2019年10月5日 更新

グリコ森永事件の真相や真犯人は?史上最高に後味の悪い劇場型犯罪

日本の犯罪史上、最大の未解決事件とも言われるグリコ森永事件。犯人とロッテの関係や、同時期に起きた日航機墜落事故との関係といった事件の真相に迫っていき、脅迫に使われた子供の声をめぐる小説『罪の声』など、事件にまつわる注目作品も紹介していきます。

目次

江崎グリコ、丸大食品と続いた食品会社への脅迫事件は、さらに小売店や他の食品会社にまで及ぶこととなります。また、この頃になると一連の事件を模倣して食品会社へ脅迫状を送る事件が多発したことから、犯人グループが「偽物にだまされるな」というような声明まで出すに至りました。

こうして世間が混乱する中、次の標的となったのは森永製菓でした。最初の標的となった江崎グリコと同じ製菓会社であったこの森永製菓には、犯人からどのような要求があったのでしょうか。

1984年9月12日:森永製菓関西販売本部に脅迫状

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1984年9月12日の朝、大阪市にある森永製菓の関西販売本部宛に、「1億円よこさなければグリコと同じ目に合わせる。応じなければ毒入りの森永製品を店頭に置く」という脅迫文と共に、固形の青酸、テープ、毒入りの製品が送られてきました。

この脅迫状にはグリコが犯人グループとの裏取引に応じて、6億円を支払ったということも書かれていましたが、江崎グリコはこの件を否定しており、真偽のほどは定かではありません。

9月18日:子供の声の録音で現金受け渡しの指示

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9月18日には森永製菓関西支社に犯人からの電話があり、子供の声の録音で現金の受け渡し場所が指示されます。その指示に従い受け渡し場所に行くと、さらに別の場所に行き、現金を置くよう指示がありました。このテープは電話が繋がっている間、5回繰り返し再生されます。

森永製菓社員に扮した捜査員はこれに従い、1億円を持って行きますが、結局ここにも犯人らは現れず、周囲で捜査網を貼っていた捜査員らはまたも肩透かしを喰らう形となりました。

森永製菓が被害に遭った事件

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江崎グリコ、丸大食品に続いて、森永製菓に対する脅迫事件においても、結局金銭を奪うことができなかった犯人グループ。その犯行の目的に世間が首をかしげる中、グリコ製品と同じように森永製菓の製品でも、同じように青酸入りの菓子をばら撒くという危険な犯行が行われました。

ここでは、森永製菓が被害にあった二府二県青酸入り菓子ばら撒き事件について紹介するとともに、果たして犯人が何を目的にこのような犯行を起こしているのかを考えていきます。

二府二県青酸入り菓子ばら撒き事件

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1984年10月7日から13日にかけて、大阪、兵庫、京都、愛知の二府二県内16カ所のスーパーやコンビニで、青酸入りの森永製ドロップが発見されます。青酸入りの製品には「どくいりきけん、たべたらしぬで」と書かれた紙が貼ってありました。

これ以降、高島屋、阪急、大丸などの百貨店にも森永製菓の製品を置くなという内容の脅迫状が送られ、流通業界は森永製菓の製品を撤去。株価は大暴落し、損害は70億円にものぼりました。

グリコ森永事件詳細【ハウス食品脅迫事件】

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森永製菓が繰り返し脅迫を受け、青酸入り製品までばら撒かれたことで、9割の減産体制を強いられていた頃、犯人はまた別の企業へとターゲットを切り替えました。次にターゲットとなったのはカレーやシチューのルー、その他調味料などで有名な食品会社大手のハウス食品工業でした。

同業他社が次々と被害に遭っている様子を目の当たりにし、遂に自分たちがその標的となってしまった時のハウス食品社員の人々の恐怖は計り知れないものがあります。ここでは、ハウス食品に対して行われた犯行の数々を見ていきましょう。

1984年11月7日:ハウス食品工業総務部長宅に脅迫状

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1984年11月7日、ハウス食品工業総務部長宅に脅迫状が届きました。脅迫状には総務部長以外にも、浦上郁夫社長や監査室長らの名前が書き連ねてあり、青酸入りのハウスシチューとグリコの江崎社長を拉致監禁した際に録音した社長の声が入ったテープも同封されていました。

脅迫状には、グリコや森永が折れて裏取引に応じたことが書かれており、ハウス食品に対して1億円を要求しています。また、警察内に犯人らの内通者がいるかのようなことも書いてありました。

11月14日:女の子の声で現金受け渡しの指示

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11月14日午後8時20分、ハウス食品工業社員に扮した捜査員が脅迫状の指示通り、現金を乗せた車で待機場所に行くと、ハウス北大阪出張所に犯人から電話がかかってきます。

電話からは女の子の声が流れ「バス停城南宮のベンチの腰掛けの裏」と指示がありました。その指定場所に行くとさらに別の場所への移動を指示する紙があり、その後複数回に渡って移動を指示された後、現金を積んだ車は滋賀県にある大津サービスエリアへ向かうこととなります。

指示に従って名古屋方面へ向かう

Bmw Car Rear Sports - Free photo on Pixabay (681974)

犯人からの度重なる場所移動の指示の末、滋賀県の大津サービスエリアへ向かうよう指示がありました。これは脅迫状にあったように大阪方面へ向かうと踏んでいた捜査員らにとって想定外のことでした。

その後、現金を積んだ車を運転する捜査員はさらに指示に従い、草津パーキングエリアに辿り着きましたが、ここにあったのもまた移動を指示する文書です。

そこには、「名古屋方面に時速60キロで向かい、白い布が見えたら、その白い布の下にある缶に入っている指示書を見ろ」と書いてありました。

指示が途切れて捜査打ち切り

Trash Can Dustbin Garbage - Free photo on Pixabay (682563)

名神高速道路を名古屋方面に走っていた捜査員はすぐに白い布を発見します。しかし、この白い布が発見された付近は無線が使えないエリアであり、無線で指示を飛ばしていた捜査員らにとっては最悪の展開となりました。

そして、犯人からの指示通り、白い布の周辺で缶を探しましたが、結局缶は見つからず、犯人からの接触も途絶えてしまい、午後10時20分、この日の捜査は打ち切られました。こうして、今回も警察は犯人に辿り着くことができずに終わります。

11月19日:ハウス食品工業課長に脅迫状

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