目次
- アメリカ全土を震撼させたゴールデンステートキラーの全容
- ゴールデンステートキラーとは
- 1974〜1986年強姦及び強盗事件が多発する
- 殺人事件も多発しマスコミは各犯人にニックネームを付けて連日報道
- 捜査過程で様々な容疑者が浮上
- 被害者の証言により多くのスケッチが描かれ公開されるも逮捕に至らず
- DNAにより頻発する事件が同一人物であることが判明
- 2016年犯人逮捕に向け賞金を設ける
- 2018年ジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロを一級殺人罪で起訴
- 法律により1970年代の強姦などで起訴することはできなかった
- ゴールデンステートキラーのニックネーム
- イーストエリアの強姦魔
- オリジナルナイトストーカー
- ヴァイセイリアの略奪者
- ダイヤモンドノットキラー
- ゴールデンステートキラーが逮捕された理由
- 容疑者としてディアンジェロの名前はあがっていなかった
- ジョセフ・ニュートン・チャンドラー3世の身元の特定
- 証拠品からDNAを採取
- DNA家系図サイトへアップロード
- 系図学者と協力し家系図を作成
- ディアンジェロに絞り込む
- ディアンジェロのゴミ箱から収集されたDNAと照合
- 犯人逮捕のきっかけとなったGEDマッチとは
- アメリカは移民が多く自身のルーツへの関心が高い
- 養子縁組も多いため実親を探す人も少なくない
- 自身の家系図作成を手助けする民間サービス
- およそ1200万人が登録している
- コールドケースを解決する手段として注目される
- ゴールデンステートキラーが行なった犯罪行為
- 12件の殺人
- 50件以上の性的暴行
- 120件以上の不法侵入
- ジョセエフ・ジェームズ・ディアンジェロの生い立ち
- 1954年ニューヨークで誕生
- ドイツ倉庫で姉妹が強姦されるのを目撃
- 中学に通い野球チームに所属
- 米海軍に入隊
- ベトナム戦争などを経験
- 1968年大学に進学
- 1970年警察科学準学士号を取得
- 同級生と婚約
- 1971年刑事司法で学士号を取得
- 1973〜1976年警察署で勤務
- 1973年シャロンと結婚し娘が誕生
- 万引きにより保護観察を宣告され警察を解雇される
- 1980年代の経歴ははっきりしない
- ゴールデンステートキラーとして逮捕されるまで
- 1990年代からトラック整備士として働く
- 娘及び孫娘と共に暮らしていた
- 義理の兄弟とイーストエリアの強姦魔について話していた
- 近隣住民とのトラブル
- ゴールデンステートキラーの犯行動機
- 妹の強姦と両親の対応に対する不信感
- 父親の虐待
- 軍人への怒り
- 人間性の歪み
- ゴールデンステートキラーの裁判とその後
- 裁判ではひ弱な老人を演じる
- 被害者への謝罪を口にする
- 2019年4月死刑を求刑される
- 司法取引により終身刑の可能性も高いと言われている
- DNAデータベースが創設される
- 不幸な生い立ちであったとしても犯罪行為は許されるものではない
ポール・ホールズ刑事が率いるチームは、レイプキットに残された犯人の精液をDNA家系図サイトにアップロードしました。このことは犯人逮捕の一番の決め手となります。
このDNA家系図サイトには、自身の出生のルーツを知るのに有効という理由から、一般の人も自分のDNA情報を登録しているのです。そのことから犯人の遠縁の親戚などが登録されている可能性が高く、そこにプラスしてプロファイリングから得た犯人の推定年齢、推定居住地などの情報を登録することで、犯人の対象者を絞り込んだのです。
このDNA家系図サイトには、自身の出生のルーツを知るのに有効という理由から、一般の人も自分のDNA情報を登録しているのです。そのことから犯人の遠縁の親戚などが登録されている可能性が高く、そこにプラスしてプロファイリングから得た犯人の推定年齢、推定居住地などの情報を登録することで、犯人の対象者を絞り込んだのです。
系図学者と協力し家系図を作成
via pixabay.com
ポール・ホールズ刑事はDNA家系図サイトを捜査に利用しようとする際、アメリカの遺伝系図学者であり有名な弁護士でもあるバーバラ・レイ・ベンダーに協力を求めました。
バーバラ・レイ・ベンダー率いる5人の系図学者は捜査協力を快諾し、DNA情報を基にした家系図を制作しました。その結果、まず25家族、約1000人を犯人の遠い血縁であるとを特定し、さらにその中の血縁者10〜20人が容疑者であることを特定したのです。
バーバラ・レイ・ベンダー率いる5人の系図学者は捜査協力を快諾し、DNA情報を基にした家系図を制作しました。その結果、まず25家族、約1000人を犯人の遠い血縁であるとを特定し、さらにその中の血縁者10〜20人が容疑者であることを特定したのです。
ディアンジェロに絞り込む
via pixabay.com
バーバラ・レイ・ベンダーはその後2人の人物を容疑者に絞り込みますが、そのうち1人はDNA検査で潔白であることが証明されたため結果的にディアンジェロが有力容疑者として残ったのです。
このようなDNAデータベースを基にした捜査は捜査範囲の広さに関わらず正確で、未解決事件の解決・身元不明者の特定・行方不明者の捜索などに非常に有効な手段なのです。最近のDNAデータベースが事件解決に役立った例として、有名な法医系譜学者シーシー・ムーアによる女性教師殺害事件の犯人、DJロウの逮捕が挙げられます。
このようなDNAデータベースを基にした捜査は捜査範囲の広さに関わらず正確で、未解決事件の解決・身元不明者の特定・行方不明者の捜索などに非常に有効な手段なのです。最近のDNAデータベースが事件解決に役立った例として、有名な法医系譜学者シーシー・ムーアによる女性教師殺害事件の犯人、DJロウの逮捕が挙げられます。
ディアンジェロのゴミ箱から収集されたDNAと照合
via pixabay.com
最有力容疑者として浮上したディアンジェロを確実に逮捕するべく、警察は慎重にディアンジェロの監視を開始しました。そして犯人逮捕に欠かせないディアンジェロのDNAを、サクラメント郡のスコット・ジョーンズ保安官が遂に入手したのです。
スコット・ジョーンズ保安官は2018年4月13日、ディアンジェロの車のドアハンドルのポケットにあったゴミと、ディアンジェロの自宅にあったゴミ箱に残されたティッシュをDNAサンプルとして入手します。
そして1970年代の事件から40年の時を経て、遂にゴールデンステートキラーがディアンジェロであるという証拠を手に入れたのです。
スコット・ジョーンズ保安官は2018年4月13日、ディアンジェロの車のドアハンドルのポケットにあったゴミと、ディアンジェロの自宅にあったゴミ箱に残されたティッシュをDNAサンプルとして入手します。
そして1970年代の事件から40年の時を経て、遂にゴールデンステートキラーがディアンジェロであるという証拠を手に入れたのです。
犯人逮捕のきっかけとなったGEDマッチとは
via pixabay.com
ゴールデンステートキラー逮捕に大きな役割を果たしたDNAデータベースであるGEDマッチ。これはアメリカ発祥の娯楽の一部とも捉えられているオープンソース、すなわち一般の人が誰でも使えるサイトでした。
自身の生のDNAデータをアップロードすることで自分の家系図を調べることができるこのサイトは、データベース内に犯人の血縁者が存在すれば容疑者特定に大きな役割を果たすことを実証しました。
DNA登録による個人の特定が重犯罪者の特定にも繋がるという、DNAの二次利用の可能性を示したGEDマッチ。そもそもアメリカでこうしたサイトが人気を博したのには理由がありました。
自身の生のDNAデータをアップロードすることで自分の家系図を調べることができるこのサイトは、データベース内に犯人の血縁者が存在すれば容疑者特定に大きな役割を果たすことを実証しました。
DNA登録による個人の特定が重犯罪者の特定にも繋がるという、DNAの二次利用の可能性を示したGEDマッチ。そもそもアメリカでこうしたサイトが人気を博したのには理由がありました。
アメリカは移民が多く自身のルーツへの関心が高い
via pixabay.com
移民大国として有名なアメリカ合衆国がこれまで正式に受け入れた移民の数は合計5000万人を超え、その数は世界一です。近年でも年間約70万人近くの移民を受け入れるアメリカでは、2700万人ものスペイン語圏出身者、人口の約12.7%のアフリカ系移民がいるとされています。
その他にもアジア圏、ヨーロッパ圏、世界中から移民が集まった国がアメリカです。
近年では母国語を話さず、完全にアメリカ人として成長する移民の子供も多いのですが、知らない母国の文化や親戚を含め自身のルーツに関心を持つ人がとても多く、そんな人たちにとってGEDマッチは自身のルーツを知る簡単で有効なツールなのです。
その他にもアジア圏、ヨーロッパ圏、世界中から移民が集まった国がアメリカです。
近年では母国語を話さず、完全にアメリカ人として成長する移民の子供も多いのですが、知らない母国の文化や親戚を含め自身のルーツに関心を持つ人がとても多く、そんな人たちにとってGEDマッチは自身のルーツを知る簡単で有効なツールなのです。
養子縁組も多いため実親を探す人も少なくない
via pixabay.com
また、アメリカはとても養子縁組が多い国です。約13万人が養子縁組しているとされていますが、実際の数はもっと多いと推定されます。子供が出来ないからではなく実子がいても養子縁組する人は多く、その理由は孤児や虐待されている子供を救いたいというもが多く見られます。
アンジェリーナ・ジョリーやマドンナといった金銭的に余裕があるセレブレティだけでなく、そうでなくても養子縁組する人がたくさんいます。
養子として育ち成長した子供は、自分の本当の両親や親戚に大きな興味を持つ人が多く、そんな時にGEDマッチはとても便利なサイトなのです。
アンジェリーナ・ジョリーやマドンナといった金銭的に余裕があるセレブレティだけでなく、そうでなくても養子縁組する人がたくさんいます。
養子として育ち成長した子供は、自分の本当の両親や親戚に大きな興味を持つ人が多く、そんな時にGEDマッチはとても便利なサイトなのです。
自身の家系図作成を手助けする民間サービス
via pixabay.com
アメリカでは幼稚園や小学校の頃から「ファミリー・ツリー」という家系図制作を授業や宿題で行います。自身のルーツや自分が何者なのか、周囲の人にプレゼンテーションすることは自然な文化であり、その際人種や養子であること、移民であることは普通のこととして受け入れられます。
GEDマッチは移民国家、養子縁組が多いアメリカだからこそ特に必要とされる民間のオープンソースサービスです。また、DNAデータベースのオープンソースとして、GEDマッチの他に23andMeというサイトも有名です。
GEDマッチは移民国家、養子縁組が多いアメリカだからこそ特に必要とされる民間のオープンソースサービスです。また、DNAデータベースのオープンソースとして、GEDマッチの他に23andMeというサイトも有名です。
およそ1200万人が登録している
via pixabay.com
そんなGEDマッチの登録者数は1200万人以上とされています。誰でも自由に登録し自身の家系図を知ることが出来るという気軽さから、多くの人に支持されました。
このサイトに登録した結果、存在すら知らなかった血縁者を知ったり、実際に出会うことも出来るのです。ゴールデンステートキラーの逮捕のきっかけとなったGEDマッチは事件後更に注目を集めることとなり、登録者数が500万人増えたと言われています。
中には「自分の父親がシリアルキラーだったから、自分が登録することで何らかの形で捜査に生かしてほしいと思い登録した」という声も寄せられました。
このサイトに登録した結果、存在すら知らなかった血縁者を知ったり、実際に出会うことも出来るのです。ゴールデンステートキラーの逮捕のきっかけとなったGEDマッチは事件後更に注目を集めることとなり、登録者数が500万人増えたと言われています。
中には「自分の父親がシリアルキラーだったから、自分が登録することで何らかの形で捜査に生かしてほしいと思い登録した」という声も寄せられました。
コールドケースを解決する手段として注目される
via pixabay.com
当初GEDマッチの創業者カーティス・ロジャース率いる経営陣は、捜査当局がGEDマッチを利用することに難色を示していました。その理由はもちろん利用者のプライバシー保護の問題でした。しかし数ヶ月熟考した後、カーティス・ロジャースは捜査への協力を決心しました。
ゴールデンステートキラーの逮捕後サイトを退会する人もいましたが、1日に1500人が登録する日もありました。新規登録者のほとんどが、未解決事件の解決に自分も役立ちたいという気持ちから登録しており、アメリカで数多く残るコールドケースの早期解決を望む人々の気持ちが窺えます。
ゴールデンステートキラーの逮捕後サイトを退会する人もいましたが、1日に1500人が登録する日もありました。新規登録者のほとんどが、未解決事件の解決に自分も役立ちたいという気持ちから登録しており、アメリカで数多く残るコールドケースの早期解決を望む人々の気持ちが窺えます。
ゴールデンステートキラーが行なった犯罪行為
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