2019年8月5日 更新

性的指向は変わる?性的指向の基本知識や性的嗜好との違いも

LGBTが広く知られるようになった現在、性的指向にも注目が集まっています。今回は、性的指向が変わる?性的嗜好との違いは?どんな種類があるの?などの疑問にお答えまします。性的指向がわからない人に診断チェックも用意しました。

目次

いかなる性別に対しても恋愛感情を抱かない人、恋愛的指向を持たない人をアロマンティックと呼びます。誤解がないように説明すると、決して人を好きにならないわけではなく「人間的に」人を好きになることはありますし、家族的な愛情はきちんと持っています。

ただ恋愛感情に限定して持つことはないということです。性的指向はまた別の話ですので、性的な興奮をおぼえるジェンダーに対しての強い興味や執着が湧くことはあり得ます。

異性にたいして恋愛感情を抱く→ヘテロロマンティック

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異性に対して恋愛感情を抱く人をヘテロロマンティックと呼びます。これが恋愛的指向においてマジョリティと言えるでしょう。

人間は長い期間、このヘテロロマンティックが正常でありそれ以外の恋愛的指向は異常であるとしてきました。そのわかりやすい例が、先に紹介した広辞苑の記述です。世界的な歴史を見ても、法律などの公的な決まり事を見ても、ほとんどのことはヘテロロマンティックを基準に考えられています。

しかし現在は、少しずつ流れが変わりヘテロロマンティック以外の恋愛的指向に対しても理解しよう、権利を主張しようという動きが出てきています。

同性にたいして恋愛感情を抱く→ホモロマンティック

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同性に対して恋愛感情を抱く人をホモロマンティックと呼びます。男性であれば男性が、女性であれば女性が恋愛対象です。

こちらは恋愛的指向の中でも比較的早くから、世間に認知されてきた種類でしょう。ただ差別の対象になったり、笑いのネタにされたりとホモロマンティックの人たちの人権を無視した状態での認知だったことは間違いありません。

現在は東京都渋谷区の「同性パートナーシップ条例」を始めとした法的整備が進んできていますので、ホモロマンティックの人の権利が保護されることが期待されています。

異性及び同性に恋愛感情を抱く→バイロマンティック

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異性にも同性にも恋愛感情を持つことができる人をバイロマンティックと言います。ヘテロロマンティックと、ホモロマンティックを兼ね備えた恋愛的指向といって良いでしょう。

ホモロマンティックに比べて世間の認知は少し遅かった印象ですが、メイプル超合金のカズレーザーさんのように公言している芸能人などもおり、ホモロマンティックと同様に市民権を得てきていると言えるでしょう。

カズレーザーさんは「性別は男女問わないけれど、美しい人間が好き」とおっしゃっているそうですが、この意見はバイロマンティック以外の恋愛的指向の人にも理解できるものです。

男女の性別以外の人々も含め恋愛感情を抱く→パンロマンティック

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男女の以外の性別を含めたすべての性別に恋愛感情を持つことができる恋愛的指向をパンロマンティックと呼びます。日本語に訳すと「全性愛」という意味です。

全ての性別に恋愛感情を持つことができるというとバイロマンティックとの違いが分かりにくくなりますが、パンロマンティックは恋愛をするにあたって「性別が条件に入らない」というのが一番的確な表現でしょう。

私たちは人を好きになる時に無意識に「性別」を条件としていますが、パンロマンティックに限ってはその条件が全くないということです。人間性や見かけが恋愛の条件であることは他の恋愛的指向と変わりません。

恋愛感情を抱くが相手から恋愛感情を向けられたくない→リスロマンティック

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恋愛感情を抱くことはあるが相手から恋愛感情を向けられたくないという恋愛的指向をリスロマンティックと呼びます。

見ているだけ、片思いしているだけの時は他の恋愛的指向と同様の恋愛感情を持っているのですが、実際に交際したいかと問われると必ずしも望んでいないのです。

相手が自分に恋愛感情を抱いていると判明した時点から、相手に嫌悪感や不快感をおぼえる事例も多く見られます。これは「蛙化現象」と呼ばれ、童話「カエルの王子さま」の逆バージョンで王子様がある日を境に気持ちの悪い蛙になってしまったかのような感情の変化が起きるのがリスロマンティックの特徴です。

性的指向診断チェック

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性的指向とは自分ではっきりと自覚できるものばかりではありません。思春期や青年期はヘテロセクシャルと信じて疑いもしなかったのに、中年期になってから初めて自覚した。そういえば過去も違和感があった、という事例も存在しています。

なぜなら性的指向はキッパリと区別できないことも多く、グラデーションのようになっているのです。多様なセクシャリティがあるとわかってきた現在、自分の自覚しているセクシャリティが本当に合っているのか今一度考えてみてはいかがでしょうか。

ここでは性的指向の種類をいくつか紹介します。自分のセクシャリティはどれに近いのか、診断してみましょう。

異性に惹かれる→ヘテロセクシュアル

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性的な関心を異性に向けているのであればあなたの性的指向はヘテロセクシャルです。ヘテロセクシャルは現在の世の中のマジョリティですので、今まで性的なことに違和感なく生きてこられたのであれば間違いないでしょう。

性的指向はヘテロセクシャルであっても、恋愛的指向がバイロマンティックということもあるかもしれません。過去の恋愛ではたまたま対象が異性だっただけかもしれませんので、今後同性に恋愛感情が生まれても柔軟に対応しましょう。

異性及び同性に惹かれる→バイセクシュアル

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異性にも性的魅力を感じるし、同性にも性的な魅力を感じることがあるならばバイセクシャルの可能性があります。どちらにも同等の魅力を感じる人もいますし、どちらかの性により強い性的興奮をおぼえる人もいるでしょう。

セクシャルマイノリティの知識が広まってきたことに比例してバイセクシャル人口が増えてきている傾向にあると言われていますので、自覚のない、もしくは自覚の薄いバイセクシャルは意外と多いのかもしれません。

同性に惹かれる→ホモセクシュアル

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同性に性的興奮をおぼえるのであれば、性的指向はホモセクシャルということになります。LGBTの中ではL(レズビアン)、G(ゲイ)がこれに当たり、権利の保護のための法整備が世界中で行われている最中です。

ホモセクシャルの人は、性的なことに関心を抱き始める年齢になると自分の性的指向がマイノリティであることに気が付くことが多いようです。誰にも打ち明けることができず、一人で悩む時間が長くあります。中には自殺を考える人もいるほどです。

今も堂々とホモセクシャルであることを打ち明けられる環境ではないかもしれませんが、少しでも同じように悩んでいる人たちと痛みを分け合い、他の性的指向の人たちからの理解を得られる世の中になってほしいものです。

人を好きになることがない→アセクシュアル

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