2019年9月2日 更新

ゴールデンステートキラーの生い立ちとその動機は?裁判とその後も

殺人を含む計130件以上の罪を犯しながらも、逮捕されるまでに40年もかかったゴールデンステートキラーこと、ジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロ。彼が罪を重ねた動機とは一体なんだったのでしょう?生い立ちから裁判の行方まで、詳しく紹介します。

目次

アメリカ全土を震撼させたゴールデンステートキラーの全容

Knife Stabbing Stab - Free photo on Pixabay (583850)

「黄金州の殺人鬼」とも呼ばれるゴールデンステートキラー(略してGSK)をご存知ですか?1970年代から少なくとも13人を殺害、50人以上を強姦、100件以上の強盗を繰り返したシリアルキラーであるゴールデンステートキラーは2018年、40年以上の時を経てようやく逮捕・起訴されました。

逮捕されたゴールデンステートキラーこと、本名ジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロが犯した一連の犯罪と逮捕までの経緯、また長年の月日を経て逮捕に至ったことに大きく貢献したDNA捜査の力。

全米のみならず世界中を震撼させたゴールデンステートキラーについて丸ごと紹介します!
また、他の世界を震撼させた殺人事件についてはこちらの記事をどうぞ!

ゴールデンステートキラーとは

Killer Horror Jimmy - Free photo on Pixabay (583853)

最終的に2018年に起訴されたジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロは、最初の犯行から逮捕まで約40年間に渡りの話でした。しかしコールドケースと化したこの事件の風化に警鐘を鳴らすように2013年、作家ミッシェル・マクナマラがディアンジェロが起こした事件を小説化しました。

「I'll be gone in the dark」というその小説の中でディアンジェロは「ゴールデンステートキラー」と称され、そこからこの名前が広まりました。

また、「ゴールデンステイト」とは19世紀にゴールドラッシュ(金発掘を求めアメリカのみならず世界中から人々が押し寄せた現象)に沸くカリフォルニア州の通称です。ゴールデンステートで数々の犯罪を起こしたディアンジェロ。まずは犯行から起訴に至るまでをどうぞ。

1974〜1986年強姦及び強盗事件が多発する

Hooded Man Mystery Scary - Free photo on Pixabay (583865)

ゴールデンステートキラーの主な犯行期間は1974年〜1986年の間でした。犯行当初は一人暮らしの女性宅への不法侵入が主で、家の中をくまなく調べ時に破壊する、個人的なものを盗む、女性の下着をばら撒くといった行為に留まりました。

ゴールデンステートキラーが好んで盗んだ物とは、コインなどの価値の低い個人的なものがほとんどで、銀行の通帳などの価値のあるものには手を付けられていませんでした。

しかし時間の経過とともに犯行は大胆に、そして残忍なものへと変化します。当初は女性の一人暮らしを狙っていたゴールデンステートキラーは、次第に夫婦やカップルの住む家も狙うようになり、犯行内容も強姦、殺人へとエスカレートしました。

殺人事件も多発しマスコミは各犯人にニックネームを付けて連日報道

Old Newspaper Retro - Free photo on Pixabay (583866)

ゴールデンステートキラーは1974年からヴァイセイリア地区で、1976年からはサクラメント地区で、そして1979年から1986年まではサンタバーバラで主に犯行を重ねていましたが、当初カリフォルニア州のこれら3地区での犯行はバラバラの犯人によるものだと思われていました。

全ての事件が同一人物による犯行と判明する前、マスコミはそれぞれに「ヴァイセイリアの略奪者」「イーストエリアの強姦魔」「オリジナルナイトストーカー」とニックネームを付けて連日放送しました。

ゴールデンステートキラーはマスコミ宛に手紙を書いたり、直接電話をかけたりしました。その内容は「俺がイーストサイドの強姦魔だ」(1977年3月18日)や、「俺を捕まえることは不可能だ」(1977年12月2日)「殺してやる」(1978年1月2日)といった挑発的なものでした。

捜査過程で様々な容疑者が浮上

Threatening Dark Gloomy - Free photo on Pixabay (583871)

世間を騒がせ、そして怖がらせているゴールデンステートキラー逮捕に警察は全力を注ぎ、多くの容疑者が浮上しました。専門家によると犯人の身体的プロファイルは以下のようなものでした。

「精神年齢は26歳〜30歳、残忍な性交渉に関わったことがある、きちんとした見かけで近所でも目立たない、健康、頭が良い、おそらく非婚で長い期間女性と交際したことがない、捕まったり死んだりするような人生における重大なことおが起こらない限り犯行を続ける」。

これらプロファイルから多くの容疑者が浮上しました。その容疑者の数は、逮捕までに最終的に8000人と言われていますが、その中にディアンジェロの名前はありませんでした。

被害者の証言により多くのスケッチが描かれ公開されるも逮捕に至らず

White Paper Texture - Free photo on Pixabay (583884)

また、「白人男性、身長は約178センチメートル、靴のサイズは9、スレンダーだが筋肉はある、血液型はA型」といった肉体的特徴がプロファイルされました。

これらプロファイルの内容と生存している被害者の証言、少なくない目撃者の証言を併せて警察は犯人の似顔絵を制作しました。複数に及ぶそれらスケッチは、どれも端正な顔つきの白人青年を描いており、それらはプロファイル通り、確かに近所にいても目立たない存在そのものでした。

コールドケースと化した後も、2016年にFBIによってゴールデンステートキラーの似顔絵は再公開されました。

DNAにより頻発する事件が同一人物であることが判明

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ヴァイセイリア地区の犯人、サクラメント地区の犯人、サンタ・バーバラ地区の犯人は同一人物ではないかと疑惑はあったものの核心的な証拠がありませんでした。しかし2001年、新たなDNA捜査によってこれらの犯人が同一人物であることが物理的に証明されました。

また、このDNA捜査の成功はカリフォルニア州DNAデータベース設立に大きな役割を果たしました。重罪人や有罪判決を受けた被告人のDNAをデータベース化することは、未解決事件となってしまった事件を前進させる大きな材料となるからです。

2016年犯人逮捕に向け賞金を設ける

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2001年に、1974年からカリフォルニア州内で頻発した強姦・殺人・住居侵入の罪を犯したのが同一人物であることが発覚したことを受け、連邦捜査局であるFBIは2016年に記者会見を開き犯人逮捕の懸賞金を発表しました。その額は5万ドルで、アメリカ全土に新たに犯人逮捕に取り組む姿勢を見せました。

犯人逮捕ならず迷宮入りするかと思われたゴールデンステートキラー事件は、科学の進歩とDNA情報提供サービスの進歩により、事件から時間が経過しても風化することはありませんでした。

2018年ジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロを一級殺人罪で起訴

Gavel Auction Law - Free photo on Pixabay (583899)

FBIによるゴールデンステートキラー捕獲の懸賞金発表から2年後の2018年4月24日、ついに犯人ジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロが逮捕・起訴されました。逮捕当時72歳だったディアンジェロは元軍人、元警察官、元トラック整備士という経歴を持つ老人でした。

そんなディアンジェロは一級殺人罪で起訴されました。この起訴をもって初めてヴァイセイリアの略奪者と呼ばれていた犯人と、ゴールデンステートキラーが同一犯人だと公式に発表されました。

犯罪が起きた地域にばらつきがあったため、結びつきを証明することがが難しかったゴールデンステートキラーですが、2018年の逮捕と起訴をきっかけに、ようやく同一人物であることが証明されたのです。

法律により1970年代の強姦などで起訴することはできなかった

Justice Right Case-Law - Free image on Pixabay (583900)

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