目次
- グリーンリバーキラーのゲイリー・リッジウェイ
- 事件概要
- 最初の遺体発見
- 2人目の遺体発見
- 3〜4人目の遺体発見
- グリーン川水面でも遺体発見
- シアトル・タコマ国際空港近くの遺体
- 犯行は1990年近くまで続く
- グリーン川殺人事件プロジェクトチーム設立
- カナダでの犯行
- 手掛かりはなく捜査本部はほぼ解散
- アメリカ最大の未解決事件に
- 2001年に再捜査
- ゲイリー・リッジウェイの被害者の特徴
- 売春婦や家出少女
- 犯行の特徴
- ゲイリー・リッジウェイ逮捕までの経緯
- 当初の警察のプロファイル
- 1983年の目撃証言
- 逃げ切った女性の証言
- 容疑者ウィリアム・J・スティーブンス
- 1987年にゲイリーを逮捕するも釈放
- 2人の犯罪者が殺人を告白?!
- 再びDNA鑑定
- DNAが一致し逮捕に至る
- テッド・バンディの捜査協力
- テッド・バンディとは?
- テッド・バンディからの手紙
- テッド・バンディが挙げた犯人の特徴
- それに対する警察の対応
- 死刑執行を引き延ばすのが目的?
- ゲイリー・リッジウェイの生い立ち
- ゲイリー・リッジウェイの幼少期
- 父親と母親
- 16歳で事件を起こす
- 高校卒業後に米国海軍に入隊
- 3度の結婚
- ゲイリー・リッジウェイの私生活
- トラックの塗装工
- 普段は真面目な男
- 異常な性欲
- 遺棄現場を度々訪れる
- ゲイリー・リッジウェイの息子
- マシューとゲイリーの思い出
- 息子のすぐ近くで犯行に及んだことも
- ゲイリー・リッジウェイの判決
- 司法取引で死刑にはならず
- 司法取引とは?
- カナダの殺人については死刑もありえる?
- ゲイリー・リッジウェイの現在
- ゲイリー・リッジウェイの被害者数
- 現在判明している犠牲者数
- 予想される犠牲者数
- 映画「グリーン・リバー・キラー」
- マイケル・シーン監督のデビュー作
- 捜査官トム・ジェンセンの視点で描かれる
- ゲイリー・リッジウェイを超える殺人鬼出現
- 30年で90人殺した
- 犠牲者は貧しい女性
- サミュエル・リトルについて
- アメリカ史上最悪のシリアルキラー
リッジウェイはアメリカだけでなく、隣国カナダでも殺人を何度も犯しました。バンクーバー、ブリティッシュ・コロンビアでも売春婦を殺害し、ちょうど良い川がなかったためハイウェイに遺体をばら撒いたとされています。
リッジウェイが住んでいたシアトルのあるワシントン州は、北はカナダのブリティッシュ・コロンビア、南はオレゴン州と隣接しているため、カナダが隣国であると言っても距離は遠くないのです。シアトルからバンクーバーもバスで3時間で行かれる距離なので、シアトルにいるのと同じような感覚で殺人を犯していたと思われます。
リッジウェイが住んでいたシアトルのあるワシントン州は、北はカナダのブリティッシュ・コロンビア、南はオレゴン州と隣接しているため、カナダが隣国であると言っても距離は遠くないのです。シアトルからバンクーバーもバスで3時間で行かれる距離なので、シアトルにいるのと同じような感覚で殺人を犯していたと思われます。
手掛かりはなく捜査本部はほぼ解散
via pixabay.com
最初の遺体発見から9年間の間に、分かっているだけでも48人の犠牲者が出たグリーン・リバー・キラーによる連続殺人事件。捜査に1500万ドルを超える費用が費やされたのにも関わらず、依然として犯人逮捕には至りませんでした。
また、事件があまりにも有名になりすぎたため、嘘の自供をする者なども出てきて、捜査は混乱しました。発足から7年後の1991年、グリーン川殺人事件プロジェクトチームにはトム・ジェンセンという1人の捜査官しか残っておらず、ついにチームは解散することになります。
また、事件があまりにも有名になりすぎたため、嘘の自供をする者なども出てきて、捜査は混乱しました。発足から7年後の1991年、グリーン川殺人事件プロジェクトチームにはトム・ジェンセンという1人の捜査官しか残っておらず、ついにチームは解散することになります。
アメリカ最大の未解決事件に
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リッジウェイは捜査を撹乱するために、グリーン川周辺に遺棄した何人かの被害者の遺品を、オレゴン州に持って行きました。そのことが実際どのくらい捜査を混乱させたかは不明ですが、実際に捜査は難航し、犯人逮捕には至らないまま何年もの月日が経過しました。
あらゆる捜査で事件解決を目指すも、容疑者に近づいたかと思えば振り出しに戻るの繰り返しに終わります。事件は次第にアメリカ史上最大の未解決連続殺人事件ゾディアックと並び、迷宮入りしていきます。
あらゆる捜査で事件解決を目指すも、容疑者に近づいたかと思えば振り出しに戻るの繰り返しに終わります。事件は次第にアメリカ史上最大の未解決連続殺人事件ゾディアックと並び、迷宮入りしていきます。
2001年に再捜査
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迷宮入りしたかと思われたグリーン・リバー連続殺人事件に転機が訪れたのは2001年4月のことでした。キングカウンティの保安官であったリチャート捜査官を中心に、もう一度プロジェクトチームが組まれたのでした。
リチャート捜査官は最新の科学捜査方法を導入し、チームにはDNAなど科学のエキスパートが召集されます。このことがきっかけでグリーン・リバー・キラーこと、ゲイリー・リッジウェイはその年の11月に逮捕されることになります。
リチャート捜査官は最新の科学捜査方法を導入し、チームにはDNAなど科学のエキスパートが召集されます。このことがきっかけでグリーン・リバー・キラーこと、ゲイリー・リッジウェイはその年の11月に逮捕されることになります。
ゲイリー・リッジウェイの被害者の特徴
via pixabay.com
女性ばかりを大勢殺害したゲイリー・リッジウェイ。被害者となった女性達にはどんな特徴や共通点があったのでしょうか。また、主な遺体遺棄現場がグリーン川とその周辺であったことが有名ですが、リッジウェイの犯行には特徴と呼べるものはあったのでしょうか。
売春婦や家出少女
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ここまで見てきたことからも分かる通り、リッジウェイは主に売春婦、もしくはまだ幼いと言ってもいいほどの年齢の家出少女をターゲットとしていました。
このような女性のなかには薬物中毒である人も多く、また失踪しても心配する人がいない、失踪自体に気づく人がいないといった希薄な人間関係しか持たない人が多かったのです。そのため遺体発見が遅れたり、もしくは遺体の捜索さえ未だにされていない被害者がいるのです。
このことは発見された遺体数、リッジウェイが自供した犠牲者数、また推定犠牲者数が異なることの大きな理由の一つです。
このような女性のなかには薬物中毒である人も多く、また失踪しても心配する人がいない、失踪自体に気づく人がいないといった希薄な人間関係しか持たない人が多かったのです。そのため遺体発見が遅れたり、もしくは遺体の捜索さえ未だにされていない被害者がいるのです。
このことは発見された遺体数、リッジウェイが自供した犠牲者数、また推定犠牲者数が異なることの大きな理由の一つです。
犯行の特徴
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リッジウェイは娼婦と遊ぶことを好み、娼婦が集まる歓楽街へは頻繁に足を運んでいました。ターゲットとなる女性を見つけ、その後リッジウェイの自宅、トラック、もしくは遺体遺棄現場でレイプした後絞殺、遺棄するというのが主な手口でした。
リッジウェイは絞殺する際最初は素手で犯行に及んでいましたが、被害者の抵抗により腕などにアザや傷ができてしまったため、ロープを使うようになります。遺体はクラスター(集団)で残されることが多く、基本は裸で、中にはポーズをとっているものもありました。
リッジウェイは絞殺する際最初は素手で犯行に及んでいましたが、被害者の抵抗により腕などにアザや傷ができてしまったため、ロープを使うようになります。遺体はクラスター(集団)で残されることが多く、基本は裸で、中にはポーズをとっているものもありました。
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しかし中には遺体がバラバラで見つかったものもあり、本当にリッジウェイが1人で犯行に及んだのか、複数犯なのではないかという疑惑につながりました。しかしリッジウェイが複数で犯行に及んだという事実は、逮捕されて20年近く経過している現在でも明らかになっていません。
ゲイリー・リッジウェイ逮捕までの経緯
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最初の遺体発見から逮捕までに20年という年月がかかってしまったこの最悪な連続殺人事件。その間もリッジウェイは近所に住み、何度も遺体遺棄現場に戻っています。このことから、もっと早い解決が出来たのではないかと思われます。
果たして事件解決にこんなに時間がかかってしまった理由は何だったのでしょうか。ゲイリー・リッジウェイ逮捕に至る詳しい経緯を説明します。
果たして事件解決にこんなに時間がかかってしまった理由は何だったのでしょうか。ゲイリー・リッジウェイ逮捕に至る詳しい経緯を説明します。
当初の警察のプロファイル
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1982年から1984年にかけてが、リッジウェイによる殺人の一番のピークでした。そしてその当時FBIが発表したプロファイルは、あまりにも曖昧なものであったとされています。
FBIのプロファイルによると犯人は「おそらく崩壊した家庭で育った・母親のことを憎んでいる・年齢は20歳から40歳くらいの白人男性・酒やタバコを好む・性犯罪の前科がある可能性が高い」というものでした。
このプロファイリングは、結果的にゲイリー・リッジウェイとかけ離れた人物像ではありませんでした。しかし当時のアメリカで上記のようなプロファイルに該当する白人男性は実にたくさんいて、その中から犯人をはっきり割り出せるほど明確なものでなかったことは確かでした。実際このプロファイルは犯人逮捕につながりませんでした。
FBIのプロファイルによると犯人は「おそらく崩壊した家庭で育った・母親のことを憎んでいる・年齢は20歳から40歳くらいの白人男性・酒やタバコを好む・性犯罪の前科がある可能性が高い」というものでした。
このプロファイリングは、結果的にゲイリー・リッジウェイとかけ離れた人物像ではありませんでした。しかし当時のアメリカで上記のようなプロファイルに該当する白人男性は実にたくさんいて、その中から犯人をはっきり割り出せるほど明確なものでなかったことは確かでした。実際このプロファイルは犯人逮捕につながりませんでした。
1983年の目撃証言
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1982年7月の最初の遺体発見から9ヶ月後。1983年4月30日に目撃者が現れました。リッジウェイが18歳のマリー・マルヴァーという少女に声をかけるところを目撃した人が現れたのです。そしてマリー・マルヴァーはその後姿を消していました。
目撃者の証言から警察はリッジウェイの車を割り出しました。しかし目撃者が運転席に座っていた人を黒人男性と見誤っていたため、リッジウェイは捜査線上から外されます。
このことで、リッジウェイは以前より用心深くなります。人目につかないところで次のターゲットを狙うようになり、歓楽街でもお金をチラつかせることで、ターゲットを自分の場所まで呼び寄せるようになったのです。この結果、最初の事件から1年半が経過しても依然として逮捕されないまま、犠牲者は増え続けました。
目撃者の証言から警察はリッジウェイの車を割り出しました。しかし目撃者が運転席に座っていた人を黒人男性と見誤っていたため、リッジウェイは捜査線上から外されます。
このことで、リッジウェイは以前より用心深くなります。人目につかないところで次のターゲットを狙うようになり、歓楽街でもお金をチラつかせることで、ターゲットを自分の場所まで呼び寄せるようになったのです。この結果、最初の事件から1年半が経過しても依然として逮捕されないまま、犠牲者は増え続けました。
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