2019年6月17日 更新

アメリカ最大の殺人犯ゲイリー・リッジウェイの犯行と生い立ちや現在

1982年〜2001年にかけて分かっているだけでも49人の女性の命を奪ったゲイリー・リッジウェル。シアトルに位置するグリーン川に死体が遺棄されることが多かった為グリーン・リバー・キラーと呼ばれ世界中を震撼させました。そんな凶悪連続殺人事件の詳細を紹介します。

目次

逃げ切った女性の証言

Birds Flock Swarm - Free photo on Pixabay (340743)

そんな中、新たな証言者が現れます。21歳のレベッカ・ガーデーは街で知り合った男性に森に連れて行かれ、人気のない森で男に首を絞められましたが、必死の抵抗の甲斐あってなんとか逃げ切りました。

彼女は容疑者リストの写真の中から、自分の首を締めた男がリッジウェイであると判断し、その後リッジウェイはグリーン・リバー・キラーの容疑者として警察から事情聴取されることに。

しかし警察の捜査も虚しく決定的な証拠は見つからず、またしてもリッジウェイは捜査の網をくぐり抜けてしまいます。この時すでに最初の事件発覚から5年の月日が経過していました。

容疑者ウィリアム・J・スティーブンス

Discovery Offender Crime - Free photo on Pixabay (340750)

グリーン川周辺の住人のみならず、アメリカ全土が一向に犯人逮捕に至らない警察への不満を募らせます。警察は犯人を逮捕しようと必死でした。

そんな時、ある男が有力な容疑者として浮上します。ウィリアム・J・スティーブンスです。警察は1988年にウィリアムを重要容疑者としてマークし、家宅捜索やウィリアムの父親の家まで捜索しましたが、証拠は見つかりませんでした。

また、遺体が頻繁に発見されていた1982年当時、ウィリアムは夏の間の数ヶ月アメリカ国内旅行していたことが判明します。そのことはウィリアムが犯人でない決定的な証拠となり、警察の捜査は振り出しに戻ります。

1987年にゲイリーを逮捕するも釈放

Chairs Metal Event Rows Of - Free photo on Pixabay (340759)

また、ウィリアムが有力容疑者として浮上する一年前の1987年、警察でDNA鑑定が導入されました。被害者3人に残っていた犯人の体液を、リッジウェイ含む当時の容疑者3人のDNAサンプルと比較するも、合致には至りませんでした。当時のDNA鑑定は現代ほど精密ではなかったのです。

またリッジウェイはグリーン・リバー・キラーの容疑者として警察にマークされたのとは別に、1982年と2001年に、どちらも売春婦に対する暴行容疑で逮捕されています。

2人の犯罪者が殺人を告白?!

Prison Cell Jail - Free photo on Pixabay (340765)

迷宮入りしてしまったグリーン・リバー・キラー殺人事件。前代未聞の未解決凶悪連続殺人事件としてあまりにも有名になってしまったため、次第にこの事件に関わろうとする無関係の人間が出てくるようになります。サンフランシスコ刑務所に収監されていた2人の犯罪者が、自分たちがグリーン・リバー・キラーであると告白したのです。

世間はその告白に大きな衝撃を受け、マスコミは大規模なインタビューを行いましたが、この告白は2人の悪ふざけであることが判明。人々の期待も虚しく、犯人発覚には至りませんでした。

再びDNA鑑定

Dna Genetic Material Helix - Free image on Pixabay (340768)

最初の遺体発見から19年後の2001年。科学の進歩により、ごく少量のDNAを大量に複製することができるようになりました。このDNA技術の進歩こそが、事件解決への大きな鍵となりました。

1983年4月の目撃証言の時に採取されていたリッジウェイの唾液のDNAサンプルと、初期の被害者マルシア・チャップマン、シンシア・ハインズ、オパール・ミルズ、キャロル・クリステンセンの4人に残されていた犯人のDNAが一致したのです。

DNAが一致し逮捕に至る

Handcuffs Trouble Police - Free photo on Pixabay (340777)

2001年11月30日、リッジウェイが塗装工として働いていたケンウォースのトラック工場に警察が到着、ついにグリーン・リバー・キラーは逮捕されました。事件発覚から19年後、容疑は最初の被害者4人の殺人でした。

その後法医学者によって、他3名に付着していた塗料が、3人が殺害されたのと同じ時期にリッジウェイが務めていたトラック工場で使われていたものとブランドと組織が合致するとして、新たに3人の殺害容疑で再逮捕されました。

テッド・バンディの捜査協力

Mental Health Brain Thinking Tree - Free image on Pixabay (340783)

事件解決が長引き、グリーン・リバー・キラーという未曾有の凶悪殺人犯が社会的に有名になるに従い、多くの人が事件に関わろうとしてきました。その中で最も有名なのが、テッド・バンディの捜査協力です。

頭脳明晰、容姿端麗な連続殺人鬼で当時死刑囚として服役していたテッド・バンディ。そもそも彼はいったいどんな事件を起こした人物だったのでしょうか。グリーン・リバー・キラーとの関わり、また、捜査協力を申し出た真意とを合わせて説明します。

テッド・バンディとは?

Sunset Tree Silhouette - Free photo on Pixabay (340801)

テッド・バンディは、グリーン・リバー・キラー事件が起こる約10年前の1974年に起きた、連続女性殺人事件の犯人です。アメリカ、ワシントン州のワシントン大学に通う女子学生を殺害したのを皮切りに、その後5ヶ月の間に若い女性を8人殺害したとされています。

被害者は全員長い髪をセンター分けにした白人女性でした。テッド・バンディはワシントン大学で法律と心理学を学んだ、IQが130以上という頭脳明晰な男でした。容姿も端麗で清潔感もあることから、周囲からも好評な人物であったと言われています。

過去に自分を振った恋人が、髪の長いセンター分けの白人女性だったことから、自分を振った恋人と似た容姿の女性を憎むようになり、殺害に至ったとされています。初めて女性を殺害した時、自己満足に近い高揚感を得たと後に供述しており、その高揚感を得るために計36人もの女性を殺害し、死刑を求刑されました。

テッド・バンディからの手紙

Writing Write Fountain Pen - Free photo on Pixabay (340810)

テッド・バンディはあらゆる捜査をくぐり抜けたり、逮捕後も脱獄、逃走するなどして世間を驚かせましたが、最終的にはスピード違反をきっかけに逮捕・拘留されました。

そんなテッド・バンディは、「同じシリアルキラーの気持ちはよく分かる。動機や行動も自分はよく理解している」とし、警察に捜査協力を申し出ます。自らをシリアルキラーの心理専門家と称し、警察と知識や見解を共有しようとしたのです。

テッド・バンディ自身死体愛好癖を持った社会的病質者でした。何度も遺体遺棄現場に戻り、時に死体を掘り起こし屍姦していたリッジウェイとは確かに同じ倒錯者であったと言えます。

テッド・バンディが挙げた犯人の特徴

Retro Vintage Old - Free photo on Pixabay (340821)

そんなテッド・バンディが挙げたグリーン・リバー・キラーの特徴とは、次のようなものでした。

「年齢は30代・普段は大人しく真面目な性格の男・用心深く女性を選ぶ」そんな人物像を挙げました。また、「犯人は遺体の状態を確かめに必ず遺体遺棄現場に戻ってくる・新しい遺体が発見されたらそこに張り込んだ方が良い・犯人から逃げ切った女性もいるはず」という考察も述べました。

テッド・バンディはグリーン・リバー・キラーを「リバーマン」と名付け、テッドが捜査協力を申し出た時に知識を共有することになった刑事は、後にこのニックネームを題名にした本を執筆しました。

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