2019年10月5日 更新

グリコ森永事件の真相や真犯人は?史上最高に後味の悪い劇場型犯罪

日本の犯罪史上、最大の未解決事件とも言われるグリコ森永事件。犯人とロッテの関係や、同時期に起きた日航機墜落事故との関係といった事件の真相に迫っていき、脅迫に使われた子供の声をめぐる小説『罪の声』など、事件にまつわる注目作品も紹介していきます。

目次

14日にはさんざん捜査を撹乱した挙句、現金受け渡しの場に姿を見せなかった犯人グループですが、11月19日、今度はハウス食品工業課長宛に再び脅迫状を送ってきました。

そこには、14日における現金積載車両の監視状況と、「今は森永を相手にしていて忙しいから、それがひと段落したらまた連絡する」といったことが書かれており、事実上の犯行終息宣言ととれる内容でした。

こうして、4社目の被害者となったハウス食品工業への脅迫事件は一応の終わりを迎えました。

キツネ目の男と白いライトバン

Detective Searching Man - Free vector graphic on Pixabay (683050)

丸大食品脅迫事件での現金受け渡しの際に現れたキツネ目の男ですが、実はこのハウス食品工業脅迫事件での14日の現金受け渡し時にもその姿が目撃されていました。丸大食品の時はただの監視役程度に思われていたこのキツネ目の男ですが、果たしてこの時にはどのような動きをしていたのでしょうか?

また、14日に現場付近で不審な白いライトバンが目撃されていましたが、この車と犯人にはどのような繋がりがあったのでしょうか?

キツネ目の男をたびたび目撃

Fox Animal Wildlife - Free photo on Pixabay (681996)

14日の現金受け渡し時のこと、犯人の指示に従い大津サービスエリアに辿り着いた捜査員らは、周囲に怪しい人物がいないか警戒していました。すると、捜査員の1人が公衆電話にいる不審な男を見つけます。

その男は帽子を深々と被り、夜にも関わらずサングラスをかけているという出で立ちで、受話器を耳に当ててはいるものの通話をしている様子はなかったようです。捜査員はサングラスの奥にある男の目を見て、「あのキツネ目の男だ!」と確信します。

捜査員は職務質問の許可を取ろうとしましたが、今回もやはり受け渡し時に犯人グループを現行犯逮捕するため、許可は得られませんでした。キツネ目の男は別の捜査員が尾行することになりましたが、結局途中で見失ってしまい、警察は2度も現れた重要参考人を2度とも逃してしまうのでした。

白いライトバンとのカーチェイス

Mercedes Benz White - Free photo on Pixabay (681973)

白い布があった付近では犯人の言っていた缶が見つからず、手がかりは途絶えてしまいましたが、その一方で、白い布の近くにいる不審な白いライトバンが目撃されていました。

この時、一連の事件捜査を知らない滋賀県警の警察官が、たまたまこの白い布付近の道路をパトカーでパトロールしていたところ、夜なのに無灯火の不審なライトバンを発見、これに近づいたところ、ライトバンは猛スピードで逃げて行ったといいます。

この件を、マスコミは犯人を取り逃がした「滋賀県警の失態」として報道し、パトロールしていた警察官は辞職にまで追い込まれましたが、そもそもこの事件を知らない警察官は、通常の手筈通りに職務を全うしようとしたに過ぎなかったと、後に警察関係者は語りました。

容疑者の似顔絵

"おカン主" a.k.a  "姫"です。●大阪/Japan on Instagram: “刃・ン・行・勢・女・意・文 【私の夢?。目標?。】 #どーでもいい情報。#いらん情報。#不言実行したかったけど。#フワッと。#一人言。#今日のメモ。  私が生まれて来てから、色んな芸術作品。アートや音楽に触れ。…” (682021)

丸大食品脅迫事件とハウス食品脅迫事件の二度に渡って姿を現し、二度に渡って姿を眩ませたキツネ目の男。先のハウス食品脅迫事件でも多くの捜査員が目撃していたこともあり、警察はこの男が事件に何らかの形で関与していると見て似顔絵を公開しました。

この件に関しては、似顔絵に頼りすぎて捜査の本質を見失ってしまうことや、このキツネ目の男が一連の事件においてどの程度の重要性を持つ人物か分からないことから、似顔絵公開は警察内部でも賛否両論あったといいます。

グリコ森永事件詳細【不二家脅迫事件】

Dessert Strawberry Tart - Free photo on Pixabay (681985)

一連の事件はなおも鎮火の気配を見せることなく、次にターゲットになったのは菓子の製造と共にケーキの販売なども手掛ける不二家でした。

1年で最もケーキの売り上げが伸びる時期であろうクリスマスシーズンを間近に控えた12月に事件が起こったということもあり、不二家にとってはかなりの大打撃となったことでしょう。

ここでは年末を迎えて賑わいを見せる日本をさらなる混乱に陥れた不二家脅迫事件について見ていきます。

1984年12月7日~:不二家に金銭を要求する脅迫状

Christmas Card - Free image on Pixabay (683057)

クリスマス商戦が目前に迫った1984年12月7日、不二家の労務部長宅にテープと青酸ソーダが同封された脅迫状が届きます。それには「グリコや森永と同じ目に遭いたくなかったら1億円出せ」と書かれ、クリスマスやその後のバレンタインシーズンに不二家商品をターゲットにすることや、不二家の店舗に放火するといったことが書かれていました。

その後、12月15日、26日と不二家を脅迫する内容の文書が届きましたが、不二家は断固として取引には応じない姿勢を貫きました。

不二家脅迫事件真っ最中の犯人グループの無線を傍受

Small Ship Radio - Free photo on Pixabay (682540)

この不二家脅迫事件が起こる直前の12月4日、北海道のマアチュア無線家はとある無線での会話を偶然傍受しました。

その会話は「21面相」と「玉三郎」と名乗る2人のやり取りで、「クスリは用意できたか」「不二家はやっぱり金払わんちゅうとんのけ」「不二家あきらめたほうがええわなこりゃ」などというもので、捜査本部はこれを一連の食品会社脅迫事件の犯人グループのものである可能性が高いとして捜査を開始。一部はマスコミに公開されました。

東京・愛知青酸入り菓子ばら撒き事件

Poison Bottle Medicine - Free image on Pixabay (682220)

年が明けてバレンタインデーを目前に控えた2月13日、マスコミ宛にバレンタインデー粉砕を主張する挑戦状が届きます。これと前後して、東京と愛知県名古屋市の小売店で、「どくいりきけん」と書いたラベルが貼られた青酸入りチョコレートがばら撒かれる事件が発生しました。

この事件では、一連の脅迫事件でターゲットとなったグリコ、森永、不二家のものに加えて、それまでに脅迫されていなかった明治製菓とロッテ製品の青酸入りチョコレートもばら撒かれていました。

駿河屋脅迫事件

Writing Write Fountain Pen - Free photo on Pixabay (681957)

1984年2月24日、マスコミ宛に森永製菓への脅迫終息宣言をしてきた犯人グループでしたが、それから間もなくの3月6日、和歌山県の老舗和菓子会社である駿河屋に5000万円を要求する脅迫状が届きました。

それまでターゲットとした企業と比べると大きな会社ではなく、展開範囲も広くはないこの駿河屋まで標的にしてきた犯人グループでしたが、3月8日には犯人側から現金受け渡しを延期する旨が伝えられ、その後も連絡が来ることはありませんでした。

事件の終わり

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