2021年5月14日 更新

コスモリサーチ事件とは?事件の判決や死刑制度についても

まるで令和に引きずっていたくないように、とつぜん異例の年末に死刑執行がなされた2人の死刑囚がいました。死刑囚が犯した事件の名前は『コスモリサーチ社殺人事件』です。暴力団らが、ある日突然他人を拉致し金を奪い、首を絞めて殺害しコンクリート詰めにしたのです。

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コスモリサーチ事件の主犯『河村啓三』の死刑執行は、犯行から30年以上も経ってからのことで、死刑確定からも14年も経過していました。

この意味不明な長い裁判の間に、河村啓三は執筆活動を行っていたというのです。しかも、まるで他人事のような、子供の本のような名前の本でした。

被害者や事件を知った者からしてみれば「1ミリの同情もできないほど身勝手で残酷な殺害犯がなぜ?」と頭をかしげることしかできないような稚拙な内容でした。

2005年10月8日「こんな僕でも生きてていいの」

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河村以外の人物はすべて仮名で記載され、河村が生まれてから事件を犯して逮捕されるまでが書かれています。本の題名は「こんな僕でも生きてていいの」ですが「なぜ生きたいか?」などは書かれていません。

毎日冥福を祈り続け、月に一度は教誨師に来てもらい「今生かされているのも天の思し召し」「突然召されることがあってもいいように、被害者の冥福をただひたすら祈り続け、その家族へ仏の加護があるように祈りたい」「見学さんの父親からお詫びの手紙の返信をいただいた」と書かれている。

しかし、言葉とは真逆の行動で、再審請求を提出し命の引き延ばしを図っています。ただの言い訳本です。

2007年10月13日「生きる」

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死刑囚の立場から、執行のある日の拘置所の雰囲気、拘置所の日常生活と同囚への想い、看守や裁判の裏側、そして事件への反省の念と拘置所内で仏門に入られたことなどが綴られています。

あれだけ幼稚で身勝手は考えで、残忍な殺害をしておいて、拘置所の中で生きがいを見出そうとしているという内容です。

河村敬三が死刑判決を受けると、父親は心労のあまりガンとなり、姉は心身を患い、母親は脳梗塞で倒れ、意識朦朧しながら自ら119番通報をして息絶えたという、お涙ちょうだいの内容です。

2011年10月8日「落伍者」

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内容は「死刑囚のおかれている所内の生活がそのまま書かれている貴重な文献」で「死刑廃止のための大道寺幸子基金第7回死刑囚の表現展優秀賞受賞作」とありますが、ありきたりな「たられば」物語と、口だけの反省と、仲間や家族を用いた「お涙ちょうだい」作戦丸見えの内容です。

頭のネジがゆるいと言うか、河村敬三の言うことなすこと全てが「薄っぺら」で、反省するどころか「自分の都合の悪いことは、全て環境や他人のせいにする姿勢は全く変わっていない」ことが分かる本です。

一般市民から多くの批判を集めた

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もし、世間から一目置かれてるほど活躍していた身内が、突然「チンケな悪党」のカネ目当てという理由だけで、無残に殺害されたら?想像するだけで怒りで震えが止まらないでしょう。

一審から「死刑判決」が下され、最高裁で「裁判官全員一致の意見で死刑判決」が下されても、まだ命乞いをするほど一切の反省をしない、ただの「チンケな悪党」が「反省している」と言いながら言い訳しかしない「お涙ちょうだい」の本は、批判しかされなくて当然です。

獄中から手記を発表する仕組み

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コスモリサーチ事件の主犯である『河村敬三』に、文才があるとか特別人を引きつける何かを持っているからとかではなく、獄中から手記を発表する犯罪者たちはたくさんいます。

生まれ育ってくる過程で、いじめられたり虐待された人などが、絶対に世間に出られない死刑囚に対して執着心を持ち「ファン」になってしまう現象も確認されています。

死刑囚の書いた本にお金を払ってまでも読みたい人がいるのなら、お金のために動く出版社もあります。ここでは獄中から手記を発表する仕組みについてを解説していきます。

推定無罪の原則

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推定無罪とは「どんな人でも有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という、近代法の基本原則です。狭義では「検察官が被告人の有罪を証明しない限り、被告人には無罪判決が下される=被告人は自らの無実を証明する責任がない」ということを意味します。

広義(建前)では「有罪判決が確定するまでは、何人も犯罪者として取り扱われない」ことを意味する「仮定無罪の原則」という別用語が用いられることもある。

「無罪の推定(presumption of innocence)」という「疑わしきは罰せず」という表現が本来の趣旨に忠実で、刑事訴訟法学ではこちらの表現が使われまするが、マスコミその他により「推定無罪」と呼ばれるようになりました。

支援者の代筆

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もちろん「危険」と判断された場合などの例外はありますが、死刑囚とは『紙』の手紙なら、どんな人でもやり取りすることができますし、その手記が支援者に代筆されて本になる場合もあります。

出版社から「本を出しませんか?」と言われて手紙を書いたり本を書いたりする受刑者もいますが「手紙を書いていたら、代筆者が本にしてくれていた」ということもあります。本当に罪を犯していないのに死刑囚になっている人もいますから、その場合は受刑者の役に立つこともあるでしょう。

遺族や養子縁組関係者

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国の法律にのっとって、受刑者が自分の遺族や養子縁組関係者に手記を残さなければならないこともあります。お金のことなどが絡むと、ますます遺族や養子縁組関係者への決定や確認作業が必要になるからです。

更生を目的として、いずれ外の世界に出てくる前提で、仕事や作業をしながらの刑務所で生活していても、死刑判決を待ちながら、拘置所で死刑を待つ日々を送っていても、外の世界と全く繋がっていないわけではありません。

印税は寄付や遺族に渡る場合も

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本を作成することになり印税が発生しても、その印税をどこの誰に渡したいかなどということを決めることができます。渡したい身内がいない受刑者も多いですが、寄付することもできます。

刑務所にいるなら、いずれ外の世界に出たときのために準備しておくこともできますが、死刑執行を待つ生活をしている身では、大金を持っていてもあまり意味がありませんから、自分が殺めてしまった人の遺族に渡したい場合や、寄付して誰かの役に立てたい受刑者もいるのでしょう。

結婚することも可能

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