2019年6月17日 更新

アメリカ最大の殺人犯ゲイリー・リッジウェイの犯行と生い立ちや現在

1982年〜2001年にかけて分かっているだけでも49人の女性の命を奪ったゲイリー・リッジウェル。シアトルに位置するグリーン川に死体が遺棄されることが多かった為グリーン・リバー・キラーと呼ばれ世界中を震撼させました。そんな凶悪連続殺人事件の詳細を紹介します。

目次

グリーンリバーキラーのゲイリー・リッジウェイ

River Danube Reflection - Free photo on Pixabay (340623)

1982年から1984年に46人、1990年に1人、そして1998年に1人と、分かっているだけでも49人を殺害したゲイリー・リッジウェイが起こした連続殺人事件。

死体が遺棄された主な場所が、アメリカのシアトルにあるタコマ地区に位置するグリーン川、もしくはその周辺の森林であったことから犯人はグリーン・リバー・キラーと呼ばれました。そしてグリーン・リバー・キラーが起こした連続殺人事件は、アメリカのみならず世界中の人々を震撼させました。

しかしこの連続殺人鬼は、いくつもの死体が発見されたことや、何度も容疑者として警察にマークされたのにも関わらず2001年まで逮捕されることはありませんでした。実に20年近くかかった逮捕に至るまでの経緯とはどんなものであったのでしょうか。

事件概要

Splatter Blood Drops - Free vector graphic on Pixabay (340630)

1982年に遺体が発見されたのを皮切りに、遺棄された死体がグリーン川の周辺の森林地帯で次々と発見されました。殺害方法、被害者の類似も重なり、ゲイリー・リッジウェルによる初期の殺人が、連続殺人事件と判断されるのに時間はかかりませんでした。

マスコミにグリーン・リバー・キラーと名付けられた連続殺人鬼の正体は、グリーン川近くに住む平凡で無害と思われていた男、ゲイリー・リッジウェルでした。

警察による熱心な捜査にも関わらず、この49人という途轍もない人数の命を奪った連続殺人鬼、グリーン・リバー・キラーはその後20年近く野放しとなります。2001年に、ようやく逮捕されましたが、その犠牲者の数は49人をはるかに上回る90人とも推測されています。このアメリカ史上最大とも言われる連続殺人事件を詳しく紹介します。

最初の遺体発見

Forest Woods Misty - Free photo on Pixabay (340640)

最初の遺体は、1982年7月15日に自転車でグリーン川近辺を走行していた少年によって発見されました。遺体は裸体で、グリーン川中央に沈んでいる木にジーンズで引っ掛けられていました。

警察の捜査により、被害者は16歳の家出少女ウェンディ・ウィルコックスであることが判明。またレイプされた後に絞殺されており、死後一週間が経過していました。

逮捕後のゲイリー・リッジウェイの供述により、2人は歓楽街で出会ったことが分かりました。意気投合した2人はゲイリーの家へ向かいますが、もっとウェンディと一緒にいたかったゲイリーを被害者が拒否したことでゲイリーが逆上し、殺害に至ります。また、ゲイリーは被害者に拒否されたときのことを「女に見下されていると感じた」と後に供述しています。

2人目の遺体発見

Hand Silhouette Shape - Free photo on Pixabay (340650)

2人目の遺体は1人目の遺体発見から1ヶ月も経たない、1982年8月12日に発見されました。遺体はまたしても全裸で、グリー川の砂地に遺棄されているのを通りかかった精肉会社勤務の人が発見し、警察に通報されました。

被害者は23歳のデボラ・リン・ボナーという白人の売春婦で、殺害方法は絞殺とでした。1人目の遺体とは殺害方法と死体遺棄場所が同じでしたが、この時点ではまだ、警察はこれらの事件を連続殺人事件とは判断していませんでした。

3〜4人目の遺体発見

Great Dismal Swamp Landscape - Free photo on Pixabay (340658)

2人目の遺体発見からわずか3日後の1982年8月15日に、3人目と4人目の遺体が同時に発見されます。二つの遺体はグリーン川の川底で発見されましたが、20キロ近くもある大きな岩で押さえつけられる形で固定されていました。

被害者は31歳の黒人女性マルシア・フェイ・チャップマンと17歳の黒人女性シンシア・ジーン・ヒンズで、2人とも売春婦でした。マルシアの遺体には、犯人のものとみられる噛み跡が残っており、これはのちにゲイリー・リッジウェルが逮捕される際の大きな証拠となりました。

また、この頃からメディアは正体不明の連続殺人鬼をグリーン・リバー・キラーと呼ぶようになります。周辺に住む人はもちろん、全米各地の人々がその存在に怯え、この悪名高き連続殺人鬼の名は知れ渡るようになります。

グリーン川水面でも遺体発見

Morning Light Dawn - Free photo on Pixabay (340668)

また、グリーン川水面でも遺体は発見されました。被害者は16歳の黒人売春婦であるポール・シャメール・ミルズ。1982年8月12日のことでした。凶器は不明なものの、死因は絞殺による窒息死でした。

以上に出てきた被害者の他にも、最初の遺体発見からわずか2ヶ月の間に少なくとも7人を殺害したとされています。その後も1人での犯行とは信じられないほどの数の殺人が発覚しますが、遺体遺棄場所のほとんどは、ワシントン州シアトルはキング郡のグリーン川付近でした。

シアトル・タコマ国際空港近くの遺体

Aircraft Landing Airport - Free photo on Pixabay (340675)

遺体発見場所がグリーン川でなかった為、別事件かと思われていたシアトル・タコマ国際空港付近で発見された遺体も、グリーン・リバー・キラーによるものであることが発覚しました。

シアトル・タコマ国際空港周辺の人気の無い木や草が生い茂った場所で、19歳の売春婦ジゼル・ロボンの遺体は発見されました。絞殺された全裸遺体であったことから、一連の殺人事件と同じ犯人によるものと判断されました。

このように、グリーン・リバー・キラーはグリーン川のみならず、タコマ国際空港をはじめポートランドやオレゴンにも遺体を遺棄したことが分かっています。

犯行は1990年近くまで続く

Ship Traffic Jams Rope Dew - Free photo on Pixabay (340680)

凄まじいスピードで殺人を重ねた1982年から1984年の勢いは無くなったものの、リッジウェイは殺人を続けます。

一般的に人を殺した人は遺体を遺棄する際、見つからなように隠したり埋めたりするのが普通です。しかしグリーン・リバー・キラーであるゲイリー・リッジウェイはそれをせず、ただ放置することもありました。それはリッジウェイが遺体をコレクションのように感じ、また遺体の状態になって初めて女性を支配できた気分を味わえたからだとされています。

遺体発見場所はグリーン川周辺に集中し、リッジウェイは頻繁にコレクションを確かめに遺体遺棄現場に戻っていました。遺体遺棄現場に戻るという安易な行動を取っていたのにも関わらず捕まることはなく、リッジウェイの殺人は1990年以降も続くのでした。

グリーン川殺人事件プロジェクトチーム設立

Hands Pistol Crime Scene - Free image on Pixabay (340685)

1983年1月、全く進展しない捜査を改善するために「グリーン川殺人事件プロジェクトチーム」が設立されました。このチームには、1970年代に世間を騒がせた連続殺人鬼テッド・バンディを担当したロバート・D・ケッペルが加わり、捜査のさらなる進展を目指しました。

その結果、1983年末にグリーン川から距離の離れた森の中で、5つの白骨死体を発見します。その被害者全員が売春婦でした。また、5つの白骨死体のうち唯一1体だけ埋葬されており、検査の結果遺体は生前妊娠8ヶ月であることが発覚しました。

グリーン・リバー・キラーという名前によって、マスコミのみならず警察もグリーン川ばかりに注目しすぎたことで、他の場所での遺体発見が遅れてしまうという事態が起こっていました。

カナダでの犯行

Canada Flag Canadian - Free vector graphic on Pixabay (340692)

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