2019年9月6日 更新

御堂筋事件の概要と犯人とは?女性専用車両を生んだ事件から学ぶこと

御堂筋事件とは、大阪の地下鉄御堂筋事件で起こった痴漢事件が引き金となり1988年に起こった強姦事件です。この事件には2人の犯人と1人の被害者がいます。この事件がきっかけとなり女性専用車両がつくられることになりましたが、一体どのような事件だったのでしょう?

目次

終日女性専用車両がある路線もある

Subway Republic Of Korea South - Free photo on Pixabay (607411)

2000年から本格的に導入され始めたとはいえ、東京ではほとんどの電車で女性専用車両は一部の時間のみ運行し、残りの時間は女性専用車両として機能している電車が多いです。

しかし、関西には終日女性専用車両が機能している路線もあるといいます。大阪府内でいうとJR西日本、そして大阪市営地下鉄、阪急、北大阪急行電鉄の4事業者13路線が終日女性専用車両を実施しており、JR西日本は平日のみならず、休日も女性専用車両がある列車を運行しています。

御堂筋事件のその後

Tunnel Subway Metro - Free photo on Pixabay (607415)

この大阪の地下鉄御堂筋線内で起こった御堂筋事件は、社会的にも事件後、大きな反響があった事件として有名です。この事件がきっかけとなり、痴漢被害の女性の立場がそれまでよりも尊重されるようになりました。

そして、女性専用車両ができるきっかけともなり、この事件がきっかけで駅員が増加したり、「性暴力をゆるさない女の会」も発足したのです。

「性暴力をゆるさない女の会」が発足

ハッピー野郎 on Instagram: “知らなかった。 #フラワーデモ  性暴力を許さない  #Repost @little_escape (@get_repost) ・・・ 今年の3月に立て続けに出た4件の性犯罪事件に対する無罪判決をご存知でしょうか❓ それを知った時、私は開いた口がふさがりませんでした。…” (607452)

世の女性たちにとっては、強姦事件という残酷な事件にも関わらず、短い刑期だったため、この御堂筋事件がきっかけで「性暴力を許さない女の会」が発足しました。

そこに集まった女性たちは、この事件を受けて「自分たちにも何かできることはないか?」と、集会や大阪市交通局や大阪市内の鉄道会社へ向けて働きかけました。
Shizuka Nālani on Instagram: “#metoo #withyou 性犯罪者には一生オチンにでもGPSをつけて現在地閲覧できるようにしてGoogleマップで管理したい。 大事な人達が辛い経験をしないために。…” (607456)

「性暴力撲滅のために車内広告やアナウンスなどで、PR活動をしたり、性暴力を誘発するポスターなどを掲示しない、そして男性以外の駅員を増やして性暴力を防ぎ、痴漢などの被害があったら迅速に対応する」などの要望を提出したりして活動を続けましたが、初めの頃は彼女たちの要望がそう簡単には通りませんでした。

交通局の対応

City People Underground - Free photo on Pixabay (607440)

しかし、女性たちの訴えに全く交通局も耳を貸さなかったわけではありません。まだ「性暴力を許さない女の会」が発足して最初の頃は、これらの要望に対する回答や対応は、女性たちが期待していたようなものではありませんでした。

大阪市の交通局の方では、まず痴漢防止のため、地下鉄や駅構内での駅員たちの見回り・巡回の強化をしたり、電車に乗車する女性たちに、痴漢に気を付けるように注意喚起を行うなどの対応はしていました。

性暴力を誘発するポスター提示を停止

Departure Platform Subway Station - Free photo on Pixabay (607447)

「性暴力を許さない女の会」により、事件後変化したことは他にもあります。痴漢を抑制するために、グラビア写真などのポスターや水着の女性のポスターなど、性暴力を誘発するポスターの提示を停止させたのです。

これをすることで、男性は性暴力に及ばなくなるのではないかと、電車の中での痴漢を未然に防ぐため、このような対策をとったのです。そのため、それまでは男性に刺激的なポスターも駅にはたくさん貼られてあったこともありましたが、その頃からめっきり見かけなくなってしまったのです。

駅員の増加

Train Station Platform - Free photo on Pixabay (607423)

他には、痴漢を防止するため、駅構内や地下鉄構内を巡回・見回りする駅員を今までより増員したり、女性の駅員を増やすなどの対策をとりました。

そうすることで、痴漢行為を未然に防ぐことができるのではないかと考えたのです。駅員を増やすことで不審者も以前より見つかりやすくなったり、防犯対策面からいってもメリットはあったようです。それ以外にも車内広告などで、痴漢をを抑制するような広告が貼られるようになります。

車内広告・アナウンスでPR

S Bahn Railway Station Human - Free photo on Pixabay (607432)

性暴力を恐れる女性たちのために「性暴力を許さない女の会」はその後も活動を続け、事件から5年経ったろ頃には、私たちが今でも駅や町中でよく目にする「痴漢アカン」というキャッチフレーズのポスターが作られるようになりました。

その後も、痴漢対策が徐々に強化されていき、さまざまな対策がとられるようになりました。例えば、電車の中で痴漢防止のアナウンスが流れるようになったり、2000年頃からは、女性専用車両が都市部に導入されていくようになりました。

被害者・犯人の現在

Sad Depressed Depression - Free photo on Pixabay (607434)

痴漢は被害者も加害者も、事件が大きくなればなるほど、その家族や恋人も苦しむことになります。この御堂筋事件の犯人、そして被害者は現在、どのように日々を過ごしているのでしょう?

ここでは、そんな被害者と犯人の現在を見ていきます。

被害者の現在

Woman Sorry Depression - Free photo on Pixabay (607439)

被害者であるAさん以外にBさん、その他の余罪が今回の犯人にはあるものの、痴漢からBさんを守って、それを逆恨みされ、強姦されたAさんの心に受けた傷は、相当なものだったはずです。

その後もトラウマとして長い間苦しんだことでしょう。しかし、現在事件発生後からおよそ30年がたとうとしている今、徐々にそのほとぼりは冷めてきているはずです。
Passion Three Crosses Cross Good - Free photo on Pixabay (610667)

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