2019年9月7日 更新

四日市ジャスコ誤認逮捕事件とは?冤罪が中々認められない理由は?

四日市ジャスコ誤認逮捕事件は、事件が解明されないまま、うやむやになってしまった悲しい事件の一つです。被害者は、加害者に仕立てられただけではなく、遺族や本人共に大きな被害も被りました。この記事では、事件の真相と、警察の不適切な対応についてご紹介していきます。

目次

The Offence Double Exposure Victim - Free photo on Pixabay (612775)

被害者や被害者遺族を苦しめる事柄として、風評被害が存在します。事件の発生は大々的に報道するものの、その後の様子を報道しないことから、一般人はあらゆる憶測をたてるのです。そして、その噂がまるで真実のように人から人へ伝わり、被害者や被害者遺族を苦しめ続けます。

四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、一般人から見ても明らかな警察官の不適切な対応が見られました。しかし、遺族は裁判を起こす2007年まで沈黙を守り続けます。そういった状況から、警察と裏取引があるのではないかという事実無根の噂がたちました。

遺族が沈黙を守ったのは、警察や司法を信じ、独自に直接訴え続けたからです。公に批判することで捜査の手を止めないために、苦しい気持ちを押し込んで冷静に対応し続けました。しかし、こういった思いを想像できない一般人は、警察との裏取引や、犯罪者の家族等の理由から被害者遺族に被害を与え続けます。
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現在、SNSが普及し、多くの情報を発信することも受け取ることも可能になりました。犯罪に関して、素人の一般人が正義感を履き違えた情報を流すこともあり、それらを真実として受け取ってしまう判断力のない人々も多数存在するのです。

こういった人々の恐ろしい部分は、間違っていたとしても罪悪感を感じることがなく、同じ行動を繰り返すところでしょう。被害者がどのような思いで生活しているのか考えることを放棄し、間違っていた時「一般人」という弱者の皮をかぶる様子は、加害者に仕立て上げた女性と近しいものがあります。

四日市南警察署長の「反省点は絶対に公表しない」という言葉

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被害者や被害者遺族を苦しめたのは、警察の発言です。当時の四日市市南警察署長は、四日市ジャスコ誤認逮捕事件の警察側の不適切な対応や、反省点について公表しないと断言しました。そのため、残された被害者遺族にたいする謝罪もありません。

反省点を公表しない理由は、「これまで一度も反省点を公表したことがないから」という非常に不可解なものでした。この発言を聞いた遺族から、「警察に殺された」「死人がでたのに問題がなかったとはどういうことなのか」と憤る声が挙がります。

大人は子どもに「間違ったら謝りなさい」「人生は何度でもやり直しがきく」等の教えをすることが少なくありません。
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そう発言している大人たちが、間違っても謝らない、これまでを顧みてやり直そうとしない姿を見た子供たちは、おそらく同じように育っていくでしょう。自分の正しい部分にばかり目を向け、他者を攻撃したり、問題が発覚しても言い訳を繰り返し、時間が過ぎるのをただ待つといった人間になると考えられます。

警察や司法、その他職業によって謝罪が容易ではないこともあるでしょう。多くの影響を考え、一人の判断ではなく、組織として答えを出さなければならないからです。

しかし、それらを当たりまえとして振舞う姿は、被害者に大きな悲しみを与え、子供たちの将来に不安な影を落とす行為と言えるでしょう。間違いを責め立てるのではなく、間違いから何かを学び、改善していくことが望ましいと言えます。

警察官の名前及び処分は一切公表されていない

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四日市ジャスコ誤認逮捕事件では、被害者遺族が起こした民事訴訟によって、警察側の不適切な行動が認定されました。また検察庁でも、等事件が誤認であったことが認められています。つまり、担当した警察官は、間違いを起こしたということが事実として認定されたことになるのです。

しかし、被害者や被害者遺族の実名は報道されるものの、間違いを犯した警察官の名前は一切公表されませんでした。名前が公表されないばかりか、間違いに関する処分も一切明かされていません。

警察官であっても、間違いを犯した場合は処罰されるという事例は、公共の利益となる内容だと思われますが、警察は公表する必要がないとし、一切の情報を公開しませんでした。
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加害者に仕立て上げられ、事件のその後も根も葉もない噂で苦しめられてきた遺族にとって、警察官であったために罰せられないという事実、罰せられたとしてもそれらを知る機会がないという現状は、非常に悲しいものでしょう。

しかし、一般人が警察官を探し、勤務地や家族をインターネット上に晒す行為は、正義とは言えません。別の被害者を生み出す危険な行為であり、行き過ぎた正義感なのです。こういった一般人の愚行をさせないためにも、事件の当事者である警察官の名前を公表する必要があったと考えられます。

誤認逮捕から身を守るために

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誤認逮捕は、四日市ジャスコ誤認逮捕事件に限って発生したものではありません。しかし、一般人のほとんどが、これらは自分とは無関係な場所で起こるものだと考えます。その証拠に、被害者や被害者遺族に配慮を見せる姿が、ほとんど見られません。

一般人であっても、誤認逮捕の当事者になることも、被害者の家族になることも十分にあり得る現実なのです。ここからは、誤認逮捕から身を守る方法について、解説していきましょう。

誤認逮捕による死亡は過去にも発生している

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過去には、誤認逮捕によって、死亡した例もあります。四日市ジャスコ誤認逮捕事件とは違い、拘束中に死亡したわけではなく、誤認逮捕によって無実の罪をきせられたことを悲観し、被害者は自殺したという例もありました。また、命は落としていないものの、社会的に抹殺された人々も存在します。

2010年に発生した誤認逮捕の件数は343件で、年間300件以上の誤認逮捕が確認されているのです。特に多い誤認逮捕は、痴漢容疑と言われています。立証が難しい事件の一つでもありますが、特に男性が巻き込まれやすい冤罪事件の一つとも言えるでしょう。

誤認逮捕によって死刑が執行された事例も存在する

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冤罪事件によって、死刑が執行された例も存在します。飯塚事件と呼ばれる事件では、冤罪の可能性が高いにも関わらず死刑が執行されました。死刑が執行された人物の妻が、現在再審請求を行っている最中です。

死刑判決が下ったものの、長い年月をかけ冤罪を認めさせ釈放された例も存在します。免田事件や、財田川事件、島田事件など、死刑が下され長い間拘留されたのち、ようやく自由になった例も、数多く存在するのです。しかし、無実を証明するためには長い時間と、多くの協力者が必要になります。

罪をはらすことなく、獄中で亡くなった人や、現在も冤罪の可能性が高い人物が拘留されているのです。

過度に抵抗せず状況を整理する

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全く身に覚えのない罪で拘束された場合や、突然の警察からの拘束にたいして、混乱してしまうのも当然です。身体を押さえられたことにたいして、抵抗したり、話を聞いてもらおうと大きな声を出す場合もあるでしょう。しかし、これらは極力してはいけません。

大きな声で主張したり、拘束を力ずくで解こうとすると、「抵抗している」「何かやましいことがある」と考えられてしまいます。また、罪がはれたとしても、執行妨害や傷害罪で起訴され、誤認逮捕を認めさせることが難しくなってしまう場合もあるのです。

身に覚えがあってもなくても、過度に抵抗せず、何の疑惑がかけられているのか、状況を冷静に整理しておきましょう。

警察官の発言を鵜呑みにせず1人で判断しない

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警察官は、加害者と思われる人物と、その周囲の人々を隔離し、逃走や隠ぺいへのリスク回避を行います。その他にも、他者と隔離することによって、不安をあおり自供させやすくしたり、判断能力を奪う目的があるのです。

取り調べや現場では、警察官複数人から責め立てられることも多く、焦って回答してしまう人もいます。その発言を後日引き合いに出し、容疑を認めさせるように仕向ける場合もあるのです。誤認逮捕を防ぐためにも、警察官の発言を鵜呑みにし、あれこれと答えてしまうのは避けましょう。

自身が落ち着いて考えられるようになるまで、発言や行動を控えるのが賢明です。可能であれば、1人で判断せず、冷静に考えられる知人や友人、専門家へ相談しましょう。

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