2021年5月14日 更新

コスモリサーチ事件とは?事件の判決や死刑制度についても

まるで令和に引きずっていたくないように、とつぜん異例の年末に死刑執行がなされた2人の死刑囚がいました。死刑囚が犯した事件の名前は『コスモリサーチ社殺人事件』です。暴力団らが、ある日突然他人を拉致し金を奪い、首を絞めて殺害しコンクリート詰めにしたのです。

目次

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帰宅するために会社から出てきたコスモリサーチ社員『渡辺裕之』さんを拉致し、コスモリサーチ社の実質的トップ『見学和雄』さんも拉致してマンションの一室に連れ込むことに成功した、山口組系暴力団幹部『河村啓三』と、投資顧問会社代表『末森博也』は、まず見学さんが持っていた現金40万円を強奪しました。

今でも現金主義の日本ですが、昭和の時代ではさらに現金を使うことが多く、特に仕事で必要な人は多少の現金を持ち歩くのが普通でした。そして「金さえ手に入れればすぐに帰してやる」とさらに現金を用意させます。

さらに1億円を用意させ奪う

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山口組系暴力団幹部『河村啓三』と、投資顧問会社代表『末森博也』は、もちろん「時代の風雲児」とまで呼ばれるほど有名な大物相場師『見学和雄』の持ち金だけを奪うことが目的ではありませんでした。

固定電話しかない時代でしたから、見学和雄さんからコスモリサーチの社員に「株の取引で1億円を載せた車を放置しておいてくれ」と電話させ、大阪市住吉区内のファミリーレストラン駐車場まで持ってくるよう指示。まんまと1億円を奪い、河村啓三と末森博也が3500万円ずつ、尹敬一が3000万円と分けたのです。

拉致した被害者2名を絞殺

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ある日突然、帰宅のために会社から出たすぐに拉致され「会社のトップの見学和雄の自宅へ案内しろ」と言われ、2人共拉致されてマンションに連れ込まれ、会社の社員に電話して「仕事で1億円を乗せた車が必要になった」と用意させ、さっくり1億円を手に入れた河本啓三と末森博也、そして尹敬一。

酷いのはここからで、拉致した見学和雄さんと渡辺裕之さんは「用無し」になってしまったと証拠隠滅を図るのです!手足を縛られて無抵抗の2人を、3人がかりでテレビ用の同軸ケーブル等を頸部に巻き付け、長時間絞めつけて殺害殺害しました。

コンクリート詰めにし遺棄

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見学和雄さんと渡辺裕之さんを殺害した後、河村啓三と尹敬一は、尹敬一が借りている東大阪市の貸倉庫内で2人を1体ずつコンクリート詰めにし、買った箪笥に1体ずつ隠しました。その後、尹被告は自ら暴力団を興し組長になりましたが、6月19日に暴力事件を、22日に監禁事件を起こし、7月4日に逮捕されたのです。

警察の捜査の手が伸びるのを恐れた河村被告は、7月17日夜、実家が土木建築業を営む知人と一緒に倉庫へ向い、中型クレーン車ユニックに積み込み、京都府のゴルフ場の造成地まで運び穴を掘って埋めたのですが、腐って割れた約100㎏のコンクリート片は運べず倉庫内に放棄するしかありませんでした。

その後、河村啓三は釈放された尹敬一に残りの片づけを依頼しましたが、生返事されるだけでした。

末森博也は別の詐欺容疑で指名手配

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投資顧問会社代表であった末森博也は、会社が行き詰まっており、分け前のうちの2000万円相当を株で使いこんでいました。そこで、河村敬三を仲間に引き入れ、8月24~25日に別の証券会社から1億4000万円相当の株券を騙し取り、29日に現金化しました。

そして、山口組の暴力団幹部であった河村敬三はマンションを借りて末森博也をかくまったのです。しかし9月1日、末森博也は「詐欺容疑」で指名手配されてしまいます。

9月3日杜撰な犯行が露見

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9月3日、拉致して1億円を手にした後に「用済み」となった2人を殺害し、コンクリート詰めにして保管しておくために、尹敬一が借りておいた東大阪市の貸倉庫の隣の倉庫の持ち主から、警察に「腐臭が漂う」と通報が入りました。

警察が倉庫に向い調べると、血痕がついたシート・セメントをこねた跡・台座などがありました。倉庫の借り主が尹敬一であることがわかりましたが、警察に倉庫を調べられていることを知った尹敬一・末森博也・河村敬三は逃亡したのです。

9月22日詐欺容疑で末森博也逮捕

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9月22日、投資顧問会社代表の末森博也は、見学和雄さんと渡辺裕之さんを拉致し殺害して手に入れた金に手を付けるほど会社が行き詰まったため、殺害の主犯者で山口組の暴力団幹部の河村敬三を仲間に引き入れ、8月24~25日、別の証券会社から1億4000万円相当の株券を騙し取り詐欺容疑で逮捕されました。

元々、見学和雄さんと渡辺裕之さんを拉致し殺害して1億円を手に入れきったと思うことも、ありえないほど幼稚な考えですが、その後もやはり自転車操業がパンクしてしまったという話の展開でした。

9月29日暴力容疑で尹敬一逮捕

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9月22日、投資顧問会社代表の末森博也が、見学和雄さんと渡辺裕之さんを拉致し殺害して手に入れた金に手を付けるほど会社に行き詰まり、別の証券会社から1億4000万円相当の株券を騙し取り詐欺容疑で逮捕された、2日後。

9月29日、自ら暴力団を興し組長になり、6月19日に暴力事件を起こし、22日に監禁事件を起こし、7月4日に逮捕されていた尹敬一が、コスモリサーチ社の見学和雄さんと渡辺裕之さんを殺人し死体遺棄したことを自供しました。

10月6日詐欺容疑で河村啓三逮捕

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9月22日、投資顧問会社代表の末森博也が会社に行き詰まり、別の証券会社から1億4000万円相当の株券を騙し取り詐欺容疑で逮捕され、9月29日、6月19日に暴力事件を、22日に監禁事件を起こし、7月4日に逮捕されていた尹敬一が、コスモリサーチ社の見学和雄さんと渡辺裕之さんを殺人し死体遺棄したことを自供。

10月6日、詐欺容疑で逮捕されていた末森博也をかくまった河村被告が逮捕されました。10月18日、尹敬一が自供した山林から白骨化した遺体が発見され、翌日、3人は強盗殺人・死体遺棄容疑で再逮捕されました。

遺体をコンクリート詰めにする理由

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日本では一時期、ニュースでやたら「コンクリート詰め殺人」が報道されましたが、コンクリート詰めにしてしまえば証拠は見つからないと思っていたのでしょうか?

ネット社会ではなかった昭和の時代には、ありとあらゆる情報が少なすぎたのでしょう。コンクリート詰めにしてしまえば後はきれいサッパリ、自分が犯した殺人の罪まで消えてしまうと思っていたとしか思えません。

ここでは、なぜ遺体をコンクリート詰めにしようとするのか?その理由を解説していきます。

遺体の処理に困るため

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