2019年9月8日 更新

リンゼイアンホーカーさん殺害事件の詳細!市橋達也の逃亡劇

市橋達也という名前に聞き覚えはあるでしょうか。マスコミが当時、連日繰り返し報道していた大きな殺人事件の犯人です。現代社会で殺人事件は年間900件以上起こっています。その中でなぜこの事件がここまで大きく報道されたのでしょうか。詳しく解説していきます。

目次

裁判に際して、市橋受刑者の大学の恩師が「適正な裁判を受けさせる会」を発足しました。元の教え子がマスコミ報道で大きく報じらてしまったことに心を痛め、報道による先入観が強くなってしまう裁判にならないように尽力しました。

これは決して市橋受刑者の減軽を求めるものではなく、あくまで適正な裁判を行い、社会復帰への道を閉ざさないようにしたいという元教授としての愛情だったそうです。

募金の合計金額は初公判までに340万円に達し、市橋受刑者の裁判費用に充てられました。

中国でのデマ

 (611142)

この「リンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件」とは関係のない事件ですが、2012年9月に中国で反日デモが起きました。中国のネット上で「中国語を学ぶ日本人留学生2名が暴動を扇動し、中国当局に逮捕された」との情報がでたのです。

微博 (Weibo) という中国のSNSにその日本人の顔写真とされるものが掲載されました。しかしこの写真は、市橋受刑者の指名手配写真と、逮捕後に公開された写真だったのです。

なぜこのようなことが起きたのかはわかりませんが、現場が混乱したのは間違いありません。

「逮捕されるまで―空白の2年7カ月の記録」

 (613287)

「逮捕されるまで―空白の2年7カ月の記録」、これは市橋受刑者が書いた手記のタイトルです。2011年1月26日幻冬舎から出版されました。

拘置所で書かれたと言われているこの手記は、出版前から大きな話題を呼びました。実際のところは市橋受刑者がすべてを書いたのではなく、取材をしたライターさんが書いたものとは思われます。

累計発行部数は100万部を超えましたが、書店に大々的に陳列されることは少なかったようです。

逃亡中の手記を出版

 (613357)

手記の内容は主に2年7ヶ月の逃亡中にどこにして、なにをしていたか、何を考えていたかということです。出版に至ったのは懺悔の意味合いを持つと市橋受刑者は語っています。

市橋受刑者は逃亡中、ホーカーさんへの贖罪の気持ちはあったことを記していますが、反面自己中心的な性格が垣間見える文章も見受けられます。どうにか捕まらないように、と常に考えながら行動していたようです。

市橋受刑者がどのような人間だったのか、知りたい人が多かったのが売れ行きが良かった理由でしょう。

印税は被害者遺族に

 (613392)

市橋受刑者は手記の中で、「本書の出版で印税を得ることがあっても、僕にそれを受け取る気持ちはありません。リンゼイさんの御家族へ。それができなければ、公益のために使っていただければ幸いです。」と述べています。

その言葉通り、市橋受刑者はこの手記で得た印税1100万円をホーカーさんの遺族に譲渡することを希望しました。ただこの手記は裁判前に出版されたこともあり、ホーカーさんの遺族の心象を悪くしたようです。

被害者遺族は受け取らず

 (613427)

市橋受刑者の「拘留中に出版された手記の印税を、ホーカーさんの遺族に譲渡したい」という申し出は遺族に拒否されました。

娘が強姦、監禁されたのちに殺害され、その遺体を土に埋めた状態で放置したあげく、2年7ヶ月も逃亡していた男が、その事件にまつわる手記を出版したということだけで強い不快感を持つであろうことは容易に想像がつきます。

結局、手記の印税は慈善団体に寄付をされることになりました。このような手記の売り上げを受け取るのは、どのような立場の人であっても複雑な胸中になりそうです。

手記を元にして製作された映画

 (613453)

市橋受刑者が出版した「逮捕されるまで―空白の2年7カ月の記録」をもとに1本の映画が製作されました。この作品は2013年11月6日にインターネットで先行配信され、11月9日に劇場公開されています。

市橋受刑者の刑が確定したのが2011年4月のことですので、わずか2年半での映画化です。遺族の気持ちを考えれば、この事件を映像化することに批判的な声は非常に多かったでしょう。しかしその批判とは別に、事件の核心に迫る意味を持つものであるという意見も一部ではあったようです。

I am ICHIHASHI

m.shimizu on Instagram: “怖かった〜〜しゅにーん、😭😭😭 (途中何度も斎藤工さんに見えた。)#I AM ICHIHASHI#tfjok #ディーンフジオカ #アイアムイチハシ” (613493)

映画のタイトルは「I am ICHIHASHI 逮捕されるまで」です。2015年のNHK朝の連続ドラマで一躍有名になったディーン・フジオカさんの日本初主演・初監督作品となりました。プロデューサーは、映画「おくりびと」や「闇の子供たち」を手掛けた中沢敏明氏と、豪華な布陣です。

ディーンさんはそれまで台湾や中国で活躍している俳優さんでしたが、この映画の話を受け日本でデビューすることとなりました。

撮影に際して、市橋受刑者の担当弁護士に会ったり、潜伏先を訪れたりと熱心に取材を行って作品を作り上げたそうです。

映画を見た人のの感想

 (613501)

この作品を見た人たちの感想はさまざまで、「逃亡している市橋(ディーン・フジオカ)の表情に鬼気迫るものがあって怖かった」「逃走している時間が長くて、感情移入すると疲れる」「殺害された女性のことを思うと、見ているのが居たたまれない」などがありました。

また「事件のことはあまり詳しく知らなかったけれど、この映画を通して知ることができた。こんな悲しい事件は二度と起きてほしくない」という事件の風化を防げるような意見もみられました。

市橋達也の家族の現在

 (613509)

市橋受刑者が成人しているとはいえ、罪のない女性を殺害し逃亡によって世間を騒がせたことから、親や家族の責任を問う声も少なくなかったはずです。

事件後や逮捕後もマスコミに追われる日々を送っていたに違いない市橋受刑者の家族のストレスは、常人に耐えられるレベルのものではなかったでしょう。

殺人犯、逃亡犯として日本中に名の知れた存在になってしまった市橋受刑者ですが、そんな彼の家族は事件後どのような影響を受けたのでしょうか。

事件後は被害者遺族の訪日の費用を負担

 (613519)

8 / 9

関連する記事 こんな記事も人気です♪