目次
- 日本中を震撼させ山一抗争の真実
- 山一抗争の概要
- 1984年8月山口組と一和会で起こった暴力団抗争事件
- 317件の抗争が発生
- 死者29名・負傷者66名
- 警察官や市民にも負傷者が出た
- 逮捕者は560人
- 史上最大級の暴力団抗争と呼ばれている
- 山一抗争発端の当事者たち
- 田岡一雄（三代目山口組組長）
- 田岡文子（三代目山口組組長の妻）
- 山本健一（山口組若頭）
- 菅谷政雄（山口組若頭補佐）
- 山本広（山口組若頭候補）
- 川内弘（川内組組長）
- 佐々木道雄（佐々木組組長）
- 稲川聖城（稲川会総裁）
- 竹中正久（山本健一の腹心）
- 田辺・長尾・立花（ヒットマン）
- 山一抗争発端の詳細
- 1971年票数が上回っていたにも関わらず山本広は若頭になれず遺恨を残す
- 1977年組長暗殺の責任により絶縁処分を受けるも菅谷は受け入れず
- 1981年山本広は菅谷の説得に当たるも成功せず
- 事態を収拾させた竹中正久は山本広の態度に不信感や憎悪を感じる
- 1981年7月田岡一雄死亡
- 急死に近く遺書や遺言が残されなかった
- 1982年2月四代目山口組組長候補であった山本健一の死亡
- 1982年6月山本広が山口組組長代行に就任
- 「三代目」の代行なのか「四代目」への暫定措置なのか曖昧であった
- 山口組内に亀裂が生まれ始める
- 亀裂を収めるため田岡文子を「三代目姐」に認定
- 組織に女性を据えることは大きな恥とされ全体に動揺が走る
- 内部分裂を避けるため山口組舎弟会は山本広に組長就任を要請
- 竹中正久及びその他が反対し現状維持が再確認される
- 1982年8月山本広本人が直接組長に立候補するも幹部会及び竹中が反対
- 山本広を組長として指示していた佐々木道雄と竹中が口論となり対立が表面化
- 脱税容疑で竹中正久が逮捕される
- 竹中正久と田岡文子間で拘留中は四代目を決定しないことを確約
- 竹中拘留中の1982年9月山本広は再度組長への立候補を表明
- 1983年6月竹中が保釈され四代目就任に意欲を見せ山本広との直接対決が始まる
- 四代目組長争いが激化
- 竹中保釈直後は山本広支持派が優勢
- 1983年9月地方幹部を中心に竹中正久支持派が山本広支持派を上回る
- 1984年田岡文子は竹中派として山本広を説得するも失敗
- 山口組分裂は避けたい山本広側もあらゆる工作をするも失敗
- 1984年竹中正久が山口組四代目に就任
- 一和会の誕生
- 山本広支持派は山口組脱退を決意し、記者会見を開き竹中正久四代目就任を反対
- 一和会の結成を宣言
- 人数では山口組を上回っていたが一枚岩ではなかった
- 一和会は穏便な分裂を望んでいた
- 竹中正久を激怒させた
- 山一抗争勃発
- 山口組系組員が一和会組員を刺殺
- 竹中正久は各団体に義絶状を送付する
- 山口組の切り崩し工作・実行行使等により一和会からの寝返りが相次ぐ
- 一和会は山口組上層部への直接攻撃を画策する
- 愛人宅を訪れた際竹中正久はヒットマンらに銃撃される
- かろうじて逃げ切るも病院で死亡が確認される
- 中西一男が組長代行に就任
- 山口組組織の立て直し及び報復合戦が始まる
- 暗殺を指示した一和会若頭後藤が拉致される
- 一和会組員2名が射殺
- 一和会幹部の息子が甲子園球場で射殺
- 山口組の報復により一和会はほぼ壊滅状態となる
- 稲川聖城が終結を打診
- 警察の介入やシノギの減少及び他勢力との抗争を危惧し了承
- 山一抗争後の山口組
- 竹中正久の実弟が無断で山本広宅を襲撃
- 山口組執行部渡辺の逆鱗に触れ竹中武を破門する
- 六代目山口組組長司忍
- 山一抗争後の一和会
- 山一抗争後もしばらくは存続
- 1989年3月山本広引退及び解散を宣言、山口組本部へ出頭し謝罪
- 山一抗争の勝因
- 田岡文子
- 岩手及び地方の指示
- 根回しの見誤り
- 山一抗争をモデルにした映画
- 激動の1750日
- 1990年9月15日に公開
- 組名や登場人物の名前は違うが山一抗争を具体的に表現している
- 山一抗争関係者への配慮から面白みに欠けるといった意見も
- ドラマや映画以上に過激な極道の世界
1982年9月16日、1億9439万円を脱税したとして「所得税法違反」容疑で逮捕され起訴され、神戸拘置所で接見禁止にされていた竹中正久は、1983年6月21日に保釈されました。
竹中正久の出所時には、名神会会長『石川尚』・二代目細田組『細田利明』・中村組組長『中村憲逸』森川組組長・小野組組長『小野新治』が出迎えました。翌日22日、姫路市の竹中組事務所に同じ姫路市の湊組組長『湊芳治』が放免祝いに訪れました。
当然、そこでは山本広のことが話し合われ、湊芳治は、山本広を山口組四代目に推せない理由を述べた竹中正久に同意し、舎弟会にも竹中正久の意見を伝え、中川組組長『中川猪三郎』・三木組組長『三木好美』からは同意を得ましたが、中井組組長『中井啓一』山本広を支持する姿勢を崩しませんでした。
竹中正久の出所時には、名神会会長『石川尚』・二代目細田組『細田利明』・中村組組長『中村憲逸』森川組組長・小野組組長『小野新治』が出迎えました。翌日22日、姫路市の竹中組事務所に同じ姫路市の湊組組長『湊芳治』が放免祝いに訪れました。
当然、そこでは山本広のことが話し合われ、湊芳治は、山本広を山口組四代目に推せない理由を述べた竹中正久に同意し、舎弟会にも竹中正久の意見を伝え、中川組組長『中川猪三郎』・三木組組長『三木好美』からは同意を得ましたが、中井組組長『中井啓一』山本広を支持する姿勢を崩しませんでした。
四代目組長争いが激化
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「日本最大の暴力団組織」をつくりあげた山口組三代目組長『田岡一雄』が急病死し、誰からも四代目組長だと思われていたNo.2『山本健一』まで急病死してしまい、山口組は圧倒的な力を持つNo.1とNo.2を一気に失ってしまいました。
次に圧倒的力を持つものは誰だ？という話は簡単ではなく、だれもが組織が分裂することを望んでいませんでしたが、次第に亀裂は避けられないところまで大きくなっていきました。『組長代行』『若頭』という言葉が持つ意味も混乱を招きました。
次に圧倒的力を持つものは誰だ？という話は簡単ではなく、だれもが組織が分裂することを望んでいませんでしたが、次第に亀裂は避けられないところまで大きくなっていきました。『組長代行』『若頭』という言葉が持つ意味も混乱を招きました。
竹中保釈直後は山本広支持派が優勢
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1983年9月16日に竹中正久が保釈された段階では「山本広派」が優勢でした。
しかし、竹中正久の出所時に、名神会会長『石川尚』・二代目細田組『細田利明』・中村組組長『中村憲逸』森川組組長・小野組組長『小野新治』が出迎え、翌日22日、湊組組長『湊芳治』が竹中正久を支持し、舎弟会の中川組組長『中川猪三郎』・三木組組長『三木好美』も同意しました。
そして9月23日、竹中正久は「山本広派」の幹部に山本広支持を要請されましたが拒否しました。
しかし、竹中正久の出所時に、名神会会長『石川尚』・二代目細田組『細田利明』・中村組組長『中村憲逸』森川組組長・小野組組長『小野新治』が出迎え、翌日22日、湊組組長『湊芳治』が竹中正久を支持し、舎弟会の中川組組長『中川猪三郎』・三木組組長『三木好美』も同意しました。
そして9月23日、竹中正久は「山本広派」の幹部に山本広支持を要請されましたが拒否しました。
1983年9月地方幹部を中心に竹中正久支持派が山本広支持派を上回る
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9月、益田組組長『益田啓助』・大平組組長『大平一雄』・心腹会会長『尾崎彰春』も竹中正久支持に回り、地方幹部を中心に「竹中正久派」の直参が参集し、「竹中正久派」の直系組長は40人で「山本広派」の直系組長25人を逆転。しかし、どちらの派閥でもない残り25人の直系組長が意見を決めかねていました。
同じ9月に、豪友会会長『中山勝正』の呼びかけで、旧田岡邸に『竹中正久』『中山勝正』『益田啓助』・心腹会会長『尾崎彰春』・矢嶋組組長『矢嶋長次』・岸本組組長『岸本才三』・宅見組組長『宅見勝』・二代目山健組組長で、後に五代目山口組組長になる『渡辺芳則』ら10数名の「竹中正久派」が集結しました。
翌年1984年5月22日、「山本広支持派」の、加茂田組組長で後の一和会副会長兼理事長・佐々木組組長で後に一和会幹事長になる『佐々木道雄』・北山組組長で後に一和会風紀委員長になる『北山悟』らが、神戸市三宮の「珍味亭」で会合し意志を確認し合いました。
同じ9月に、豪友会会長『中山勝正』の呼びかけで、旧田岡邸に『竹中正久』『中山勝正』『益田啓助』・心腹会会長『尾崎彰春』・矢嶋組組長『矢嶋長次』・岸本組組長『岸本才三』・宅見組組長『宅見勝』・二代目山健組組長で、後に五代目山口組組長になる『渡辺芳則』ら10数名の「竹中正久派」が集結しました。
翌年1984年5月22日、「山本広支持派」の、加茂田組組長で後の一和会副会長兼理事長・佐々木組組長で後に一和会幹事長になる『佐々木道雄』・北山組組長で後に一和会風紀委員長になる『北山悟』らが、神戸市三宮の「珍味亭」で会合し意志を確認し合いました。
1984年田岡文子は竹中派として山本広を説得するも失敗
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1984年1月10日、神戸市熊内町のマンションで、階段から落ちて左足を骨折し、関西労災病院に入院していた田岡文子は「竹中正久を四代目山口組組長にする」という意向を固めていました。
5月25日、田岡文子は病院に加茂田重政を呼び出し「山口組四代目選考で、竹中正久を支持してほしい」と頼みましたが拒否されました。27日には、山本広を呼びだし「竹中を山口組四代目に就けるようにしてほしい」と頼みましたが拒否されてしまいました。
5月25日、田岡文子は病院に加茂田重政を呼び出し「山口組四代目選考で、竹中正久を支持してほしい」と頼みましたが拒否されました。27日には、山本広を呼びだし「竹中を山口組四代目に就けるようにしてほしい」と頼みましたが拒否されてしまいました。
山口組分裂は避けたい山本広側もあらゆる工作をするも失敗
via pixabay.com
山本広側も「山口組分裂は避けたい」と、あらゆる工作をしていました。5月末に、三代目山口組若頭補佐兼本部長で小田秀組組長『小田秀臣』は「山口組四代目の跡目問題に関して話し合いたい」と宅見勝に面談を申し込みましたが、宅見勝は色々理由をつけて面談を避けました。
6月1日には、竹中正久の山口組四代目就任を止めるために、小田秀臣が稲川会会長『稲川聖城』に会いに行きますが、稲川聖城は山口組四代目跡目問題に介入しないと拒絶しました。
6月1日には、竹中正久の山口組四代目就任を止めるために、小田秀臣が稲川会会長『稲川聖城』に会いに行きますが、稲川聖城は山口組四代目跡目問題に介入しないと拒絶しました。
1984年竹中正久が山口組四代目に就任
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6月3日、階段から落ちて左足を骨折し、関西労災病院に入院していた田岡文子が退院すると、退院祝いに駆けつけた稲川会会長『稲川聖城』が、田岡文子から「竹中正久山口組四代目の後見役」を依頼され快諾しました。
6月5日午後3時、山口組直系組長会が開かれ、竹中正久は山口組四代目組長就任の挨拶をしました。この組長会には、直系組長96人の内46人と、田岡一雄の舎弟2人が出席しましたが、山本広派の直系組長は欠席しました。
6月5日午後3時、山口組直系組長会が開かれ、竹中正久は山口組四代目組長就任の挨拶をしました。この組長会には、直系組長96人の内46人と、田岡一雄の舎弟2人が出席しましたが、山本広派の直系組長は欠席しました。
一和会の誕生
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一和会結成の理由は、会長になった山本広だけの意志によるものではありませんでした。異例の出世で「日本最大の暴力団組織」山口組四代目組長になった『竹中正久』に対して「おもしろくない」と思っていた者たちがたくさんいました。
しかし、30数名の小さな組から日本最大の暴力団組織につくりあげた山口組三代目組長『田岡一雄』が、なぜ『山本広』がNo.2の地位『若頭』になることを阻み続けたのか？なぜ『山本健一』を寵愛し、なぜ『山本健一』が『竹中正久』を寵愛していたのかが明らかになる出来事となりました。
しかし、30数名の小さな組から日本最大の暴力団組織につくりあげた山口組三代目組長『田岡一雄』が、なぜ『山本広』がNo.2の地位『若頭』になることを阻み続けたのか？なぜ『山本健一』を寵愛し、なぜ『山本健一』が『竹中正久』を寵愛していたのかが明らかになる出来事となりました。
山本広支持派は山口組脱退を決意し、記者会見を開き竹中正久四代目就任を反対
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6月5日、山口組直系組長会で、竹中正久が「山口組四代目組長就任の挨拶」をしている頃、加茂田組組長『加茂田重政』・佐々木組組長『佐々木道雄』・溝橋組組長『溝橋正夫』・北山組組長『北山悟』小田秀組組長『小田秀臣』ら山本広を始めとする「山本広派」の直系組長約20人が大阪に集結していました。
「山本広派」の直系組長約20人は、大阪市東区にある松美会会長『松本勝』の事務所『松美会』に関西のマスコミ各社を呼び、記者会見を開き「竹中正久の山口組四代目就任反対」を表明していました。
「山本広派」の直系組長約20人は、大阪市東区にある松美会会長『松本勝』の事務所『松美会』に関西のマスコミ各社を呼び、記者会見を開き「竹中正久の山口組四代目就任反対」を表明していました。
一和会の結成を宣言
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翌日6日、「竹中正久の山口組四代目就任反対」を表明した「山本広派」の直系組長たちは、組事務所から山口組の代紋である『山菱』を外し、13日には、山本広を会長にした『一和会』を結成し、完全に山口組と袂を分けました。
記者会見を開くということは、相手を無視すると言う意思をほうふつとさせ、竹中正久を激怒させました。8月5日、和歌山で山口組系の組員が一和会の組員を刺殺する事件が発生。単純な金銭トラブルが原因だったと言われましたが、これを口実に両者は抗争へとなだれ込むことになりました。
記者会見を開くということは、相手を無視すると言う意思をほうふつとさせ、竹中正久を激怒させました。8月5日、和歌山で山口組系の組員が一和会の組員を刺殺する事件が発生。単純な金銭トラブルが原因だったと言われましたが、これを口実に両者は抗争へとなだれ込むことになりました。
人数では山口組を上回っていたが一枚岩ではなかった
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