2019年9月6日 更新

殺人ピエロ・ジョンウェインゲイシーの生い立ちや最期の瞬間

ジョンウェインゲイシーという名前を聞いたことがなくても「ピエロの殺人鬼」と言えば思い当たるフシがある人は少なくないでしょう。子供たちを楽しませるためのピエロを恐怖のイメージに塗り替えてしまうほど身の毛もよだつ殺人事件を起こしたジョンウェインゲイシーに迫ります!

目次

ジョリエット刑務所での死刑執行

Electric Chair Death Row Execution - Free photo on Pixabay (590404)

1994年5月10日深夜、遂にアメリカ国民が望んだジョンの死刑が、イリノイ州ジュリエット刑務所で執行されました。麻酔薬のパヴノールにより、心停止を起こす塩化カリウムによる薬物注射刑でした。

33人もの私利私欲だけの快楽殺人を、何度も何度もむごたらしく繰り返し堪能していたジョンの死刑としては「甘すぎるもの」でしたが、現代での死刑の方法は決まっているものしかなく、遺族の方々やこの事件に心を痛めていた国民にとっては仕方なくというものだったでしょう。

最期の食事

Fried Eggs Breakfast Toast - Free photo on Pixabay (590409)

死刑の慣習として、死刑囚は刑執行前の食事を『スペシャル・ミール』と呼ばれ、ある程度の希望をかなえられるという制度が組まれています。

ジョンが注文したのは「揚げエビ12尾、フライドポテト、イチゴ450g、ダイエットコーク」と、かつて自身が経営を任されていた「ケンタッキーフライドチキンのオリジナルレシピによる山盛りのチキン」など、若き日の自分の成功を象徴するものばかりでありました。

かつて父に意味不明なほど虐待されて失神していた少年は、最後の最後まで自分で自分を称賛しつくすような人間になっていました。

最期の言葉

Mma Network Cage - Free photo on Pixabay (590418)

全米を恐怖の渦に巻き込んだシリアルキラー『ジョンウェインゲイシー』の恐怖の種を植え付ける能力は、生前も死後もすさまじい影響力を誇っています。

1994年、死刑執行が行われる直前にジョンが刑務官に言った最期の言葉は「アイツらは何の意味もないガラクタだ」「クソ喰らえだ」だったそうです。

誰に向かって放たれた言葉なのか?どのような意味が残されているのか?今でも議論されてることの一つでもあります。それを見越して残した言葉だったのでしょうか?

死刑執行の様子

Capital Punishment Poison Syringe - Free image on Pixabay (590424)

通常、薬物注射による死刑は平均で7分前後で静かに絶命すると言われていますが、何らかの手違いか?多くの恨みの感情を持つ何者かによる意図があったのか?薬効にムラが生じゲイシーは窒息するまで意識を失わず、絶命するまで18分もかかりました。

つまり、ジョンは20分近く苦しみながら絶命したのです。この件についてコメントを求められた担当検事のウィリアム・カンクルは「33人以上の青少年を性的虐待、拷問の末に殺害された被害者が受けた苦痛に比べれば、ジョンの苦痛など大したことではないね」と述べました。

ジョンウェインゲイシーが残した絵画

Painting Pencils Pens - Free photo on Pixabay (590426)

ジョンは、日曜絵描きでした。一般の画家として刑務所に服役中に描いていたそうです。ジョンの死刑執行後、残された絵画は多くのオークションにかけられ、ジョンから直接絵画の販売委託を任されていたディーラーは、19枚の絵を売却しました。

ピエロの絵画はマニアの間では人気でしたが、オークションで最安値がついたのは鳥が描かれたアクリル絵画で195ドル、最高値はディズニーの7人の小人が大リーグのシカゴ・カブスと野球を行っている絵画『Dwarf's Baseball』で9500ドルだったそうです。

この野球の絵画には、デッド・ウィリアムズ、ウィーリー・メイズ、ミッキー・マントル、ジョー・ディマジオなど殿堂入りした選手が『殺人ピエロ』と知らされないまま、ジョンが選手たちに会って直筆サインを入れてもらったものです。

マニアからの人気を集める

Paint Arts Artist - Free photo on Pixabay (590429)

ジョン・ウェイン・ゲイシーは「殺人ピエロ」という名前で気味が悪いほど有名になりましたが、ピエロは彼の絵画のメインテーマにもなっており、ジョンは収監中に一般人に向けて大量の絵画を残しており、ピエロやディズニー作品の『白雪姫』に登場する7人の小人などをモチーフにしたカラフルな作品もあります。

油絵の具が不均等に塗りたくられ、ところどころにキャンバスから絵の具が盛りあがった部分もあり、カラフルで人工着色料たっぷりの輸入菓子のような毒々しい色味は、グラデーションされている部分はあまりなく、絵の具チューブからそのまま絞りだしたような原色です。

獄中のジョンは、なんとファンへの販売のためリスト化し同じモチーフを量産していました。展示されるような一点物の作品と見比べると、その製作への姿勢の違いは明らかです。

ジョニー・デップもゲイシーの絵画ファン

One Portrait Man - Free image on Pixabay (590432)

なんとあのジョニー・デップも、ジョンの書いたピエロの絵画を購入して所有しているそうです。 ジョニー・デップが苦手なもの=ピエロはファンの間では当たり前に有名な話だそうです。他に、お化けや蜘蛛も苦手らしいとか。

なぜそんなものを持っているのかといえば、彼は重度のピエロ恐怖症であり、それを克服するために自分の周囲に多数のピエログッズを置いて生活しているのだとか。この『道化恐怖症(ピエロ恐怖症)』とは、実は我々日本人が思っている以上に深刻なものであり、7人に1人がこの症状に悩まされているそうです。

ピエロ(道化師全般)を直視することが出来ず恐怖におののいてしまったり、ピエロを見てしまうとめまい、動悸、息切れに襲われる人もいたり、マクドナル○のキャラクターさえも恐怖の対象になる人もいるそうです。ジョニー・デップは、ピエロを見て克服しようとしているのだとか。

死刑執行後の絵画の行方

Art Brushes Colorful - Free photo on Pixabay (590435)

ジョンの残した絵画は、イリノイ州のネイバービルでジョンに惨たらしく殺害された9つの遺族を含めた300人の遺族たちが、資金を募り共同で絵画25点を購入し焼却したそうです。一時期は、彼の絵画を購入し焼却する団体も存在していていると言われていましたが、実際はそのような団体は存在していませんでした。

しかし、あるトラックパーツ会社のオーナーは、イリノイ州ネイパービルのオークションで15000ドルから20000ドルの絵画30点ほどを買い上げ「この世からこの絵を消し去る」とネット上の新聞に宣言したそうです。

それを知ったニューヨークの画廊から「絵画を燃やさないでくれ」と苦情がきたそうですが、それを聞かず「シカゴで来月に燃やす」とオーナーは発表し、別の新聞に燃やされた記事が載っていたそうです。

絵画の金額は?

Dollar Money President Of The U S - Free photo on Pixabay (590436)

ジョンのピエロの絵画は、特にマニアには大変人気だったようですが、被害者の遺族によって大部分が焼却されたと言われています。現在でも残りの作品で展示会が開かれたり、オークションで取引は行われています。

著名人ではジョニー・デップがジョンのコレクターとして知られていまが、ラスベガスで行われた『Arts Factory Gallery』のオークションでは、ジョンのセルフポートレート作品「Goodbye Pogo』を4500ドルで販売し、ペインティング、ドローイング、音声記録などの73点も販売し、売上金は慈善団体に寄付したそうです。

国立犯罪被害者センターは商業ギャラリーに対し、ゲイシーの名前を使って絵画販売することを停止する命令を出しましたが、いわゆる「殺人者の作品」に販売を取り締まる法律はなく倫理的にはグレーなので、オークションが行われるたびに論争になるのです。

ジョンウェインゲイシーの生い立ち

Baby Ten Small - Free photo on Pixabay (590438)

ジョンウェインゲイシーは、1942年3月17日、アメリカイリノイ州のシカゴに生まれました。ジョンには姉と妹がいましたが、高圧的な父は姉と妹は可愛がりましたが、ジョンは決して父から愛されることはなく虐待され続けました。ジョンは最後まで父親の愛情を求め続け、努力し続けましたが叶うことはありませんでした。

ジョンは、成人するまで父からのいわれなき非難を浴び続け、その言い逃れをしながら生きてきたのです。ジョンは、父に認められるため、父に傷つけられた自尊心を取り戻すために一生を捧げたと言っても過言ではないでしょう。

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