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与太者
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こちらは「よたもの」と読みます。
正義を持たないならず者や役に立たない愚か者、という意味があります。
この言葉は、与太郎という言葉から派生しました。
与太郎は、落語で登場する、少し知恵の足りない愚か者を指します。
よたよたした歩き方をしている様子から与太郎と名付けられた、と言われていますが、定かではありません。
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与太者は、与太郎と同じく、愚か者という意味を含みますが、与太者の方が乱暴なイメージが伴います。
他にも、この言葉から、与太を飛ばす、与太を言うなど、でたらめを言ったりふざけたことを言ったりするときに使う言葉も派生しています。
無頼漢
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こちらの漢字は、「ぶらいかん」と読みます。
意味は、荒くれ者、ごろつき、といったものがあります。
漢字を見てみると、無頼と漢に分けられます。
無頼は頼りにするものがない、頼らずにいるという意味があります。
漢は、男という意味なので、無頼漢は、何にも頼らずにいる男、という直訳になります。
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聞こえはいいですが、実際には、乱暴するような人を指す言葉なので、あまりいい意味では使えません。
ヤクザ
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誰もが聞いたことがあると思います。
ヤクザというのは、正当な職業に属さず、法に背いて暮らす人々の総称です。
実は、この言葉には、役に立たないこと、価値のないこと、などという意味もあります。
この意味は、賭博の悪い手になるところからきています。
三枚ガルタという賭博は、1~10までの札40枚を順にめくって、めくった3枚の合計と、手札の数字の合計の末尾が、9に近い者を勝ちとするものです。
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このとき、めくったカードが8、9、3だと、合計が20になって、手札は9に近い数字でないと、勝てません。
この8、9、3の組み合わせは、三枚ガルタの中では最悪の手とされています。
このことから、8、9、3、つまりヤクザは、価値のないこと、などという意味で使われるようになったそうです。
地回り
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地回りは、都会の盛り場をぶらぶらしているならず者、という意味があります。
また、その他にも、都会や近郷を渡り歩いて商売をする人、品物を近郷から都市へ回送してくること、などを指します。
都会のある一帯をなわばりとして、ぶらぶらと歩くならず者の意味が、よく使われるようです。
また、江戸時代には、江戸地廻り経済という経済がありました。
これは、江戸とその周辺地域との経済関係のことで、周辺地域から江戸に送られてくる荷物のことを地廻り荷と言います。
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そこから転じて、近郷から都市へ回送してくること、など上記の意味が生まれたとされます。
由来の奥深い漢字の楽しさ
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いかがでしたか?
今回は、「破落戸」の意味や由来、その関連語について、紹介しました。
漢字には、一文字一文字に意味があります。そして、その意味を繋ぎ合わせて、一つの語ができます。
どのような意味の漢字なのか、調べてみることも、その語を理解することに繋がります。
また、一見意味のわからない漢字が並んでいても、その歴史を紐解いてみると、よく考えられた意味が添えられているのです。
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漢字は中国から伝わってきた文字ですが、日本でも親しまれる文字です。
その意味を考えるには、中国の文章や歴史を理解しなければいけないときもあります。
ですが、その難しい考えを超えた先に、その語の美しい歴史的背景と、奥ゆかしい意味とが待っています。
せっかくこの記事を、ここまで読んでくださったのですから、日常に現れる、難しい漢字の意味を、少しでも調べてみてはいかがでしょう。
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