2019年6月17日 更新

アメリカ最大の殺人犯ゲイリー・リッジウェイの犯行と生い立ちや現在

1982年〜2001年にかけて分かっているだけでも49人の女性の命を奪ったゲイリー・リッジウェル。シアトルに位置するグリーン川に死体が遺棄されることが多かった為グリーン・リバー・キラーと呼ばれ世界中を震撼させました。そんな凶悪連続殺人事件の詳細を紹介します。

目次

普段は真面目な男

Tree Solitary Landscape - Free photo on Pixabay (340873)

同僚によると、リッジウェイは友好的だけど、少し変わっていたと言います。職場で聖書を音読することからも少し風変わりな人であることが分かりますが、基本的には真面目な普通の男性という印象を持たれていました。

しかしリッジウェイのことをもっとよく知る2番目の妻は、セックスの時に喉を絞められた、売春婦との3人での性行為を求められた、などと証言しています。

ところが逆に3番目の妻はリッジウェイのことを「完璧で、いつも私を笑顔にしてくれた夫だった」と表現しています。また残業や、朝早くから仕事があると言って外出することがあったことも証言しています。

異常な性欲

Sleep Bed Sheets - Free photo on Pixabay (340919)

3人の元妻達、また以前の元彼女達は、リッジウェイの性欲は異常に強かったと言っています。リッジウェイの性欲は限りが無く、日に何回もセックスをしたがったと言われています。また、時間に限らず場所も公共の場でセックスすることを好み、中には後に遺体遺棄現場と発覚した場所付近でのセックスを求められた女性もいました。

そんな中でも最もリッジウェイの異常な性欲を物語っているのは、遺体遺棄現場で遺体を掘り起こし屍姦していたというエピソードです。リッジウェイは、自分は死体に欲情するネクロフォリアではなかったが、死体との性行為は新しく誰かを殺害したいという欲望を消し、自身が逮捕される危険性を減らすものだったと話しています。

遺棄現場を度々訪れる

Dead Trees Dry Deserted - Free photo on Pixabay (340927)

リッジウェイはテッド・バンディのプロファイリングの通り、頻繁に遺体遺棄現場を訪れていました。そこで女性と性行為に及ぶこともあれば、ただぼんやりと殺害した状況を妄想していたと言います。

また遺体を複数まとめて遺棄することが多かったリッジウェイは、そんな遺棄現場をクラスター(集団)と呼んでいました。遺体にポーズをとらせるなどしていたリッジウェイにとってそれら遺体はコレクションで、自分のコレクションを確かめたいという欲望もあったと推測されています。

ゲイリー・リッジウェイの息子

Boy Fishing Water - Free photo on Pixabay (340937)

2番目の妻との間に生まれた一人息子のマシューのことをリッジウェイは溺愛していました。マシューは離婚後元妻に引き取られましたが、リッジウェイとは定期的に面会していました。マシューにとってリッジウェイは大人しくて優しい父親だったようです。

猟奇的連続殺人鬼と優しい父親像があまりにもかけ離れていることから、マシューは未だにリッジウェイがグリーン・リバー・キラーであることに対する実感が持てていないと言われています。

マシューとゲイリーの思い出

Silhouette Father And Son Sundown - Free photo on Pixabay (340944)

マシューは父親リッジウェイのことを「一度も怒ったことがない、穏やかな父親だった」と回想しています。小学生の頃マシューがスポーツに夢中だった時も、いつも側にいてくれて、キャンプにもよく連れて行く優しい父親だったのです。

マシューが小学校4年生の頃に警察がリッジウェイをグリーン・リバー・キラーの容疑者として自宅を訪れた時も、父親は500人以上いる容疑者の1人に過ぎず、父親が連続殺人犯であるわけがないと100パーセント信じていたと、2001年にマシュー本人が語っています。

息子のすぐ近くで犯行に及んだことも

Birds Flock Wings - Free photo on Pixabay (340961)

息子から見たリッジウェイは学校行事にも積極的な心優しい父親でしたが、実際は息子を犯行に利用していたことも分かっています。

リッジウェイはまず、女性と出会う際にマシューの写真を見せたり、時にはマシューの部屋を見せることで女性を安心させました。また性行為に及んだ後息子の写真を見せ、女性を安心させている間に後ろから絞殺したことも自供しています。

他にも1982年に息子と一緒にキャンプに行った際、知り合った女性を自分たちの車に乗せ、近くの森で殺害・遺棄しています。女性の行方を聞いたマシューに、彼女は1人で歩いて帰ったと伝えていたことも後に明らかになっています。

ゲイリー・リッジウェイの判決

Judge Hammer Auction - Free photo on Pixabay (340967)

前代未聞の凶悪連続殺人事件の終焉に、世界中の注目が集まりました。事件発覚から19年の歳月の後に逮捕されたゲイリー・リッジウェイには、いったいどんな判決が下されたのでしょうか。

また、裁判中にリッジウェイと検察の間で行われた司法取引と、それによるリッジウェイが受けた減刑、カナダでの殺人についても紹介します。

司法取引で死刑にはならず

Chainlink Fence Metal - Free photo on Pixabay (340966)

結論から言うとリッジウェイに下された判決は、仮釈放なしの48回分の終身刑でした。また、司法取引により死刑求刑はされませんでした。こんなにも沢山の女性の命を奪っておいて、リッジウェイが死刑にならないことに世間はざわつきました。

そもそも死刑が認められているワシントン州では、もっと少ない人数の殺害犯でも死刑になっている人はたくさんいたのです。にも関わらず、大量殺人を犯したリッジウェイに下された判決は軽く見えます。しかし、リッジウェイのDNAが初期の被害者4人としか一致しておらず、48人の殺害を認めさせるに検察は司法取引をするしかなかったのです。

また、48人以外にも未だに遺体を発見できていない被害者がたくさんいることも事実で、リッジウェイにそれら被害者の場所などを自供させる必要があったため、司法取引は不可避でした。

司法取引とは?

Business Signature Contract - Free photo on Pixabay (340981)

司法取引とは、裁判で被告人と検察が取引をすることです。その取引によって、刑の減刑、もしくは罪状の取り消しを被告人が受ける代わりに、被告人は罪を認める、捜査に協力する、または共犯者を法廷で告発するのいずれかを行う必要があります。

司法取引によって検察が求めた求刑を、裁判所が必ず従わなければならないという法的強制力はありません。しかし実際は、司法取引によって出された結論は尊重されやすい傾向があります。

司法取引は、被告人による罪状認否制度が導入されているアメリカやイギリスで一般的に行われており、刑事事件のほとんどで司法取引が行われています。日本では2018年6月に導入されました。

カナダの殺人については死刑もありえる?

Hammer Court Justice - Free photo on Pixabay (340998)

リッジウェイは未だ見つからない遺体の場所の告白や、自分の罪を認めることで司法取引をし、結果アメリカでは死刑判決を免れました。しかしリッジウェイは国をまたいだ隣国カナダのバンクーバーやブリティッシュ・コロンビアでも女性を殺害したとされています。

カナダでは司法取引制度がないため、リッジウェイがカナダで死刑になる可能性があるのかといえば、それもあり得ません。なぜならカナダでは1976年に死刑制度が廃止されたからです。つまりアメリカでの司法取引によって死刑を免れたリッジウェイに死刑求刑がなされることは、二度とないのです。

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