2019年10月28日 更新

何故事件は起こった?土浦連続殺傷事件の犯人の心理や警察の対処

土浦連続殺傷事件は、金川真大という犯人が起こした通り魔事件です。今回はこの事件の被害者についてや当時の警察の捜査状況、動機について紹介します。他にも生い立ちや逮捕のその後、死刑執行までの裁判の様子なども紐解いていきます。

目次

息子と家族の”溝”

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家族との絆は、いっこうに回復の兆すことはなく悪化の一途でした。真大とその兄弟姉妹間でも仲が良いという事はなく、家族との会話は筆談で、食事は1人で摂る、携帯番号さえも知らない状況が、真大の孤独感を更に煽ります。

父親が息子に匙を投げず、もっと小さい頃から真摯に向き合い、母親にも他の兄弟にもしっかりと向き合っていれば、こんなに酷い状況にはならなかったかもしれません。真大も家族を全く信頼も信用もしていないのも悲しい事です。

父親が買い与えた本

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真大への愛情が薄れてきたといっても、真大に本を買い与えた事がありました。この買い与えた本が皮肉にも最悪な事件を引き起こす引き金にもなってしまいます。

その買い与えた本について、紹介していきます。

子どものための哲学対話

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永井 均と内田 かずひろが共同で書いた【子どものための哲学対話】という本を父親が真大に買い与えました。高校2年生の11月頃でした。

このころ真大は、今までは司馬遼太郎のなどの歴史小説を読んでいましたが、そのうち変化し始めた頃でした。趣向が変わり、雑誌の「ムー」などを読み、超能力やUFOについて熱く語るようになっていました。

なかなか自分の好きなものが急に変わることはあまりない事だと思いますが、そこまで影響力の与える本だったのです。

本の内容

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後の金川が「死刑になるための殺人」を実行するにあたって、非常に影響力のある本となります。最も影響を与えた本の一文を紹介すると、【世の中で一番重い罰は死刑で、死刑以上の重罰はないから、世の中は、死ぬつもりなら何をしてもいいと、暗に認めているってことだ】という内容です。

死刑になってもいいなら何をやってもいい世の中なのだと、金川は都合よく解釈してしまったのでしょう。それだけ金川は、追いやられていたという事です。

永井均

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永井均とは、日本の哲学者で専攻は哲学・倫理学です。永井は、【子どものための哲学対話―人間は遊ぶために生きている!】以外にも、【転校生とブラック・ジャック――独在性をめぐるセミナー】や【倫理とは何か――猫のアインジヒトの挑戦】など沢山の本を執筆しています。

永井均の名言としては、「気分とか感情はね 無理に抑え込もうとすると 心の中で くすぶりつづけるからね。 ただ忘れるのがいちばんいいんだ。」などがあります。

内田かずひろ

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内田 かずひろは、福岡県出身の日本の漫画家です。主な作品としては、【シロと歩けば】、【ピヨピヨぶらざーす】、【ロダンのココロ】、【ゆうぐれアーモンド】などがあります。

他にも 石原良純さんとのコラボアニメCMで起用されたこともあります。見ていて癒される可愛い絵を描く漫画家さんです。

また、1989年の第11回クレヨンハウス絵本大賞にて、優秀作品賞受賞を獲得した事もある才能溢れる方でもありました。

無実の人を巻き込んだ身勝手な事件

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この事件は自ら死ぬのが怖いという身勝手な理由で、罪のない無関係な人々を殺害する最悪な事件でした。しかし、この事件は、必ずしも真大1人だけが絶対的に悪いというものではありません。

支え合っていくはずの家族が、お互いがお互いに無関心で家族関係が崩壊し、真大には、心を許せる友達もないという孤立した状態が真大を苦しめ、このような事件を引き起こさせてしまったともいえます。

全ての家族が良好な関係を築ける訳ではありません。なので、それ以外で自分の居場所を確保しようとする努力も必要だったかもしれません。

家族同士の関係があまり良くない家庭は良くありますが、その全員がこのような凶悪な殺人を起こすわけがありません。なので、金川真大の考え方が異常だったことは確かだと思います。

このような悲惨な事件を起こさない為にも、お互いの絆を大切にしていきたいものです。

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