負傷したイモラの悲劇を始め、レースの事故は外の人間まで巻き込む危険をはらんでいるのです。

生前のアイルトン・セナが安全性の向上を訴えたのも、レーサー以外の観客や他の関係者を、極力事故に巻き込まないようにするためでした。

ここではレーサー以外の人間が事故に巻き込まれ、死亡した代表的なレースを紹介していきます。

観客10人を巻き込んだ事故

Spectators Crowd Stadium Sports - Free photo on Pixabay (335662)

1953年アルゼンチングランプリのレース中。3位を走行していたジュゼッペ(ニーノ)・ファリーナのコース上に、8歳の少年が突然飛び出してきます。

これを避けようとしたファリーナですが、間に合わず少年は即死。マシンは草地へコースアウトし、フェンスを突き破って観客席に飛び込んでしまいます。

ドライバーのファリーナは大事に至らなかったものの、この事故で少年を含む観客10名(13名説もあり)が死亡。サーキット場に定員数以上の観客が訪れたこと、観客席がコースの間近にあったことが事故の原因と言われています。

観客が死亡した事故

Singapore Flyers Night - Free photo on Pixabay (335616)

1975年スペイングランプリでは、26周目で首位に入ったロルフ・シュトメレン車のリヤウイングが脱落。マシンはコントロールを失って観客席に衝突し、観客4名が死亡、11名が重軽傷を負う大事故になりました。

事故の原因は、カーボン製のリヤウイング・ステーに整備不足の問題があったためと考えられています。レースは29周目で打ち切られ、その時点で首位だったヨッヘン・マスが優勝しました。

ロルフ・シュトメレンは重傷を負ったものの、翌年レースに復帰。1978年にF1界を退くも、その後はスポーツカーレーサーとして活躍しました。

立ち入り禁止区域にいた観客が死亡

Ferrari Fernando Alonso Formula 1 - Free photo on Pixabay (335619)

1977年日本グランプリの6周目、ジル・ヴィルヌーブとロニー・ピーターソンのマシンが衝突。ヴィルヌーブの車は宙を舞って逆さまに墜落し、側転しながらエスケープゾーンの奥に突入します。

ヴィルヌーブは奇跡的に無傷で脱出しますが、彼の車が立ち入り禁止区域にいた観客と接触。観客1名、警備員1名が死亡、7名が重軽傷を負う惨事となりました。

ここで起こった事故は、日本の自動車レース界で初めての出来事になり、朝日新聞でも取り上げられました。

コースマーシャルが死亡

Flag Racing Grand Prix - Free photo on Pixabay (335625)

2000年イタリアグランプリのレース1周目。ルーベンス・バリチェロ、マクラーレン・メルセデスら7台ものマシンを巻き込む事故が発生。コースマーシャル(係員)の1人が犠牲になるという痛ましい事態になりました。

この事故を機に、F1レースの安全性向上はコース外にも一層の配慮がされることになりました。

余談ですが、このレースを制したミハエル・シューマッハは、勝ち星が故セナと並んだことを記者に指摘されると、インタビューに答えられず泣き崩れたと言われています。

撤去作業中のクレーン車に巻き込まれて死亡

Building The Lift Construction - Free photo on Pixabay (335620)

2013年カナダグランプリのレース終盤。コースアウトしたエステバン・グティエレス(ザウバー所属)のマシンを撤去するため、クレーン車が出動。この時、コースマーシャルの一人がクレーン車に惹かれて死亡しました。

コースマーシャルもマシンの撤去作業を手伝う一人だったのですが、途中で落とした無線機を拾おうとして、クレーン車が気づかなかったのが事故の原因と言われています。

マーシャルはサーキットの医療センターで救急処置を受けたものの、間に合わず息を引き取りました。

有名なレーシングドライバー

Racing Wheel Flaming Flame - Free vector graphic on Pixabay (335831)

アイルトン・セナが牽引したF1ブームは、セナ一人の活躍に留まるものではありませんでした。プロストやシューマッハを始めとするライバルたちとの熱い死闘こそ、F1ファンを熱狂させて止まない最大の魅力だったのです。

セナ亡き後、急速に衰退したと言われるF1ブーム。しかしセナ世代のレーサーが一線を退いてからも、F1界には彼らに勝るとも劣らない新鋭のレーサーが続々誕生し始めています。

ここでは2000年代から活躍し始めた新世代のレーサー、セナと熱い死闘を繰り広げたライバルたち、セナ世代以前の有名なレーサーについて紹介していきます。

ルイス・ハミルトン

F1 Car Mclaren - Free photo on Pixabay (335628)

ルイス・カール・デビッドソン・ハミルトンはイギリス出身のレーサーで、F1界初の黒人ドライバー(正確にはイギリス人との混血)です。愛用の黄色いヘルメットは、亡きセナへのリスペクトと言われています。

2007年にマクラーレンでF1デビューし、翌年には史上最年少でF1ワールドチャンピオンの座を獲得。ローレウス世界スポーツ賞の年間最優秀成長選手賞を受賞しました。

2013年以降はメルセデスに所属。ワールドチャンピオンに輝いたのは2008年、2014年、2015年、2017年、2018年の通算5回で、2019年までの優勝回数は73回、ポールポジション回数は82回に及ぶと言われています。

ニコ・ロズベルグ

5 / 7

関連する記事 こんな記事も人気です♪

日本や世界の不思議な事件まとめ!中には未解決の事件も?

日本や世界の不思議な事件まとめ!中には未解決の事件も?

日本や世界では不思議な事件が多く起きています。未解決の事件もたくさんあり、発生理由がわからなかったり行方不明のまま見つからなかったりするものもあります。どのような事件が起きているのか日本編と世界編に分けて詳しくご紹介していきます。
光市母子殺害事件の詳細と判決!大月孝行の壮絶な生い立ちと現在は?

光市母子殺害事件の詳細と判決!大月孝行の壮絶な生い立ちと現在は?

1999年に発生した光市母子殺害事件の犯人は大月孝行(旧姓・福田)という男性でした。犯人の男は18歳という若さで主婦・乳幼児を殺害したのです。今回は光市母子殺害事件について詳細を紹介すると共に、死刑に至るまでの経緯、そして大月孝行の生い立ちを紹介して参ります。
ホモフォビアの意味と原因とは?同性愛の歴史と日本で起きた事件

ホモフォビアの意味と原因とは?同性愛の歴史と日本で起きた事件

性について寛容と言われる日本でも多く存在する『ホモフォビア』という思想をご存じでしょうか。同性愛などの性的思考と関係が深いその言葉が生まれた歴史的背景や、原因について、また世界での捉え方も同時に触れて、性的志向への議論に関しても考えて行きます。
アメリカの有名ギャング「アル・カポネ」の生涯!逮捕された理由とその後も

アメリカの有名ギャング「アル・カポネ」の生涯!逮捕された理由とその後も

アル・カポネは、20世紀のアメリカを代表するギャングです。アメリカで禁酒法が施行された時代に犯罪組織の近代化に成功し、絶大な権力を誇りました。その影響は現在まで続いています。今回は、アメリカ史上最も有名なギャング、アル・カポネの生涯に迫ります。
底なし沼は日本にも実在する?沼の仕組みや脱出法と死亡事故も

底なし沼は日本にも実在する?沼の仕組みや脱出法と死亡事故も

底なし沼は国外だけのものではなく、日本にも実在しています。ここでは、底なし沼の深さや仕組みについて解説、脱出方法・救助方法や悲しい死亡事故、また、底なし沼がある場所の特徴や底なし沼がでてくる映画や童話なども紹介していきます。

この記事のキーワード