2019年9月7日 更新

四日市ジャスコ誤認逮捕事件とは?冤罪が中々認められない理由は?

四日市ジャスコ誤認逮捕事件は、事件が解明されないまま、うやむやになってしまった悲しい事件の一つです。被害者は、加害者に仕立てられただけではなく、遺族や本人共に大きな被害も被りました。この記事では、事件の真相と、警察の不適切な対応についてご紹介していきます。

目次

事件が起こったATMコーナーや、ショッピングセンター内には、多くの監視カメラが設置されていました。事件があった際、警察は状況を整理したり、証拠を集める際監視カメラの確認を行います。四日市ジャスコ誤認逮捕事件でも、ほぼ間違いなく初期段階で監視カメラの映像を確認したでしょう。

監視カメラの映像では、被害者と思われていた女性が先に男性に手を出し、それらを防ぐ形で男性が応戦した姿が確認できました。しかし、それらを参考にせず、事件発生から7年間もの間死亡した男性を加害者として扱ったのです。

盗まれた財布は男性のものだった

Wallet Credit Card Cash - Free photo on Pixabay (612678)

被害者と思われていた女性は、執拗に被害者男性の身体を触り、何かを探しているような素振りが、監視カメラにとらえられていました。この時、女性が探していたのは、財布もしくはキャッシュカードだったと思われます。

男性は、女性に奪われまいとそれらを必死に握りしめていました。つまり男性は、一切の窃盗行為を行っていなかったのです。その様子は、監視カメラにも残っています。窃盗行為がなかったにも関わらず、男性は長い間加害者、被疑者として扱われました。

三重県警のホームページ等で情報提供を求めていない

Apple Chair Computer - Free photo on Pixabay (612680)

「泥棒」と叫んだ女性は、事件の当事者であり、重要な参考人です。四日市ジャスコ誤認逮捕事件において、女性の捜索が必要だという事は、一般人の目から見ても明らかでした。しかし、事件を担当した三重県警察は、ホームページ等で情報提供を求めません。

「泥棒」と叫んだ女性は被害者であり、一般人であることから、公開捜査は適していないという理由です。男性が窃盗行為を行っていないという事実が判明した今、女性は何の被害者なのでしょうか。

現場から女性が姿を消しているのに執拗に男性を拘束した理由が不明

Handcuffs Black Criminal - Free photo on Pixabay (612683)

現場に到着した警察官が、暴れる当事者を拘束する場面は多々見られます。被害者と思われる女性の身を守ることはもちろん、加害者やその他の当事者の逃走を防ぐ目的もあるでしょう。しかし、この事件では、被害者と思われる女性がすぐに姿を消しています。

他にも、加害者と思われた男性の拘束に加わった一般男性3人も姿を消していたことから、何のために長時間被害者男性を拘束し続けたのか、疑問の声があがりました。

被害者男性が興奮状態だったことも考えられますが、眼鏡を割ったり、手に持っていたカードが折れる等の激しい拘束が必要だったのか、疑問となっています。

時効成立後被害者男性の無実が発表された

Protection Of Minors Criminal - Free photo on Pixabay (612686)

四日市ジャスコ誤認逮捕事件は、事件発生の数か月後に、窃盗未遂事件ではなく虚偽告訴罪で捜査されるようになりました。しかし、捜査の進展が見られず、時効が成立します。この時効は、窃盗未遂事件に関する時効です。

警察は虚偽申告罪で捜査していたにも関わらず、事件が窃盗未遂事件として終結させられたことにも、疑問が寄せられます。さらに、早い段階で虚偽告訴罪の捜査に切り替えていたはずの警察は、窃盗未遂の時効が成立した2011年に、男性の無罪を発表しました。

被害者補償として12,500円支払われた

Coins Banknotes Money - Free photo on Pixabay (612688)

誤認逮捕から約7年たった2011年、地方検察庁はようやく男性の無実を認め、被疑者補償金として男性側の遺族に12,500円を支払いました。被疑者補償金とは、刑事補償法に定められた誤認逮捕者への保証制度です。

逮捕され起訴されたのち、無実が判明した場合、拘留されていた日数に応じた金銭を渡す法律になります。四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、被害者となった男性は1日のみ拘留されたとみなされ、1日分の補償金が支払われました。事件から約7年間も無実の罪をきせられ、さらに命を落とした代償が12,500円だったのです。

なぜ警察はすぐに冤罪を認められないのか

Cry Tears Drop - Free vector graphic on Pixabay (612691)

四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、監視カメラの映像や被害者と思われた女性の失踪、不可解な行動などから、早い段階で誤認逮捕の可能性が考えられていました。一部の報道機関では、警察内でも誤認逮捕の話が出ていたと言われています。

しかし、等事件は時効が成立するまで、誤認逮捕であったことが発表されませんでした。四日市ジャスコ誤認逮捕事件以外でも、事件から数十年たったのち誤認であったことが認められた事件や、誤認の可能性が高いものの無罪という発表がなされない事件も数多く存在しています。

ではなぜ、警察は誤認逮捕や冤罪をすぐに認められないのでしょうか。ここからは、警察がすぐに冤罪を認められない理由について、ご紹介していきます。

1度立件した案件は「完結」とみなされ再捜査が難しい

Staircase Body Corpse - Free photo on Pixabay (612692)

警察は、事件の加害者となる人物を逮捕するため、多くの捜査を積み上げていきます。それらの証拠が積み上げられ、正当だと判断されると、裁判所から逮捕状を受け取り逮捕することができるのです。

警察が逮捕した人物にたいし、検察庁は起訴または不起訴の判断をします。起訴する場合、裁判所で裁判が開かれ、刑期を決めるための話し合いが行われていくのです。つまり、警察の仕事は逮捕するまでであり、立件した案件は「完結」とみなされ再捜査が難しくなります。

意見をすぐに撤回するとこれまでの捜査への批判が集まる

Bodyworn Body Camera Police - Free photo on Pixabay (612693)

事件の加害者を逮捕するまで、警察は多くの証拠を集めます。長い時間がかかる場合もあり、事件の担当者が変わることもあるのです。担当者が変わり、証拠を集める中で誤認の可能性に気付いても、それらを指摘してしまう事は、前任者や前任者たちが行った捜査を否定することになります。

当然、世間から前任者や前回の捜査への批判が集まることになるでしょう。そのため、捜査の方針を変えることや、誤認の可能性を考えることが難しくなるのです。

意見を変えるまでには立件する以上の証拠が必要となる

Files Paper Office - Free photo on Pixabay (612695)

加害者を逮捕するためには、多くの証拠を集める必要があり、それらを元に検察庁が判断します。そういった過程を覆すためには、立件した時以上の証拠が必要になるのです。

事件当初からあった証拠を持ちだし、事件を覆そうとしても、「なぜそのような状況で立件したのか」と、証拠隠避や捏造という罪が加わってしまいます。

四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、加害者と考えられていた男性が死亡し、さらに当事者の女性も見つからなかったことから、証拠集めが非常に困難でした。そのため、誤認逮捕の事実を認めるまでに、長い時間がかかったのです。

意見を撤回した後に再度撤回のリスク

Laptop Office Hand - Free photo on Pixabay (612696)

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