2019年10月28日 更新

何故事件は起こった?土浦連続殺傷事件の犯人の心理や警察の対処

土浦連続殺傷事件は、金川真大という犯人が起こした通り魔事件です。今回はこの事件の被害者についてや当時の警察の捜査状況、動機について紹介します。他にも生い立ちや逮捕のその後、死刑執行までの裁判の様子なども紐解いていきます。

目次

住宅街での男性の首を包丁で刺した後、残念ながら男性は死亡してしまいます。2人目を殺害までは捕まる事を避けるため、自宅で着替えた後は、荒川沖駅から常磐線で東京へ向かいます。

その後、東京駅から秋葉原へ向かい、秋葉原の理髪店で髪を丸坊主にし、ビジネスホテルにチェックインします。宿泊したビジネスホテルで、金川は、夕方のニュースで被害者が死亡した事を知り、『死んで良かった』と思ったそうです。

次の日、金川は近くで購入したスーツで出歩き、この日発売されたゲームソフトを購入します。そして、ホテルの部屋で一日中ゲームをして過ごしました。

後日金川は、この行動については体力が非常に消耗していて、すぐに次の殺人を起こす気にはならなかったからと証言しています。

21日に指名手配犯となる

Wanted Poster - Free image on Pixabay (703478)

更に次の日には、安否を心配した母親からのメールを確認します。そのメールが気に入らなかったのか、金川は警察を挑発する返信を送ります。

この返信のメールが決定打となり、県警により指名手配されます。この指名手配の時に使用された写真は、約2年前のコンビニのアルバイト採用の際の履歴書の写真でした。最新の写真は2年前のものしかなかったのです。

金川はこの日も秋葉原で過ごし、ニュースで自分が指名手配されたことを知ります。このころになると、何度か真大を心配するメールが何通か送られてきました。

翌日も何もせず翌々日に犯行を決意

Clock Alarm Watch - Free photo on Pixabay (703479)

更に次の日は、元々土地勘のある常磐線ひたち野うしく駅から荒川沖駅に向かって歩きます。しかし、殺害できそうな通行人がいないため断念し、この日は誰も殺害しませんでした。

逃亡を続けながら、金川は県警に電話し、「早く自分を捕まえてごらん」などと挑発行為をしていました。さらにその日は幼少期を過ごした横浜で泊まろうと移動し続けます。しかし、ホテルが満室で泊まれなかった為東京に戻ってくることになります。

その後泊まろうとした、神田のホテルにチェックインする際に誤って本名を書きかけてしまいます。この行動のミスにより、いよいよ逮捕に近づいたと考え、翌日に大量殺人を行うことに決め、計画を立て始めます。

3月23日に大量殺人を決行

Potatoes Knife Ketchup - Free photo on Pixabay (703480)

金川は考え抜いた結果、荒川沖駅を大量殺人現場に選択します。選んだ理由は、人通りが多すぎず、かつ少なすぎない、土地勘がある場所だったからです。

当時の服装は、黒い上着に黒いニット帽を被っていました。そしてついに、午前11時過ぎに下車し、西口から東口にかけて手当たり次第に、その場にいた通行人の首をナイフで狙って襲撃していきました。

ちょうどその場所には警察官が張り込んでいましたが、警察官も金川の様子が想像とはかなり違っていて、襲撃されるまでは金川に全く気付かず、警察官も大量出血で取り押さえることが出来ませんでした。

取り押さえられずに現場を離脱

Comic Fear Flee - Free vector graphic on Pixabay (703481)

現場の近くにいた他の捜査員も金川の確保に失敗し、金川はそのまま現場を離脱します。最終的に現場では警察官を含めて8人が襲撃され、たまたま通路を降りてきた阿見町に住む27歳の男性の死亡が確認されました。

現場を離脱した金川は、大量殺人の罪で捕まるべく交番へ向かって歩き始めます。その途中で複数の通行人とすれ違いましたが、駅での犯行で体力を消耗していた為、ここでは犯行は行いませんでした。

歩き続け、駅から約200mほど離れたところにある、荒川沖地区交番に到着しましたがあいにく警察官は不在だった為、備え付けてある呼び出し電話機から「私が犯人です」と自分で通報しました。

駆けつけた警察官には、特に抵抗せずに現行犯逮捕されたましたが、その時点で金川は死刑になれる確証が得られていなかったので、イライラしていました。

取り押さえられなかった理由

Violent Crime Burglary - Free photo on Pixabay (703483)

今回、金川をすぐに逮捕出来なかった理由としては、直ぐに捕まることを恐れて丸坊主したことで人相が大分変わってしまったことが挙げられます。

他にも警察は金川逮捕の為、顔写真の提供を求めました。しかし、写真やアルバムを探しても見つからず、あったのは6年前の高校時代の卒業アルバムだけだったので、現在の顔の写真がなかった為、判別できず取り逃がしてしまったのです。

それだけ金川は、社会や家族から背を向けていて、孤立した状況でした。

土浦連続殺傷事件の犯人

Thieves Offenses Wanted - Free image on Pixabay (703531)

ここでは、土浦連続殺傷事件を起こした、金川真大という人物がどういう人物だったのか、どういう思いがあって、このような事件を起こしてしまったのか、見ていきましょう。

死刑を望んでいた

Gallows Hang Penalty Capital - Free photo on Pixabay (703532)

金川真大がこのような事件を起こした理由は、死刑になり死にたかったからです。この頃の真大は、自分の人生に嫌気が差していて、早く自分の命を終わらせたかったのです。

その為に真大が考え抜いて実行した方法が複数人の人を殺してしまおうというものでした。そうして、逮捕されば必ず死刑になると思ったのです。実際に、今の日本の法律では複数人の罪のない人を殺せば、たしかに死刑になる可能性は高いです。

ですが、実に身勝手で独りよがりな発想です。

「自殺は痛いから嫌だ」

Suicide Despair No Output - Free photo on Pixabay (703534)

そんなに死にたいのなら、最悪自殺をすればよいのではないかと思うのですが、真大は自殺は痛いから嫌だという理由で自殺をする方法は除外します。この考え方も実に身勝手なものです。

真大は、社会に対する不平不満が溜まりすぎていて、何人殺さないと気が済まないと思ってしまうような異常な精神状態になってしまっていたのです。

真大には、誰に救いを求めるものが必要だったのに、誰にも頼ることが出来ずそのままになってしまったのが、一番の原因でしょう。

逮捕後の精神鑑定

Meditation Spiritual Yoga - Free image on Pixabay (703535)

真大は逮捕されてからの事情聴取では、「死刑になりたいがために人を殺した」という動機を淡々と供述しました。それに対して警察と検察はともに刑事責任能力を認めました。

しかし、あまりにも動機が荒唐無稽だった為、4月下旬から精神鑑定を行うことになります。この精神鑑定により、真大の精神状態は自己愛性人格障害であると診断され、責任能力があると認められました。

これにより、金川は殺人などの罪で起訴されることになりました。

自己愛性人格障害の症状

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