2019年5月27日 更新

アドラー心理学の基本前提と子育てに活かす方法!理論への批判も?

子育てにも役立つと言われているアドラー心理学。劣等感やトラウマについての考え方に特徴がありますが、一部では心理学としてはおかしい、むしろ宗教のようだという批判の声もあります。そこで今回はアドラー心理学について、性格診断なども含めてご紹介していきます。

目次

ですから、叱られることで親の注目を引くことができると考える子どもは、その行動をやめません。叱って罰を与えることも、罰する人がいないところで悪事を働くことになるでしょう。

ではどうしたら良いかというと、子どもの適切な行動に注目するということです。いけないことをしてもその行動に反応せず、正しい行動や良い行動に注目していると、子どもは悪いことをせずに良い行動をするようになるというのがアドラーの考え方です。

褒めない子育て

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子どもは褒めて育てた方が良いという言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかしアドラー心理学では、子どもを叱らないという考え方と同時に、子どもを褒めることもしないという考え方です。

そもそも褒めるというのは、能力のある人が能力のない人に、「よい」と上から下に判断することだというのがアドラー心理学の考え方です。
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褒められた子供は、自分には能力がないと考えるため、育児の目標である「私は能力がある」という目標を達成することができなくなります。

子どもにとって必要なのは褒めることではなく、勇気づけることです。勇気づけるというのは、喜びを共有するということです。「あなたが~してくれて嬉しい」「~してくれて助かった、ありがとう」と、親の気持ちを伝えることをしてみましょう。

助けない子育て

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アドラー心理学では、ある問題が起こった時「これは誰の課題か」と考えます。例えば宿題をやらない子どもにイライラした場合、宿題をやらないのは子どもの課題です。それにイライラした親が、宿題をやるように促すのは子どもの課題に口出しすることになり、親子の衝突が起こります。

しかしだからと言って、これは子どもの課題だから、と放っておくことではありません。大切なのは、見守る姿勢です。頼まれもしないのに、こちらから口出しをするべきではないということです。
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子どもから助けを求められた時には、親子の共通の課題として解決に協力をするということが大切です。頼まれたときにはいつでも協力できるように見守りはするけれど、先回りして子どもの問題に口出しするべきではないということです。

比べない子育て

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アドラー心理学では、自己受容、つまり自分を受け入れることが大切だと考えています。ありのままの自分を受け入れることが精神的な健康につながることであり、他人と比べて劣っていたり、優れようとする必要はないということです。

比べるというのは、他の子と自分の子どもを比べて劣っていると考えたり、優れていると安心することです。劣っていると思われた子どもは自分をありのまま受け入れられなくなりますし、優れていると思われた子どもも、常に優れようとするために、今現在の自分よりさらに良く見せようとするでしょう。

優れているか劣っているかではなく、子どもがありのままの自分を受け入れることができる、ということが大切なのです。

アドラー心理学への批判・反論

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アドラー心理学の考え方には、様々な批判や反論もあります。確かに心理学にはいろいろな理論が存在しますから、アドラー心理学の考え方がすべて正しいということではありません。

アドラー心理学に対して批判的な意見にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

トラウマが存在しないという考え方はおかしい

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アドラー心理学では、トラウマは存在しないと言っています。それは、アドラー心理学が原因論ではなく目的論で考えているからです。

しかし、実際にPTSDに苦しんでいる人もいますし、トラウマが存在しないのはおかしいという批判があります。アドラー心理学でトラウマが存在しないというのは、トラウマという出来事が存在しないと言っているわけではありません。
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原因論で考える心理学では、過去のある出来事が原因で今の状況がある、とトラウマを原因として考えるのに対し、アドラー心理学ではこれを、今の状況を正当化するために過去の出来事を言い訳として使っている、と目的論で考えるのです。

ただ、どちらが正しいのか、ということではありません。原因論、目的論によって、トラウマに対する考え方が違うのです。

心理学よりも哲学要素が強い

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アドラー心理学は科学的な心理学ではないという批判もあります。それは、アドラー心理学は実証科学的な根拠がないものだからです。

心理学とは科学的な手法によって研究される学問であり、人の精神や行動を決めるのは原因であるという考えをもとにその理論を実証していくものですが、アドラー心理学では行動は目的のために決まるという考えのため、臨床的なデータや根拠による実証ができません。

そのため、思想的、哲学的な要素が強いものだと考える人もいます。

アドラー心理学は人を選ぶ

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アドラー心理学はすべての人に当てはまるものかというと、そうとは言えない部分もあります。例えば、トラウマはないという考え方は、実際PTSDに苦しんでいる人をさらに苦しめることになる可能性もあります。

しかし、子育てのヒントになったり、自分の考え方を見直してみることに役立つ人もいるのも確かです。状況によって、この考え方が有益なのかまたは状況を悪化させるものなのかが異なるという点で、アドラー心理学は人を選ぶ心理学だと言えるでしょう。

アドラー心理学は心の在り方・実践を説く心理学

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