目次
- 誤認逮捕はなぜ起こってしまうのか
- 四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の概要
- 2004年2月に発生した誤認逮捕
- 誤認逮捕された男性は拘束された後死亡
- 2011年に時効が成立し未解決事件となった
- 拘束した理由や対応に警察への批判が高まった事件
- 四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の詳細
- 2004年2月17日日用品等を買いに男性が店を訪れる
- 手持ちがなかったためATMに立ち寄る
- 女性が突然男性の胸ぐらを掴みもみ合いとなる
- 女性が「泥棒」という声を上げ複数人の人が男性を取り押さえる
- 万引き事件に居合わせた警察官2名が男性を取り押さえる
- 男性の後ろ手に手錠をかけ20分間制圧
- 「泥棒」と叫んだ女性の行方がわからなくなる
- 男性は押さえられている最中眼鏡が割れ嘔吐も見られた
- 刑事課が現場に駆け付け救急車を要請
- 2004年2月18日死亡
- 警察へ批判が集まった理由
- 取り押さえられた当時男性は両手に荷物を持っていた
- 監視カメラの映像では被害者と思われた女性が先に手を出していた
- 盗まれた財布は男性のものだった
- 三重県警のホームページ等で情報提供を求めていない
- 現場から女性が姿を消しているのに執拗に男性を拘束した理由が不明
- 時効成立後被害者男性の無実が発表された
- 被害者補償として12,500円支払われた
- なぜ警察はすぐに冤罪を認められないのか
- 1度立件した案件は「完結」とみなされ再捜査が難しい
- 意見をすぐに撤回するとこれまでの捜査への批判が集まる
- 意見を変えるまでには立件する以上の証拠が必要となる
- 意見を撤回した後に再度撤回のリスク
- 1度結論を出したものを覆すことで警察や司法への不信感が高まる
- 冤罪や誤認逮捕は担当者の出世に大きく関わる
- 男性を加害者に仕立て上げた女性の特徴
- 年齢は25~30歳
- 身長は160センチ程度
- 細身
- 小さな子供を抱いていた
- 男性を加害者に仕立て上げた女性の理由
- 不明確な部分が多い
- 自身より力の弱い老人を狙った
- 被害者男性の体を執拗に触った
- 財布やキャッシュカードの窃盗目的
- 冤罪を認めつつ争う姿勢を見せる警察の矛盾
- 2007年誤認逮捕され死亡した男性の遺族が民事訴訟を起こす
- 三重県側は対応が適切だったとし争う姿勢を見せる
- 2010年原告の訴えを一部のみ認め880万円の支払いを命じる
- 遺族側は判決を不服とし控訴
- 2011年名古屋高等裁判所は3,640万円の支払いを命じる
- 警察から遺族に対して公的な謝罪は一切ない
- 警察の拘束は正しかったのか
- 取り押さえられた男性は当時68歳
- 被害者と思われた女性の子供は泣いていなかった
- 若手警察官2名で取り押さえた
- 既に手錠をかけていたのに20分間うつ伏せにし押さえ続ける
- 嘔吐があったにも関わらず救急車を呼ばなかった
- 取り押さえられた男性は苦しそうなうめき声をあげていた
- 被害者と遺族のさらなる悲劇
- 加害者に仕立て上げた女性は現在も見つかっていない
- 警察との裏取引があるという事実無根の風評被害
- 四日市南警察署長の「反省点は絶対に公表しない」という言葉
- 警察官の名前及び処分は一切公表されていない
- 誤認逮捕から身を守るために
- 誤認逮捕による死亡は過去にも発生している
- 誤認逮捕によって死刑が執行された事例も存在する
- 過度に抵抗せず状況を整理する
- 警察官の発言を鵜呑みにせず1人で判断しない
- できるだけ早く弁護士に依頼する
- 何度も同じことを聞かれると自身の脳内も誤認してしまう
- 当時の記憶が鮮明なうちに他者に話したり記すなどして残しておく
- 被害者を創り出してはいけない
via pixabay.com
被害者や被害者遺族を苦しめる事柄として、風評被害が存在します。事件の発生は大々的に報道するものの、その後の様子を報道しないことから、一般人はあらゆる憶測をたてるのです。そして、その噂がまるで真実のように人から人へ伝わり、被害者や被害者遺族を苦しめ続けます。
四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、一般人から見ても明らかな警察官の不適切な対応が見られました。しかし、遺族は裁判を起こす2007年まで沈黙を守り続けます。そういった状況から、警察と裏取引があるのではないかという事実無根の噂がたちました。
遺族が沈黙を守ったのは、警察や司法を信じ、独自に直接訴え続けたからです。公に批判することで捜査の手を止めないために、苦しい気持ちを押し込んで冷静に対応し続けました。しかし、こういった思いを想像できない一般人は、警察との裏取引や、犯罪者の家族等の理由から被害者遺族に被害を与え続けます。
四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、一般人から見ても明らかな警察官の不適切な対応が見られました。しかし、遺族は裁判を起こす2007年まで沈黙を守り続けます。そういった状況から、警察と裏取引があるのではないかという事実無根の噂がたちました。
遺族が沈黙を守ったのは、警察や司法を信じ、独自に直接訴え続けたからです。公に批判することで捜査の手を止めないために、苦しい気持ちを押し込んで冷静に対応し続けました。しかし、こういった思いを想像できない一般人は、警察との裏取引や、犯罪者の家族等の理由から被害者遺族に被害を与え続けます。
via pixabay.com
現在、SNSが普及し、多くの情報を発信することも受け取ることも可能になりました。犯罪に関して、素人の一般人が正義感を履き違えた情報を流すこともあり、それらを真実として受け取ってしまう判断力のない人々も多数存在するのです。
こういった人々の恐ろしい部分は、間違っていたとしても罪悪感を感じることがなく、同じ行動を繰り返すところでしょう。被害者がどのような思いで生活しているのか考えることを放棄し、間違っていた時「一般人」という弱者の皮をかぶる様子は、加害者に仕立て上げた女性と近しいものがあります。
こういった人々の恐ろしい部分は、間違っていたとしても罪悪感を感じることがなく、同じ行動を繰り返すところでしょう。被害者がどのような思いで生活しているのか考えることを放棄し、間違っていた時「一般人」という弱者の皮をかぶる様子は、加害者に仕立て上げた女性と近しいものがあります。
四日市南警察署長の「反省点は絶対に公表しない」という言葉
via pixabay.com
被害者や被害者遺族を苦しめたのは、警察の発言です。当時の四日市市南警察署長は、四日市ジャスコ誤認逮捕事件の警察側の不適切な対応や、反省点について公表しないと断言しました。そのため、残された被害者遺族にたいする謝罪もありません。
反省点を公表しない理由は、「これまで一度も反省点を公表したことがないから」という非常に不可解なものでした。この発言を聞いた遺族から、「警察に殺された」「死人がでたのに問題がなかったとはどういうことなのか」と憤る声が挙がります。
大人は子どもに「間違ったら謝りなさい」「人生は何度でもやり直しがきく」等の教えをすることが少なくありません。
反省点を公表しない理由は、「これまで一度も反省点を公表したことがないから」という非常に不可解なものでした。この発言を聞いた遺族から、「警察に殺された」「死人がでたのに問題がなかったとはどういうことなのか」と憤る声が挙がります。
大人は子どもに「間違ったら謝りなさい」「人生は何度でもやり直しがきく」等の教えをすることが少なくありません。
via pixabay.com
そう発言している大人たちが、間違っても謝らない、これまでを顧みてやり直そうとしない姿を見た子供たちは、おそらく同じように育っていくでしょう。自分の正しい部分にばかり目を向け、他者を攻撃したり、問題が発覚しても言い訳を繰り返し、時間が過ぎるのをただ待つといった人間になると考えられます。
警察や司法、その他職業によって謝罪が容易ではないこともあるでしょう。多くの影響を考え、一人の判断ではなく、組織として答えを出さなければならないからです。
しかし、それらを当たりまえとして振舞う姿は、被害者に大きな悲しみを与え、子供たちの将来に不安な影を落とす行為と言えるでしょう。間違いを責め立てるのではなく、間違いから何かを学び、改善していくことが望ましいと言えます。
警察や司法、その他職業によって謝罪が容易ではないこともあるでしょう。多くの影響を考え、一人の判断ではなく、組織として答えを出さなければならないからです。
しかし、それらを当たりまえとして振舞う姿は、被害者に大きな悲しみを与え、子供たちの将来に不安な影を落とす行為と言えるでしょう。間違いを責め立てるのではなく、間違いから何かを学び、改善していくことが望ましいと言えます。
警察官の名前及び処分は一切公表されていない
via pixabay.com
四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、被害者遺族が起こした民事訴訟によって、警察側の不適切な行動が認定されました。また検察庁でも、等事件が誤認であったことが認められています。つまり、担当した警察官は、間違いを起こしたということが事実として認定されたことになるのです。
しかし、被害者や被害者遺族の実名は報道されるものの、間違いを犯した警察官の名前は一切公表されませんでした。名前が公表されないばかりか、間違いに関する処分も一切明かされていません。
警察官であっても、間違いを犯した場合は処罰されるという事例は、公共の利益となる内容だと思われますが、警察は公表する必要がないとし、一切の情報を公開しませんでした。
しかし、被害者や被害者遺族の実名は報道されるものの、間違いを犯した警察官の名前は一切公表されませんでした。名前が公表されないばかりか、間違いに関する処分も一切明かされていません。
警察官であっても、間違いを犯した場合は処罰されるという事例は、公共の利益となる内容だと思われますが、警察は公表する必要がないとし、一切の情報を公開しませんでした。
via pixabay.com
加害者に仕立て上げられ、事件のその後も根も葉もない噂で苦しめられてきた遺族にとって、警察官であったために罰せられないという事実、罰せられたとしてもそれらを知る機会がないという現状は、非常に悲しいものでしょう。
しかし、一般人が警察官を探し、勤務地や家族をインターネット上に晒す行為は、正義とは言えません。別の被害者を生み出す危険な行為であり、行き過ぎた正義感なのです。こういった一般人の愚行をさせないためにも、事件の当事者である警察官の名前を公表する必要があったと考えられます。
しかし、一般人が警察官を探し、勤務地や家族をインターネット上に晒す行為は、正義とは言えません。別の被害者を生み出す危険な行為であり、行き過ぎた正義感なのです。こういった一般人の愚行をさせないためにも、事件の当事者である警察官の名前を公表する必要があったと考えられます。
誤認逮捕から身を守るために
via pixabay.com
誤認逮捕は、四日市ジャスコ誤認逮捕事件に限って発生したものではありません。しかし、一般人のほとんどが、これらは自分とは無関係な場所で起こるものだと考えます。その証拠に、被害者や被害者遺族に配慮を見せる姿が、ほとんど見られません。
一般人であっても、誤認逮捕の当事者になることも、被害者の家族になることも十分にあり得る現実なのです。ここからは、誤認逮捕から身を守る方法について、解説していきましょう。
一般人であっても、誤認逮捕の当事者になることも、被害者の家族になることも十分にあり得る現実なのです。ここからは、誤認逮捕から身を守る方法について、解説していきましょう。
誤認逮捕による死亡は過去にも発生している
via pixabay.com
過去には、誤認逮捕によって、死亡した例もあります。四日市ジャスコ誤認逮捕事件とは違い、拘束中に死亡したわけではなく、誤認逮捕によって無実の罪をきせられたことを悲観し、被害者は自殺したという例もありました。また、命は落としていないものの、社会的に抹殺された人々も存在します。
2010年に発生した誤認逮捕の件数は343件で、年間300件以上の誤認逮捕が確認されているのです。特に多い誤認逮捕は、痴漢容疑と言われています。立証が難しい事件の一つでもありますが、特に男性が巻き込まれやすい冤罪事件の一つとも言えるでしょう。
2010年に発生した誤認逮捕の件数は343件で、年間300件以上の誤認逮捕が確認されているのです。特に多い誤認逮捕は、痴漢容疑と言われています。立証が難しい事件の一つでもありますが、特に男性が巻き込まれやすい冤罪事件の一つとも言えるでしょう。
誤認逮捕によって死刑が執行された事例も存在する
via pixabay.com
冤罪事件によって、死刑が執行された例も存在します。飯塚事件と呼ばれる事件では、冤罪の可能性が高いにも関わらず死刑が執行されました。死刑が執行された人物の妻が、現在再審請求を行っている最中です。
死刑判決が下ったものの、長い年月をかけ冤罪を認めさせ釈放された例も存在します。免田事件や、財田川事件、島田事件など、死刑が下され長い間拘留されたのち、ようやく自由になった例も、数多く存在するのです。しかし、無実を証明するためには長い時間と、多くの協力者が必要になります。
罪をはらすことなく、獄中で亡くなった人や、現在も冤罪の可能性が高い人物が拘留されているのです。
死刑判決が下ったものの、長い年月をかけ冤罪を認めさせ釈放された例も存在します。免田事件や、財田川事件、島田事件など、死刑が下され長い間拘留されたのち、ようやく自由になった例も、数多く存在するのです。しかし、無実を証明するためには長い時間と、多くの協力者が必要になります。
罪をはらすことなく、獄中で亡くなった人や、現在も冤罪の可能性が高い人物が拘留されているのです。
過度に抵抗せず状況を整理する
via pixabay.com
全く身に覚えのない罪で拘束された場合や、突然の警察からの拘束にたいして、混乱してしまうのも当然です。身体を押さえられたことにたいして、抵抗したり、話を聞いてもらおうと大きな声を出す場合もあるでしょう。しかし、これらは極力してはいけません。
大きな声で主張したり、拘束を力ずくで解こうとすると、「抵抗している」「何かやましいことがある」と考えられてしまいます。また、罪がはれたとしても、執行妨害や傷害罪で起訴され、誤認逮捕を認めさせることが難しくなってしまう場合もあるのです。
身に覚えがあってもなくても、過度に抵抗せず、何の疑惑がかけられているのか、状況を冷静に整理しておきましょう。
大きな声で主張したり、拘束を力ずくで解こうとすると、「抵抗している」「何かやましいことがある」と考えられてしまいます。また、罪がはれたとしても、執行妨害や傷害罪で起訴され、誤認逮捕を認めさせることが難しくなってしまう場合もあるのです。
身に覚えがあってもなくても、過度に抵抗せず、何の疑惑がかけられているのか、状況を冷静に整理しておきましょう。
警察官の発言を鵜呑みにせず1人で判断しない
via pixabay.com
警察官は、加害者と思われる人物と、その周囲の人々を隔離し、逃走や隠ぺいへのリスク回避を行います。その他にも、他者と隔離することによって、不安をあおり自供させやすくしたり、判断能力を奪う目的があるのです。
取り調べや現場では、警察官複数人から責め立てられることも多く、焦って回答してしまう人もいます。その発言を後日引き合いに出し、容疑を認めさせるように仕向ける場合もあるのです。誤認逮捕を防ぐためにも、警察官の発言を鵜呑みにし、あれこれと答えてしまうのは避けましょう。
自身が落ち着いて考えられるようになるまで、発言や行動を控えるのが賢明です。可能であれば、1人で判断せず、冷静に考えられる知人や友人、専門家へ相談しましょう。
取り調べや現場では、警察官複数人から責め立てられることも多く、焦って回答してしまう人もいます。その発言を後日引き合いに出し、容疑を認めさせるように仕向ける場合もあるのです。誤認逮捕を防ぐためにも、警察官の発言を鵜呑みにし、あれこれと答えてしまうのは避けましょう。
自身が落ち着いて考えられるようになるまで、発言や行動を控えるのが賢明です。可能であれば、1人で判断せず、冷静に考えられる知人や友人、専門家へ相談しましょう。
できるだけ早く弁護士に依頼する
7 / 8