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お峰は山村家に、2円貸すようにと頼みこみます。
領主は、一度は貸すと言ったものの、大みそかに約束を反故にしました。
これに怒ったお峰は、領主の引き出しから、20円のうち2円を盗み、伯父一家に渡しました。
そして、大みそかの決算を迎えます。
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お峰は、伯父一家に罪が及ばないように、ただ祈るばかりでした。
ですが、20円の入っていた引き出しにはお金がありません。
山村家の長男が、勘当のつもりですべてを盗んでいったのでした。
お峰は罪に問われることはなく、窮状から抜け出したのです。
この作品は、貧乏な家庭に生まれた人々の人生を書き綴った作品で、樋口一葉自身が体験した貧困生活をもとに作られています。
破落戸/諸田玲子
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こちらの本の題名は、「ごろつき」と読みます。
時代小説・「あくじゃれ瓢六捕物帖」シリーズの内の1つで、瓢六を主人公に話が展開されていきます。
「あくじゃれ瓢六捕物帖」シリーズは、5作品で完結しており、「破落戸」は、その集大成ともなる第5作目。
1作目から、「あくじゃれ」、「こんちき」、「べっぴん」、「再開」、「破落戸」と続きます。
なお、「あくじゃれ瓢六捕物帖」シリーズは5作で完結していますが、「あくじゃれ瓢六」というシリーズで続編・「想い人」が出版され、瓢六のシリーズは完結しています。
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このシリーズの主人公・瓢六は、もともと囚人です。
賭場での悪事を疑われ、大牢にいましたが、博打仲間に殺しの疑いがかかっていると聞き、事件解決に乗り出します。
事件解決をするにあたって、瓢六は牢を出ることになります。
その後のシリーズでも、数々の難事件を解決していく、痛快捕物帖です。
蜜のあわれ/室生犀星
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金魚にも少女にもなれる「あたい」と、老作家「おじさま」の奇妙な交流を描いた作品です。
幻想小説の分類で、「あたい」、「おじさま」のほかに、「ゆうれい」も出てくる、なんとも不思議な作品です。
老作家の昔の様子に、「破落戸」という表現が使われています。
こちらも、読みは「ごろつき」。
会話文だけで話が進んでいく、普通の小説とは少し違った作品となっています。
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「あたい」と「おじさま」が話している様子を読んでいくと、人間同士が会話しているのではないかと思うほど、淡々と進んでいきます。
最初の会話の内容から、「あたい」は金魚であることが読み取れますが、「あたい」は街に買い物に出ると言って、金魚であるにも関わらず、買い物に行ってしまうのです。
会話文だけではありますが、好奇心が掻き立てられるような書き方がされています。
秘密の庭/ギルバート・キース・チェスタートン
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直木三十五が翻訳した、外国の短編小説です。
著者のG・K・チェスタートンは、イギリスの小説家であり評論家でした。
こちらの小説は、著作権が切れていますので、青空文庫などでも電子書籍として読むことができます。
G・K・チェスタートンは、かの有名な「シャーロックホームズ」シリーズの生みの親、コナン・ドイルと同じ頃に生まれています。
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生きていた時代が同じだからか、作風も登場人物も、少し似ているところがあります。
破落戸の関連語
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ここからは、「破落戸」の関連語について、紹介していきます。
意味は「破落戸」に似ているけど少し違う、「破落戸」と違う漢字だけど意味が同じ、というような語句を紹介します。
「破落戸」とどこが違うのか、友達に説明できるといいですね。
無法者
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無法者は、文字通り、法の無い者。
つまり、法や秩序を無視する人のことを指します。
乱暴者も同じ意味ですね。
道理に外れた行いをする、乱暴なふるまいをするなど、あまりいい意味では使われません。
英語では、アウトローと言われます。
ローは法律、アウトは外のことなので、法律を無視した人のことを指します。
悪玉
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悪玉は、CMなどで聞いたことがあるかもしれません。
悪玉菌は聞いたことありませんか?
よくコレステロールの話題で、善玉、悪玉、という言葉を耳にします。
それぞれ、HDLコレステロール、LDLコレステロールなどと呼ばれます。
悪玉は、これ以外にも、人の善悪を擬人化したキャラクターとして、江戸時代における草双紙の挿絵に登場していました。
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このことから、悪人や悪役など、悪いことをする人間として認識されるようになりました。芝居や映画でも、悪玉は悪人の役として言われます。
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