2019年5月24日 更新

新潟少女監禁事件の概要とは?犯人佐藤宣行の生い立ちやその後と被害者との関係

ミレニアムイヤーと世の中が浮かれて迎えた2000年(平成12年)の1月末、とあることがきっかけで発覚した新潟少女監禁事件を御存じですか?実は事件の犯人である佐藤宣行は、すでに出所しているのです。今回は、新潟少女監禁事件の被害者や犯人のその後などを解説します。

新潟少女監禁事件の概要

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新潟少女監禁事件は、1990年(平成2年)11月13日、3連休明けの火曜日の夕方に起こりました。

新潟県三条市に住んでいた当時9歳の少女が、授業を終えて一人農道を歩いていた下校途中、新潟県柏崎市に住む、当時28歳だった佐藤宣行という男に誘拐され、なんと9年2ケ月もの間、犯人の家で監禁されていたという事件です。

2000年(平成12年)1月28日の金曜日になって、全く別の偶然からこの事件が発覚したことで、犯人の生い立ちや引きこもり問題、果ては新潟県警の不祥事などにも焦点が当てられ、マスコミがこぞって報道しました。

新潟少女監禁事件に関わった人物のその後

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マスコミは何か事件が起きるとしつこく報道して、センセーショナルに大衆を煽りますが、次の事件が起きればすぐさま移行してしまうので、人々の記憶は日々上書きされてしまいます。

その為、大事件が起きたとしても、案外その後の経緯などまで気にする人は少ないでしょう。しかし、どのような事件でも、犯人が無期懲役や死刑にでもならない限り、刑期を終えると出所してしまうことを忘れてはいけません。

どんな大事件でも、自分が巻き込まれていなければ、所詮は他人事になってしまうのは仕方はありませんが、もしかすると、あなたの近くに刑期を終えた犯罪者が、近くにいるかもしれないのです。ある日あなたが被害者にならない為に、ここでは、新潟少女監禁事件に関わった人物のその後を教えます。

加害者「佐藤宣行」

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新潟少女監禁事件を起こした犯人の名前は、佐藤宣行(さとうのぶゆき)。事件当時は28歳でしたが、2019年現在ですでに57歳と還暦近い年齢になっています。元々犯人の佐藤は、新潟少女監禁事件を起こす前の年も、小学4年生の少女を誘拐しようと行動に移していましたが、その時は失敗して逮捕されていました。すぐ釈放されましたが、なんと執行猶予期間にこの事件を起こしていたのです。

2003年(平成15年)7月10日(木)に、最高裁にて懲役14年を求刑され千葉刑務所にて服役していました。しかし、2016年(平成28年)の4月に刑期を終えた佐藤は出所しているのです。現在は千葉県千葉市にいると言われていますが、詳しい居所は分かりません。新潟にある事件現場となった自宅は現在も残されています。

佐藤宣行は元々極度の潔癖症であり、刑務所内でも精神障害だと訴え続け、医療刑務所に何度も入院したり、向精神薬を服用していました。食事も普通の食事には手を付けれられず、流動食を食べていたとも言われており、服役中に障碍者2級の障害手帳を手に入れているのです。そのことから、現在も無職で障害年金や生活保護などで生活し、千葉のどこかに引きこもっているのでしょう。

被害者「佐野房子」

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誘拐され9年2ケ月もの長い間、佐藤に監禁されていた被害者の少女は、佐野房子ちゃんと言われていますが、少女期の事件なのでまだこの名前で生活しているのかは不明です。誘拐された1990年(平成2年)11月の時点で9歳だったので、発見された時の房子ちゃんはすでに19歳になっていました。

成長期に足を拘束された状態で監禁され、暴力を振るわれ続け、食事も満足に与えられていなかった房子ちゃんは、発見時、一人で歩くことも出来ないほど弱っていました。体力は衰えていましたが、犯人の佐藤が自分の趣味的嗜好に合わせた知識を与えており、偏りはあるものの知識力はそれなりにあったことで、世間の出来事から全く隔離はされていませんでした。

事件後少しずつ体力を回復させ、解放された翌年の成人式にも参加し、運転免許証も取得して両親とスポーツ観戦を楽しんだりしていたようです。突然事件に巻き込まれてしまった少女の心中は察することは出来ませんが、2019年現在、38歳になった彼女が、幸せであることを願わずにはいられません。

加害者の母親

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3つ子の魂100歳までとは言いますが、幼少期の人格形成はその人の人間性に大きく影響を及ぼします。その影響を一番与えてしまうのはやはりその人の両親です。

加害者佐藤宣行の母親は、息子を甘やかして育てた上に、途中からは暴力も受けていました。自分でそう育ててしまったのですから、あまり同情は出来ませんが、母親は事件発覚までの10年以上も、息子の部屋に近づいたことが無かったのです。そのことで、同じ家にいたはずの少女の存在を、事件発覚当日まで母親は知りませんでした。

母親は息子の逮捕後に体調を崩し、マスコミから身を隠すようにひっそりと自宅で暮らしていましたが、最後は痴呆症になり、介護施設で息子が服役中に亡くなっています。

加害者の父親

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佐藤宣行の父親は、事件前にすでに亡くなっています。この父親は、元々東京で大企業の運転手をしていましたが、のちに地元の新潟県柏崎市に戻り、タクシー会社を設立していました。

佐藤宣行の母とは再婚で、62歳の時に息子である宣行が誕生しています。この父が一番加害者の人格形成を歪ませた原因と言っても過言ではありません。この後、詳しく加害者の生い立ちを紹介しますが、この父は81歳の時に息子に家を追い出され、しばらくは異母姉の元に暮らしていたようです。

最後は介護施設にいましたが、息子がこの大事件を起こす前年、1989年(平成元年)にこの世を去りました。一番の原因を生み出したまま、大事件を知らずに亡くなったこの父親は、残された母親よりはある意味幸せだったのかもしれませんね。

監禁が長期にわたってしまった理由

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起きてしまったことに、「もし(if)」を考えても仕方はありません。しかし、「もしもあの時…」という原因を知ることにより、今後に生かせるとも言えるでしょう。

新潟少女監禁事件が9年2ケ月も発覚しなかった原因は多々ありますが、この事件を長期化させてしまったことの一つに、新潟県警の失態が大きく係わっているのです。ここでは、この事件が長期化した理由を紹介します。

新潟県警の不備

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事件当日、夜になっても帰宅しない房子ちゃんを案じて、両親は1990年(平成2年)11月13日(金)の午後7時45分に、近くの駐在所に捜索願いを出しました。

新潟県警三条署と学校関係者など、100人以上で捜索を開始しましたが手掛かりは掴めず、捜索は約1か月ほど経った12月25日(火)に早くも打ち切られてしまいます。この時点で、土地柄的にも北朝鮮による拉致の可能性や、事故事件などその他の連れ去りの可能性も考えられていましたが、佐藤宣行は全く捜査線上に浮かびあがりませんでした。

ここにまず、新潟県警の不備があります。房子ちゃん誘拐事件前に、強制わいせつ未遂容疑で逮捕され前科持ちであった佐藤宣行を、新潟県警柏崎署は前歴者リストに載せることを忘れていたのです。当然、新潟県警にもこのデータは行っておらず、これが監禁を長引かせる原因になったと言われています。

虚偽発表

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新潟県警の失態はまだまだあります。少女が監禁されていたことが発覚したのは、佐藤宣行の母が息子の暴力に耐えきれなくなり、保健所に助けを求めたことから偶然の発見でした。精神保健指定医と保健所職員が、佐藤宣行を入院させる為に自宅に踏み込んだ際、偶然にも少女を発見したので、警察がそのことを知らなかったことは責められません。

暴れる佐藤に対応する為、保健所職員らは柏崎署に応援を要請しましたが、柏崎署員は出動をしなかったのです。結局、保健所職員らが少女を病院へと連れて行く道中、ようやく9年前に行方不明になった佐野房子ちゃんだという事が判明して柏崎署に再度通報し、ようやく警察は出動しました。

しかし、三条署で開かれた緊急記者会見の場では、新潟県警は「男が病院で暴れていた」「その場にいた少女が佐野房子ちゃんだと判明」などと発表した上、出動について保健所職員から反論をされると、「公園で男が暴れている」「大人しくなったので必要ないと言われた」と、出動についても虚偽の発表をしたことが判明し、新潟県警の杜撰さがどんどん暴露されていくのです。

初動捜査の不備

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